私は餃子はひとりでは食べられない。
社会人になって私は家を出て1人暮らしを始めた。実家に帰ってくると、決まって食べたくなるものがあり、よく母に餃子をリクエストした。一人だと冷凍食品の餃子を全部食べられないし、皮を買って1から作る気持ちにもなれない。私にとって餃子は誰かと食べる食べ物の代表格だった。
1人暮らしを始めた当時、私は1Kのアパートに住んでいた。ロフトがあって、大好きな赤色がアクセントカラーの築浅物件。実家では6畳の子ども部屋の真ん中に仕切りの本棚を置いて弟と使っていたこともあり、お部屋への憧れは人よりも強かったと思う。「あぽちゃん」とアパートに名前を付けるほど自分の部屋が好きだった。
暮らし始めた当初、部屋に食べ物の匂いがついてしまうのが嫌で、好物のラーメンを食べることを控えていた。(ファブリーズで全て解決できることに気づいてからはラーメンなどの匂いの残るものも食べた)
そんなある日、仕事で失敗して落ち込んでいる時に寄ったスーパーで、私は冷凍食品の餃子に出会った。お部屋に匂いが残ることは嫌だけど、どうしても食べたくて食べたくて。買い物カゴの中に冷凍餃子を放りこんだ。でも、レジに通すことはなかった。ひとりで食べる餃子は私が食べたい餃子と「なにか違う」と思ったから。
なぜあの時に餃子を買うことができなかったのか、時折思い返しては引っかかっていたんだけど、今ならわかる。餃子は私にとって「誰かと食べる食べ物」だからだ。だから一人暮らしをしているあのアパートの一室では食べられなかったんだ。
餃子を食べる日は家族全員が食卓を共にする日。
餃子を食べる日はホットプレートで家族でパーティーする日。
餃子を食べる日は誰かとラーメン屋さんに行って餃子をシェアする日。
私にとって、ひとり飯の対極に位置するのが餃子だった。
今は、旦那さんがいて子どもたちがいて、新しい家族と私は餃子を食べる。子どもたちがもう少し大きくなれば、ラーメン屋さんに行く日もあるだろう。餃子注文して家族みんなで分け合って食べられる日はもうすぐそばまでやってきているかもしれない。
明日もいい1日になりますように。
いただいたサポートは、1000円をこえたら家族でおやつパーティーを開かせていただきます。その様子をまたnoteにupしますね^^いつも読んでくださり、どうもありがとうございます!