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コミカルカルな同性愛!!2018年放送ドラマ「おっさんずラブ」の感想

あらすじ

 このドラマは、おじさん同士の恋愛を描いた恋愛とコメディ要素を掛け合わせたドラマである。田中圭演じる不動産で働く主演のハルタが、33歳にしてモテ期を迎える。しかし、それは同性のおじさんらからによるものであった。そこで、ハルタをめぐり、おじさん同士の恋愛が始まるのであった。

感想(ネタバレあり)

 主人公ハルタが、自立しろと母親から追い出され、後輩の牧と共に暮らすところから始まる.牧は、仕事、家事ができるが、不器用な一面をもつ後輩男子であった.そんな牧とハルタは順風満帆な生活をしていくのであった。始まりは、主人公ハルタのダメダメだが、どこか愛嬌があり助けたくなる感じを後輩の牧との対比で描いている。
 最初の展開として、主人公ハルタが気付く。吉田鋼太郎演じる上司の黒澤部長の写真フォルダーに、自分の写真が大量にあることに。そこから、部長のハルタへの気持ちはあふれ出ていく。主人公ハルタは、そんな部長に不信感を抱きつつ、後輩牧にそのことを相談するのであった。すると、牧も自分の気持ちを打ち明け始める。「先輩のことが好き」と。ハルタは戸惑うが、その日は終わる。翌日、後輩牧に昨夜のことを話そうとするが、無かったこととして処理させるのであった。ここまでで、主人公を取り巻くおじさんらの恋愛関係が明らかになる。後輩牧と上司黒澤部長が、主人公ハルタを取り合う構図になっている。しかし、それを主人公ハルタがまだ受け入れらていない。そこの葛藤、やりとりがこの場面の魅力だと感じた。
 その後、部長黒澤の妻が登場する。部長は既婚者であったのだ。しかし、主人公ハルタへの気持ちが強すぎて、恋心を抱いていくであった。恋心抱くだけでは、収まりきらず、妻との離婚を切り出し、主人公ハルタとの結婚を目指すことを決断するのであった。しかし、旦那である部長は、同性である主人公ハルタが好きとは言い出せずにいた。そこで、そんなもじもじ隠そうとする部長をみて、部長の妻は、理由を隠されたたまま、離婚をきりだされたことに納得がいかず、旦那の部長の離婚の理由を知ろうと周囲を調査するのであった。旦那の寝言とから「ハルタン」と呼ばれる人物が怪しいと気づく(主人公ハルタは部長からハルタンと呼ばれている)。調査兼新居探しの中で、旦那と同じ職場の主人公ハルタと出会う。そして、旦那である部長の浮気相手「ハルタン」を探す協力の依頼をする。「ハルタン」は自分であると気づきながら、主人公ハルタは、部長の妻との調査協力を承諾する。ここまで、新たな第3者交えた構図が明らかになった。部長の妻は部長が好きで、その部長は主人公ハルタが好きという。この場面は、旦那の新しい彼女候補は「女性である」という妻の思い込みと、新しい彼女候補は「僕自身」としりつつ部長の妻への調査協力する主人公の攻防が魅力である。
 ついに、我慢しきれなくなり、部長は妻に打ち明ける。ハルタの肩を組みながら、「俺は、ハルタンが好き」と。妻は「これまで調査を協力していた主人公ハルタが彼女候補であったこと」、「新しい彼女候補が男性であったこと」いろいろ衝撃がありすぎ、それを受け止めきれず、その場から立ち去る。妻は何日かたち、主人公ハルタを訴えると言い出す。しかし、元妻も同性同士の恋愛を徐々に受け止め、応援を始めていくのであった.ここから、部長夫妻の物語は幕を閉じ、お互い新たな道へ歩みだしたことが読み取れる。何日かたてば、人間は忘れ、受け入れられるということを表してるとも感じられた。
 その後、話は、後輩牧、部長の主人公ハルタをめぐる恋愛抗争に戻る。ハルタは、同居していた牧に同居を解消しようと打ち出され、でていこうとする。すると、ハルタは咄嗟に後輩牧に抱き着き、引き留める。すると、牧はいう。「先輩付き合ってください」と。ハルタは、牧のストレートな思いに思わず「はい。」と答える。そこから、二人は付き合い始めるのであった。付き合った当初は、主人公ハルタは同性愛が恥ずかしいと思い、付き合っていることをできるだけ隠そうとする。一方で、後輩牧は、恥ずかしいことでないとハルタと意見が食い違っていた。そんな中、ある大物有名人同士の勇気ある婚約発表をうけ、ハルタは自分も付き合っていることを社内公表しようと決意する。車内で後輩牧と付き合っていることを報告すると、後輩牧は知らん顔して、主人公ハルタを突き放す。その行動にハルタは動揺する。家に帰り、その理由を聞くと、「わざわざ公表する必要はない」とさらに突き放される。その結果破局してしまう。破局後、同居は解消する。ここから、順風満帆にみえた後輩牧と主人公ハルタの付き合いは一時幕を閉じる。二人のシリアスな関係を描く。
 主人公ハルタは破局を受け、落ち込んでいた。一方で、部長はこれをチャンスととらえていた。ハルタの社内での後輩牧との付き合いの宣言を受け、ショックと喜びの気持ちが交錯していた。自分が以前に振られたのは、「自分が男であったから」と思っていたが、牧との付き合い宣言をうけ、同性でもチャンスがあるのだと知れたからだ。破局の知らせを聞き、さらにハルタに責める。最初は月に一度家事にいっていたが、それが週一度、三日に一度となり、最終的に同居することになる。そして、部長から、プロポーズをフラッシュモブにて受ける。その結果、ハルタはそのプロポーズを承諾する。そして、場面は結婚式上に移る。結婚式は、ハルタと部長、神父の3人で行われた。結婚式は始まり、誓いのキスの場面になった。そのとき、主人公ハルタは、誓いのキスの際、戸惑い、後輩牧との生活を思い出す。部長はそのことを悟り、ハルタへ後輩牧のもとへ思いを伝えるように送り出すのであった。ここから、部長のやさしさと愛情、ハルタの後輩牧への思いが読み取れる(余談:部長がフラッシュモブを始めたときはとても面白かったです)。
 そして、その後、ハルタは後輩牧へ思いを伝えに行くのであった。「牧が好き」と。それを受け、牧も先輩ハルタの思いを承諾し、再び同居生活に戻るのであった。めでたし、めでたし。部長は少しかわいそうに見えましたが、再び新しい恋へ向かおうとする描写があったので、やはり部長は、偉大だと感じました。そして、ハルタと牧についてもお互いの思いを伝えられ、無事結ばれたので良かったと思いました。

あとがき

 全体を通して振り返ると、凄く笑いあり、感動ありの面白い作品でした。最初は同性愛に困惑していたハルタが、徐々にそのことを受け入れ始め、最終的には自分から同性に好きと伝える。このことに、恋愛には、性別、年齢も関係なく、その人の人間性だと感じ、作品のメッセージ性が伝わりました。また、部長のやさしさ、いつまでも忘れない恋心には感銘を受けました。部長のキャラクターがあったからこそ、この作品は、シリアスなテーマをポップな気持ちで見れたのだと思います。
 「おっさんずラブ」は他にもいくつかシリーズがあるので、見てみたいと思いました。みなさんも、ぜひ、部長のやさしさ、ハルタの愛嬌とギャップを堪能してみてください(アマプラで見れます)。

参考文献:テレビ朝日放送、「おっさんずラブ」


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