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番外編: 愛するということービートルズの『All You Need Is Love』よりー

今回は番外編として、The Beatlesの楽曲『All You Need Is Love』を取り上げて、愛について考えようと思います。

この曲は、1967年の7月に15枚目のシングルとしてリリースされました。この曲はレノン=マッカートニー名義ですが、実質的にはジョン・レノンの作品とされています。

また、この曲名を直訳すると「愛こそがすべて」となりますが、これは恋愛に限った曲ではないと言われています。

そして、歌詞は謎かけのようになっており、二重否定が多く、解釈の分かれ目になるリリックが盛りだくさんのエキサイティングな一曲になっています。

例えば、
*「There’s nothin’ you can do that can’t be done
という歌詞が冒頭に来るのですが、前後に否定文が続いており、直訳すると

「君ができなかったことで、できたものはない」

つまり、「君はやれることを全てやってきた

ということを二重否定を用いてあえて遠回しに表現しています(これも解釈の分かれ目です)。

曲中には、このような二重否定の文が多く続いており、とても複雑になっています。

しかし、ここで重要なのが、どの歌詞も人などの「名詞」ではなく「動詞(〜すること)」がベースになっているということです。

つまり、この曲名で言うと、「愛」ではなく「愛すること」にリリックがかけられているということです。


他の歌詞でも、
*「Nothin’ you can sing that you can't be sung」
和訳: 歌われなかった曲で歌った曲はない
→歌わなければ、歌った経験もあるはずない

*「Nothin’ you can make that you can't be made」
和訳: 作られたことのないもので作ったことはない
→作らなければ、作った経験もあるはずない

*「No one you can save that can’t be saved 」
和訳: あなたが救える人で救われなかった人はいない

※これからは個人的な解釈も交えます。

そのため、この曲が伝えたいことは、愛や歌、という抽象的な概念ではなく、愛するという行為そのものの大切さを説いている歌だと考えてます。

誰かを「好きになること」や「大切にする」という体験こそが愛であり、自分で“すること”にすべては尽きるというメッセージを直接的に表現するのではなく、受け手が自ら考え行動できるように遠回しに表現していると考えています。

ある意味、この“余白”のようなものが、曲名にAll You Need Is Loveと付ける大胆さのわりに、愛については深くは語らない理由なのかもしれません。

以上のことから、ビートルズの「All You Need Is Love」は、当たり前のようですが、全てのものは行為そのものであり、「やらなければ何も成されることはない」し、それは愛することも例外ではないと伝えている一曲なのではないでしょうか。


今回は、以前の記事と変わって音楽家の視点から「愛」について考察してみました。

愛するということは、誰に対しても与えられた「権利」…いや、権利ではなく「自然的に発生する人間の営み」であるので、今回のように学術的な視点から抜けてより精神性の高い視点から考える記事を書いてみました。
解釈は人それぞれですので、今回の記事が必ずしも正しいといは限りません。

ぜひ、皆さんも今回の記事が何かしらのヒントになり、日常の中での問いを導き出す手助けになれれば幸いです。

ここまでお読みいただきありがとうございました✨
少しでも良いと思ったらいいねとフォローお待ちしております。
また次回の投稿でもお会いしましょう。

*˙︶˙*)ノ"マタネー

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