「一隅を照らす」人になりたい 仏教の教えに学ぶ心やすらかに生きるヒント 【後編】
こんにちは。LET'S JOIN 公式 note 編集部エンジョインサロンの加藤です。
前回に引き続き、ジョイングループ60周年・セレモニーホール霞城20周年記念講演「一隅を照らす~仏教の教えに学ぶ心やすらかに生きるヒント~」についてお伝えします。
講師は石行寺(しゃくぎょうじ)第57世住職佐藤亮照(りょうしょう)氏です。
前編はこちらからどうぞ↓
悩みはみんなが持っているもの
「心やすらか」に生きるために、悩みが無いにこしたことはありません。しかし、生きているとさまざまな悩み・苦しみを感じることがあると思います。
仏教の根本的な考え方のひとつに「一切皆苦(いっさいかいく)」というものがあります。
これは「わたしたちの世界は思い通りにならないものばかりである」という意味です。つまり、わたしたちは苦しみを避けることができないと仏教では考えます。
そして、苦しみの真っただ中にいると周りが見えなくなり「自分だけが苦しんでいる」と思ってしまいます。
しかし、誰もが何かしら悩みを抱えていて、自分と同じように苦しんでいます。講話をしてくださった佐藤氏も、僧侶でありながらももちろん悩みはあるそうです。
そう思うとなんだか安心しますよね。
心やすらかに生きるヒントは「空」と「布施」
それでは「心やすらか」に生きるにはどうしたらいいのか?
佐藤氏は、「空(くう)」と「布施(ふせ)」がポイントだとおっしゃっています。
「空とは」
般若心経(はんにゃしんきょう)に出てくる「空」とは「そもそも実態のないもの」という意味です。
「この世のすべては実態のないもの」だと仏教では考えられています。
地位や名誉、お金の有無を他人と比較しても意味はなく、この世は「諸行無常(しょぎょうむじょう)」で常に移り変わっていきます。
だからこそ「こだわらない」「執着しない」ことが大切だと教えています。
「布施」とは
「布施」と聞くと葬儀や法事でお寺へ包んでいく「お布施」のことを思い浮かべる方が多いと思います。
布施の原語である「ダーナ」は、「自分に大切なモノを提供する」という意味があります。
お金も自分の財産として「自分の大切なモノ」ですが、誰かに優しい眼差しや笑顔を向けたり、思いやりのある言葉をかけることも立派な「ダーナ」です。
「布施」の本来の意味は「自分ができることを見返りを求めずに行うこと」をいいます。
例えば、赤ちゃんの笑顔は見返りを求めていませんが、それを見たお母さんや周りの大人たちは喜び、癒されますよね。
自分の都合を後にしても相手を助けてあげることは、自分自身の為でもあるのです。
「考え方」を変え、行動してみよう
「こだわらない」「執着しない」という「空」の考え方を日常に取り入れるにはどうしたらいいのでしょうか。
自分自身について、あるいは他人について「こうでなければならない!」と勝手に決めつけていませんか?
「こんな考え方もあるんだな」「人それぞれだな」と受け入れてみましょう。それだけで、ストレスが減るかもしれません。
そして「ありのままを受け止める」こと。
何か間違いをしてしまっても、次から気をつければいいし、その事実を「ありのまま」受け入れて「許容」してみましょう。
考え方を変えたら次は行動です。
「布施」を実践してみましょう。
ささいなことでもいいので、人の為に何かをしてあげると、心が温かく安らいでくるはずです。
朝笑顔で挨拶することも「布施」。
これならすぐにでも実践できそうですね!
今回の講話は、仏教の教えをふまえ、佐藤氏の想いや考え方に基づいてお話されています。
「仏教とは何か」
「お寺は何のためにあるのか」
それを分かりやすく伝えるというご自身の役割をしっかりつとめていらっしゃいます。
わたしも世界の片隅から、自分の役割をしっかりつとめ、目の前の自分のやるべきことをひとつひとつ大事にする「一隅を照らす」人になりたいです。
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