見出し画像

パトカーを見ると、ちょっとドキドキしていた昔の私へ【子育てエッセイ】

昔、パトカーや警察官を見かけると、なぜかドキドキしてしまう自分がいた。

別に何か悪いことをしたわけじゃない。なのに、パトカーが近づくと「え、なんか疑われるようなことしたっけ?」と無駄に焦ってしまう。

たぶん、20代前半の頃に未成年に間違えられて、バイト帰りの深夜に自転車で帰る途中に何度も警察に止められた経験があったからかもしれない。

「すみません、ちょっといいですか? 身分証明書見せてください。未成年ですよね?」

もちろん、バイトの終了時間が深夜までの時は20歳超えていたし、ちゃんと防犯登録した自転車だったし、特に問題があったわけじゃない。

でも、急に呼び止められると、なんだか申し訳ない気持ちになってしまう。

だから私は、警察官を見るとちょっと構えてしまう癖がついていた。




そんな私が、今はパトカーを見るとちょっとワクワクするようになっている。

変わったのは、子どもが生まれたから。

我が家の子どもたちは、働く車が大好き。特にパトカーが大好きで、見つけるたびに「 パトカーいた!!!」と大興奮。

白と黒のデザインがかっこいいのか、赤く光るランプがいいのか。とにかく、どこで見つけても「あれに乗りたい!」と言わんばかりに嬉しそうにしている。

そんな子どもたちに影響されて、いつの間にか私もパトカーを見るのが楽しくなった。

「あ、警察官がいる! 今日は手を振ってくれるかな?」
「敬礼してくれるかもしれないね!」

子どもたちとそんな会話をしながら、パトカーを見つけるたびにちょっと期待してしまう自分がいる。

そして、今住んでいる街の警察官はとても朗らかな人が多いので、けっこう敬礼や手を振ってくれるのだ。




あんなに警察官を見てドキドキしていた私が、今ではすっかり「パトカー!かっこいいね!」とウキウキする側になっている。

同じものを見ているはずなのに、子どもが生まれるとこんなにも景色が変わるんだな。


警察官を見る目も変わった。
昔は「何か注意されるかもしれない」と身構えていたけれど、今は「子どもに優しく手を振ってくれる人たち」というイメージになっている。

これって、子育てをしている中で、ポジティブに価値観が塗り替えられたひとつの出来事なんだと思う。


子どもと一緒にいると、自分が見てきた世界がちょっとずつカラフルに変わっていく。
そういう小さな変化が、子育ての楽しさなのかもしれない。




明日もいい1日になりますように。



いいなと思ったら応援しよう!

神田ちあき|保育士ママライター
いただいたサポートは、1000円をこえたら家族でおやつパーティーを開かせていただきます。その様子をまたnoteにupしますね^^いつも読んでくださり、どうもありがとうございます!

この記事が参加している募集