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ユーロコーチとの日々2「本音と建て前」

ヨーロッパ出身のコーチと仕事をしていると、新しい気づき・発見がたくさんあります。
毎日のようにWhy? Why? Why?と、なぜなぜ攻撃にあいます。

19-20シーズンよりストークスの指揮をしている「マティアス・フィッシャー」ヘッドコーチ。

彼にこう聞かれたことがあります。

「なぜどんな時も、いい人を演じなければいけないのか?」

嫌なことには嫌というし、

嫌いな奴に好かれようとは思わない。

相手に同じように思われてもかまわない。

いかにも外国人らしい言い方です。


日本には本音と建て前という言葉があり、それが文化レベルで浸透しているんだと思うと説明しました。

適当な英語が出てこなかったので、ググりました。

private opinion and public stance

だそうです。

初来日の外国人コーチにとって、日本という島国の独特のリーグは、バスケの環境面への対応以上に、文化・人間性を理解することが非常に難しいと思います。

環境面での対応力についてはこちらの記事で触れています。

ずっと一緒にやってきたコーチ同士・クラブ同士、敵ながらも仲間意識のある空気の中で、初来日のコーチは浮いていると思われることが少なくないと思います。

DEEP B.LEAGUE、終盤の質問コーナーで「テクニカルファウルを取られることに、チームを鼓舞する意味はない」という発言から、ひとつのプレー・ひとつの勝敗が選手やコーチのキャリアを変えることがあるという話が聞けます。この言葉からも感じられるように、海外ではバスケットの価値が非常に高く、文化として存在していることが分かります。
(ぜひ動画↓で前後の発言も含めて聞いてください)

試合を戦う真剣さ、プロフェッショナルのレベルが日本とは大きな差があり、それが違和感や空気感の違いにつながるのだと思います。
もちろん、日本のプロバスケは今まさに、その存在意義を模索しながら作っている最中なので、差があるのは当然ですし、それを受け入れなければいけません。


コーチライコビッチの言う、「日本人はなぜ嘘をつくのか」という問いにもつながる文化レベルでの違いがあるかと思います。
詳しくは↓の記事をご覧ください。現時点で僕のnoteで最も閲覧数の多い記事になりました。


その差を感じる瞬間は記者会見

なんせ、ハッキリと言いたいことを言います。
試合の勝敗や、その時の感情がハッキリと表れます。

なので、

厳しいなぁ
態度悪いなぁ
失礼だなぁ

と感じているメディアの方もいるかもしれません。

もちろん、常にジョークをまじえ、
時には、コーチがメディアに質問したり、
世間話をするかのようにコミュニケーションをとったり、
すごくリラックスした空間を作ってくれます。

言っちゃいけないことは言わないけれども、
言うべきことは、ハッキリと言う。

メディアの影響力をちゃんと理解しているんだなと感じます。
そして、その影響力が海外と日本では大きな差があることを知らずに発言するので、それが違和感の要因のひとつだと思います。
そもそも、バスケットボールの地位が海外とは違うので、根本的な違いはここから生まれますが。

英語の勉強もかねて、サッカーやバスケの記者会見の映像をYoutubeでよく見ます。
ユーロのコーチたちの会見は本当に面白いです。
メディアからのありきたりな質問も少なければ、コーチの当たり障りのない答えも少ないです。
記者会見もひとつのショーあるいはエンターテイメントになっています。

B2でも記者会見の様子は毎試合撮影してくれています。
ハイライト映像やテレビの報道で、一部が放送されることがありますが、
ぜひ見てもらいたい記者会見がいくつかあります。

コーチ自身も、オンエアーされるからこそ言っている発言もあるので、
これがファンや関係者の目に触れないのは非常に残念です。

僕のつたない英語力がバレてしまいますが、なんとかして会見映像を流すことできないんですかね~


ある敗戦後の記者会見で

「インテンシティ(強度)の高いディフェンスに対応できなかった」

というコーチの発言に対し、

「相手チームのディフェンスの強度は想定以上だったか?」

という質問がありました。

コーチの答えは、

「その問いは間違っている」

「適切な質問は、あのディフェンスはリーガルかイリーガルか?をまず問うべきだ」

というものでした。

もちろん、審判の判断がリーガルだったので、その試合において文句は言えないのですが、この発言も放送されいろんな立場の人に聞いてもらうことを前提として言っているのだろうと感じます。

ここでそんなこと言ってもどうしようもないだろう、と思うこともありますが、コーチは記者本人にではなく、その後ろにいる読者・視聴者を意識して発言しています。
そこを意識して発言しろというのは、リーグの新人研修のメディアトレーニングの時間にも学びました。


プロリーグとしての歴史や成熟度の高い国から来たコーチから学ぶことはたくさんあります。
そして、そのレベル・クオリティーの差を感じることが多々あり、苦しむことがありますが、その差を認識し、違いを受け入れたうえで、両者に寄り添っていくのがマネージャーとして僕のテーマであるバランスという言葉につながります。

どっちが良いとか、悪いとかじゃなく、受け入れることがまず第一だと自分にも言い聞かせています。

ユーロコーチとの日々、非常に充実していますし、新しい発見をこれからも記事にしていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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Yuto Ikeno@チームマネージャー
プロバスケチームのマネージャーを知ってもらいたい。 何でも屋さんと言われる裏方のお仕事を語ります。 チームマネージャーの認知度・価値向上を目指して発信します。 全国のマネージャーにリスペクトを、マネージャーを目指すあなたに勇気と知恵を与えたい。

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