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喜びの"つぶやき"
"あ、もう今年度も終わる"
子どもたちが園から帰ってきて、カバンを開けると入ってた、「えほんくらぶ」からのお手紙。
絵本に触れる機会をたくさん作りたかったため、息子が年少のときから入っていた。
園の図書室から、絵本を借りて返す。
月に2回当番があり、「えほんくらぶ」に入っているお母さんたちと絵本を選んで配っていた。
年度末には、毎年みんなで作っている『つぶやき集』。その手紙が昨日、子どもたちのカバンに入っていた。
この1年間を振り返る。
絵本を見ながら、何をつぶやいていたかなぁ。
そう思いながら、あったあった♪とペンが進んだ。
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娘(3歳9か月)のつぶやき
娘が1年間、読み続けた絵本がありました。
それは、『いちご おおきくなーれ』です。
毎日「読んで」と私のところへ持ってきて一緒に読みました。
家の庭にも苺を植えていました。絵本のセリフと同じように「まだ白いねー」と待ち遠しそうに毎日眺めていました。
お家の苺ができたころ、嬉しそうに兄と分け合って食べる娘。その頃には、絵本を手にとって自分で読むようになりました。まだ字は読めません。でも、何回も私と一緒に見ているうちにセリフを覚えたようでした。抑揚をつけて読む姿は、まるで小さな先生やお母さんのようで可愛らしかったです。
最後のページは、絵だけが書かれていました。文字はありません。絵は、お腹いっぱい食べた2匹のネズミさんが、食べかけの苺にもたれかかって寝ています。私が読むときは何も言いませんでした。でも、娘は自分で読むとき、絵に言葉をのせて「あー、うれしい♡」と言っていたのです。毎回セリフは違うんですけどね。
美味しい、お腹いっぱい、そんな気持ちを、"うれしい"と表現していた娘に、なんて可愛いんだろうと。お家の苺を食べたときの嬉しさもわかっていたからかもしれません。
心こもった娘のつぶやきに、なんだか私もあったかい気持ちになりました。
息子(6歳4か月)のつぶやき
息子は公文に行かせたり、何か特別勉強をしているわけではありません。今しかできないことを学んでほしいと思っているからです。
でも、もうすぐ小学生。ちょっと不安にもなります。そのため絵本好きの息子が興味もって、目にする機会だけでも作ろうと購入したのが、松井紀子さんの絵本。いくつかある中で息子は『たしざん』という絵本に興味をもちました。
学校で行われた「おいでよ集会」に行くと、学校の教科を教えていただきました。息子は単語カードを使いながら足し算や引き算をするお兄ちゃんやお姉ちゃんを夢中になって見ていました。
すると、帰ってから『たしざん』の絵本を持ってきた息子。問題を解いては「ママあっとる?」と何度も聞いてきました。「あってるよ!」というと嬉しそうな息子は、絵本を読み終わると、「算数が楽しみ〜♪」とニヤリ。
小学生になる楽しみを1つ見つけられて、良かったなと思いました。
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他人からみたら、何気ないつぶやきかもしれない。でも、子どもたちにとっては、
美味しさも、うれしさも
できたことも、楽しみも
気づくことのできた喜び。
日常からの、ふとした子どもたちのつぶやきは、大人にとったら小さな喜びかもしれない。でも、子どもにとっての大きな喜びが隠れているかもしれない。
忙しかったり、自分のことでいっぱいいっぱいになっていたりすると、子どもの声や表情から深く考えることができず、通り過ぎていくことがある。
でも、こうした小さな喜びを一緒に味わうことで、忙しさを忘れて心が和む。
私が私でいられるのは、子どもたちのおかげ。
ちょっと手をとめて、子どもたちのつぶやきを、これからも大切にしたい。
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お読みいただき、ありがとうございました。