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皇嘉門院別当が百人一首に残した作品は?

皇嘉門院別当が百人一首に残した作品は?

─── 目 次 ───
☆作品
☆意味
☆掛詞・序詞・歌枕
☆文法解説
☆鑑賞
☆出典
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☆作品

♪ 難波江の
  葦のかりねの
  ひとよゆえ
  みをつくしてや
  恋わたるべき

です。
読みは、

♪ なにわえの
  あしのかりねの
  ひとよゆえ
  みをつくしてや
  こいわたるべき

となります。


☆短歌が詠まれた背景は?

摂政藤原兼実が右大臣のころ、その屋敷で歌合わせが開かれました。
この歌は、お題
「旅先の宿で契った恋」
で歌ったものです。



・系図

藤原道長─┐
┌────┘
└藤原頼通─藤原師実─┐  ┌──────────┘
└藤原師通─藤原忠実─┐
┌──────────┘
└藤原忠通─九条兼実


☆掛詞・序詞・歌枕

1句:「難波江の」は、歌枕
次の記事の11.



1句2句:「難波江の葦」までが、序詞
「かりねのひとよ」を引き出す


2句3句:「かりねのひとよ」は、
刈り根の一節と仮寝の一夜の掛詞(かけことば)
次の記事の12.


4句:「みをつくしてや」
は、掛詞



5句:《べき》助動詞


☆訳
難波江の
    (大阪湾の入り江の)
葦のかりねの
   (葦の刈り根の一節
       ではないが)
ひとよゆえ
   (仮寝の一夜のために)
みをつくしてや
      (身を尽くして)
恋わたるべき
 (一生涯、
  恋こがれ続けなくては
 ならないのでしょうか?)

大阪湾の入り江の葦の刈り根のように短い一夜
旅先での短い一夜
そんな一夜をあなたと過ごしたばかりに
身を尽くして生涯をかけて恋こがれ続けなくてはならないのでしょうか?



☆出典
『千載和歌集』恋三806


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【皇嘉門院別当】

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