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「私の子育て、間違っている?」その不安、いったん横に置いてほしい【子育てエッセイ】
SNSを開けば、
「子育て中のNG行動◯選」
「△△をしていない親はダメ」
「あなたの毒親?診断」
「子どもの成長を阻害する親の行動◇選」
みたいな情報がたくさん流れてくる。
それを見ていたら、ものすごく不安になった。
私、何か間違ったことをしているんじゃないか?
このままじゃダメなんじゃないか?って。
子どもたちと一緒に図書館に行っても、子育てに関する本がずらりと並んでいる。
「○歳までにこれをやるべき」
「これができる親が子どもを伸ばす」
「賢い子どもに育つ親の特徴」
情報はたくさんあるし、きっとどれも間違ってはいない。
でも、そんな子育ての”正解”を突きつけられるような言葉を見て、時々しんどくなる。
「これもしちゃダメ」
「あれもしちゃダメ」
でもさ、完璧な子育てなんて、できるわけないじゃん。
私は元保育士だ。
勤務経験は6年間と少し。特別長いわけではないけれど。
子どもたちと毎日接してきた中で思うのは、子どもの数だけ正解があるということ。
ベテラン保育士だって「こういう子どもにはこんな対応が合う可能性が高い」と、断定する言い方をしない人が圧倒的に多い。
だって、子どもは一人ひとり違うから。
保育士として過ごしてきた時間の中で、同じ対応で同じ反応が返ってくることなんてなかったし、特効薬や魔法はどこにもなかった。
目の前の子どもに合いそうな対応を手探りで探す。
保育士はその回数が膨大だから、ヒットを見つけるのがちょっとだけ早くなる。
たとえば、私の3歳の第一子ちゃんと2歳の第二子くん。
同じ親から生まれてきたはずなのに、性格も、好きな食べ物も、イヤイヤ期の出方も、体調の崩しやすさも、ぜーんぶ違う。
同じように育てているつもりでも、第一子ちゃんがすんなりできたことが第二子くんには通用しなかったり、その逆もあったりする。
「子育てにはこうすべきっていう正解がある」
そう思っていたら、どこかで必ず壁にぶつかる。
だって、子どもによって”正解”は違うから。
SNSでよく見る子育て界隈の不安を煽るような情報たち。
もちろん、参考になることもある。
でも、それがすべてではない。
「私の子育て、間違ってたのかな」
「もっとこうすべきだったのかな」
そんなふうに落ち込んでしまうママがいたら、伝えたい。
あなたの子に合うやり方が、きっとある。
ただそれを探しているだけ。
だから、SNSの中に答えに近いものを探すことも悪くないし、あまり良くない対応していたなって思ったらそこから変えていけばいいから、そんなに自分を責めないでほしいなって思う。
これは、自分自身に言っていることでもあるけれども。
不適切な子育ては明確に存在はしているけど(暴力とかネグレクトのことね)、子育てに万人に共通したはっきりとした正解なんて、たぶんない。
そんなふうに思えたら、私もあなたも、きっともう少し気楽に子どもと向き合えるんじゃないかと思う。
明日も、いい1日になりますように。
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