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マネージャーの仕事って何? 「Playing Overseas」

さて、ヨーロッパ出身のコーチと仕事をするようになって3年目、今季ユーロリーグに触れる機会が圧倒的に多くなりました。
普段の会話も「昨日のレブロンのダンク見た?」から、「ValenciaとCSKAの試合見た?」へと変化しています。
マティアスHCも、見るべき試合やプレーを選手とシェアし、ユーロリーグ映像用の共有クラウドドライブも導入しました。
選手との面談においても、週に何試合くらいバスケを見ているか?という質問を投げかけ、NBAのハイライトばかりではなくユーロリーグを見て勉強してバスケットの理解力を高めてほしいと常に伝えています。


リンクの映像はユーロリーグ提供のドキュメンタリーであり、海外でプレーすることについて選手やコーチが語っています。

僕の仕事と直結する部分もあり、とても興味深い内容でした。
残念ながら、日本語字幕はないですね。youtubeなので自動翻訳あるかと。

海外で仕事したことはありませんが、ドキュメンタリー内の選手のように生まれ育った国以外でプレーする選手たちと仕事をしています。
プロの世界でも、マネージャーは「何でも屋さん」とよく言いますが、彼らのケアも仕事のひとつです。仕事かどうかも分からないような細かなこともありますが、チームや環境に慣れオンコートで集中できるように、オフコートでの心配を少なくすることも自分の役割だと思っています。

この部分において僕自身の経験がとても活きているのは、
「外国人になったことがある」ということです。

英語力も、もちろん大切です。ツテもコネもスキルも経験もなかった自分が、プロチームに入り11年目のシーズンを終えました。改めて英語を学ぶという決断は大きかったと今でも思います。
そして、自分自身が外国人として扱われ、制限され、言葉も文化も習慣も違う場所で生活した経験がとても大きな意味をもっています。
アメリカ生活はたった10ヶ月だけなので、たいした経験でもないですが。
24歳で仕事をやめ、ありったけの金で渡米し、帰ってきてからも各地を飛び回りながら好きな仕事をやらせてくれる家族と環境に改めて感謝です。


コンフォートゾーンから抜け出す

ドキュメンタリー内でKyle Hinesが語っていた、街・食生活・文化などオフコートでも多くを受け入れることで学びがある、そして人として成長するためにコンフォートゾーンから抜け出すことが必要という言葉にとても共感します。

海外出身の選手やスタッフの文化・リズム・習慣から学び・受け入れること、そして突拍子もない質問や頼み事によって僕をいつもコンフォートゾーンから引っ張り出してくれる彼らは、僕に成長する機会をくれる貴重な存在です。
日本に生まれ育ちながらも、こんなにも知らないこと、やったことがないことがあるのかと、今でも驚きます。知らない、分からない、経験がない、自分で何とかして、と思うようなことでも、もう一歩・二歩踏み込んで調べよう、サポートしようと考え行動できるのは、仕事であるという責任あるいは情熱以上に、自分が外国人になったことがある経験が大きいと感じています。当たり前ですが、日本にいて日本語がしゃべれない・理解できないと不便なことはたくさんあるんです。

そんな環境で、
文化や言葉を少しずつでも吸収し馴染もうとするタイプと、
どんな状況でも「自分」を貫くタイプがいます。
どちらが良いかという話ではありません。成功の方法は人それぞれ。

専用の練習場やトレーニングルームがあり、冷暖房完備でシューティングマシンもある。試合前日はメインアリーナで練習をし、必要なものがあればクラブがすぐ手配してくれる。そんな海外で当たり前な環境が日本にはありません。

優秀な人材を獲得するために、まず第一にお金が必要です。
そして、優秀な人材が本来の実力を発揮するために良い環境が必要だと思っています。「どちらが先か」はクラブの判断です。
良い環境がなかった場合、それに適応できるかがポイントであり「ミスマッチを埋める」ことが必要になります。

ただ、僕が普段気にしているような小さなことは気にしない、満足する環境でなかったとしても、そんな事は簡単に乗り越えて適応してくれる選手もいます。


2人の同級生

広島で一緒だった竹内公輔選手。現在も日本代表で活躍するバスケ界のスーパースターです。同級生です。リーグ参入初年度の地方のプロチームとしては、かなり背伸びした選手獲得だったと思います。彼が来てくれたことに本当に感謝しましたが、それと同時に「この環境で大丈夫か?」という不安がありました。
加入直後のテレビのインタビューで彼が語っていた言葉で、今でも強く印象に残っていることがひとつあります。

シャワーや冷暖房のない体育館で練習するのはキャリアで初めてだが、戸惑ったのは最初だけだった。

僕が一番心配していたことを、あっさりと乗り越えてくれました。
もちろん、不満やストレスはあったはずなので「あっさり」ではないと思います。
それでも、彼の言葉に救われましたし、本当に頼もしい選手が来てくれたと改めて感謝しました。

我らが偉大な同級生、今野翔太選手もnoteで少し触れていますね。

このエピソードを語ると、「不平・不満を言う選手は悪だ」と感じる方もいるかもしれませんが、そうではありません。
もちろん、彼らの言葉に甘えるわけにもいきません。

この業界に入るきっかけであり、4シーズン過ごしたDライズで学んだことは、不満を伝えること・より良い環境が必要であると発信することは必要です。それと同時に良い環境は自分たちで勝ち取らなければいけないことです。
そして「勝敗」が「判断」に深く関わってくるプロスポーツにおいて、負けているときと、勝っているときの発言・発信の力の差はとてつもなく大きいです。

また話がそれてしまっていますね。記事を書いていると、あれこれと思いつくことが多く、それぞれの要素が繋がっているので、まとまりを欠く。
そして、編集中で未公開のnoteが次々とたまっていきます。


安心・安全な環境-THE CULTURE CODE-

最近読んだ本の中に、この記事とつながる内容がありました。

「安心・安全」な環境や心理的状況を作ることが、パフォーマンスを最大化する

この本に限らず目にする内容であり、自分がやっていること・やるべきことは、これなのだと改めて感じました。
スポーツにおける「マネージャー」という言葉には、非常に強い先入観イメージがつきまとっており、それに苦しむこともありますが、マネージャーの仕事を見直すきっかけとなりました。
この本を読みながらいろんなことを思いついたので、それも記事にしたいと思っています。


今回も書きたいことが多すぎて、書いてる途中でいろんな話を思いつき、それぞれの要素が少しずつ関係しているので、話題があちこち飛んでしまいますが、マネージャーの仕事を少しでも知ってもらえれたら嬉しいです。
ハーフタイム中、スコアシートの印刷を待っているちょっとした時間に、マネージャー同士コミュニケーション取ることがあるんですが、「読んでます」と言ってもらえることがあり、試合中なのでリアクション薄いかもしれませんが、めちゃくちゃ嬉しいです!

更新サボってましたが、未公開の記事があるのでオフシーズンの間に仕上げていきたいと思います。


最後に、トップの写真はコンビニでハイチュウに夢中なコナーとキャムです。日本のハイチュウやグミが好きな選手が多いんです。

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Yuto Ikeno@チームマネージャー
プロバスケチームのマネージャーを知ってもらいたい。 何でも屋さんと言われる裏方のお仕事を語ります。 チームマネージャーの認知度・価値向上を目指して発信します。 全国のマネージャーにリスペクトを、マネージャーを目指すあなたに勇気と知恵を与えたい。

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