『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
という小説をメルカリで買った
三冊買った
家に小説が三冊届いた
訳者違いの
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
(The Postman Always Rings Twice)
この小説が昔から好きで
たまに読みたくなる
だが読むのは毎回
田中西二郎さん訳のやつで
他の訳本は読んだことなかったので
この機会に他のも買って読んでみた
こういう古典の名作は
何度も翻訳されていて
数種類のバージョンがあるのが良い
読み比べると、こんな感じ
三者三様で面白い
翻訳ひとつでけっこう変わる
ちなみにこの小説のあらすじを記しておくと
主人公の流れ者のならず者、フランク・チェンバースは偶然立ち寄ったドライブイン食堂で人妻のコーラとの禁断の恋に堕ちる。やがてフランクとコーラは、コーラの夫で食堂のオーナー、ギリシャ人のニックを自動車事故に見せかけて殺し、財産を奪う計画を立てる。それは成功し、二人の甘い生活が始まるかに思えたが、、という感じのお話です。
殺しとエロス
ハードボイルドにサスペンス
更には法廷劇
弁護士のカッツや検事サケットも渋い
以下
A 田口俊樹 訳
B 田中西二郎 訳
C 中田耕治 訳
Aは現代的ですっきりと洗練されているし
Cはやや古くハードな手触りがカッコいい
けれどもやはり僕は
慣れ親しんだBが好きかもしれない
それはきっと何十年も前から僕が
Bの田中西二郎訳を読んできたからだろう
それは翻訳の優劣とは関係のない
純粋な好みの違いなのだろうと思う
この小説の冒頭で主人公のフランクは
ギリシャ人のニック・パパダキスに
『ご注文は?』と聞かれてこう答える
『オレンジ・ジュースに、コーン・フレークス、フライド・エッグズにベーコン、それからエンチラーダ、フラップジャックとコーヒーだ』
noteの記事にも書いたけど
僕は今年、沖縄のレストランで
生まれて初めて『エンチラーダ』を食べた
『これが郵便配達に出てきたやつか、、』
と思いながら食べたエンチラーダ
チーズに挽き肉にトルティーヤ
古い友達と数十年ぶりに再会したような
そんな味がした