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「一隅を照らす」人になりたい 仏教の教えに学ぶ心やすらかに生きるヒント【 前編】


こんにちは。LET'S JOIN 公式 note 編集部エンジョインサロンの加藤です。

先日、ジョイングループ60周年・セレモニーホール霞城20周年記念講演を開催しました。

講師は石行寺(しゃくぎょうじ)第57世住職 佐藤亮照(りょうしょう)氏

講演のタイトルは「一隅を照らす~仏教の教えに学ぶ心やすらかに生きるヒント~」です。

仏教は日本の文化や日本語に大きな影響を与えていて、仏教徒でなくても自然と触れる機会の多い、身近な存在です。

とはいえ、普段なかなかお寺に行ったり住職の話を聞いたりする機会は無いと思います。

この記事を通して、仏教の教えに触れ、みなさまの「心やすらかに生きるヒント」が見つかれば幸いです。

最上三十三観音霊場「石行寺」

石行寺は、山形市岩波(いわなみ)にある、創建1300年を超える歴史ある天台宗のお寺です。境内にある岩波観音堂(いわなみかんのんどう)は、最上三十三観音の第7番札所となっています。

最上三十三観音(もがみさんじゅうさんかんのん)
国内有数の巡礼地。山形藩主最上家5代目・頼宗の一人娘・光姫が、自身をめぐる争いで命を絶たれた武将を憂いて出家し、三十三の霊場を巡ったことが由来といわれている。

石行寺では毎月さまざまな講座やイベントが行われています。

「生きている人のための寺でありたい」
「お寺に気軽に来てもらいたい」

という想いで「仏教を体感する」「お寺で学ぶ」をテーマにした、和讃・御詠歌(わさん・ごえいか)の会や座禅、写経の会、オカリナ教室や茶道教室などが開かれます。
※和讃・御詠歌・・・仏の教えやお経の内容をわかりやすい言葉にして、音や節をつけたもの。

講話は2部制。
休憩時間には参加者様と談笑するお姿も。

33年間のサラリーマン生活を活かして

佐藤氏は僧侶のかたわら、ボランティアとして保護司や「いのちの電話」にも携わり、人々の悩みに寄り添いながら社会貢献活動に尽力されています。

実は、民間企業で33年間ものサラリーマンの経験をされています。

寺離れが進み、倒産する寺院も増える中、「お寺を持続させるよう経営していく」ためには、昔のままのやり方ではいけないと考えたそうです。

時代に合った新しい手法が必要だと考え、若い世代にお寺の経営を任せたいと、ご自分がお元気なうちに、息子様に代替わりされました。
(檀家のみなさまに「病気ではないのか」と心配されましたが、そうではないのでご安心ください!)

現住職である息子様がご友人とともに手掛けている石行寺のホームページは、リアルタイムに情報が更新されています。

カレンダー形式で法事の空き状況が見られたり、「ペット供養」や「ぬいぐるみ供養」の専用申し込みフォームがあり、24時間申し込むことができます。

本堂にwi-fiを設置し、ご家族の方が動画配信できる環境を整えています。コロナ禍で遠方から参列することができない方に葬儀や法事の様子をご覧いただくことができます。

「その場に来ないなんて」という考え方でなく、「どこにいても供養したいというその方の気持ちを大事にしたい」という住職の柔軟な考え方が素晴らしいと感じました。


「一隅を照らす」とは

「一隅(いちぐう)を照らす」とは、天台宗の開祖である最澄(さいちょう)の言葉です。

「一隅を照らす これすなわち国宝なり」と最澄著書の「山家学生式(さんげがくしょうしき」の冒頭に書かれています。

「一隅」とは「片隅、目立たないところ、自分のいるところ」を指します。

自分が世間の目立たないところに居ても、自分の力が目立たなくても、与えられた持ち場や役割を誠実にこなすことが大切だという意味です。


一人一人が「一隅を照らしていく」ことこそ私たちの本来の役目で、それが積み重なっていくことで世の中が出来上がっていくと教えています。

「一隅を照らす」のように「仏教の教え」から人生のヒントを学ぶ場を設けたいという想いで、今回の講演にこのタイトルを付けました。


当日は定員を大きく上回り、80名のお客様にご来場いただきました。また、話し手の声を聞き取りやすい音に変換する特殊なスピーカー(comuoon 下記参照)を用いたことで、難聴の方もストレスなく参加できたと喜ばれていました。


さて、前置きが長くなりましたので、講演で話された「心やすらかに生きるヒント」については後編でお伝えしたいと思います。お楽しみに!

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