読書感想『社長の基本』
著書名:『1000人の経営者を救ってきた コンサルタントが教える 社長の基本』
著者:三條 慶八
発行:かんき出版
■どんな本?
シンプルな本のタイトルに惹かれました。
私自身は、会社の経営経験は全くありませんが、経営者が抱える責任感やプレッシャーは、半端なモノじゃなさそうだと、勝手ながら尊敬のまなざしで見ています。
また、私自身、管理職という立場から、組織=自分がまかされている会社と認識した上で、経営者としての考えの基本などを学びたく、手に取ってみました。
■気になった言葉
「会社をつぶさずに、安定した経営ができる社長は、“ブレない、迷わない"」
社長の最大の仕事は「水先案内人」。
案内人である社長が掲げたビジョンに、社員やステークスホルダーはついてきているのに、そのビジョンを目先のことに追われて見失ってしまっては、いけない。
目の前の売上、利益に捕らわれがちになってしまう自分に痛いほど伝わりました。
「会社をつぶさずに、安定した経営ができる社長は、“部下の失敗を喜ぶ”」
よっぽど人気な会社でないと優秀な人材は来ない。であれば育てるしかない。
人を育てることが大前提。
人は失敗しなければ成長がないことを知っている社長は、会社がつぶれるような失敗でない限り、社員の失敗をむしろ喜んで受け入れる。
それぐらいの度量がある社長の下でこそ、社員は大きく成長する。
「会社をつぶさずに、安定した経営ができる社長は、“捨てる勇気を持つ”」
事業を続けるためには、常に変革・革新を続けていくことが求められる。
賞味期限が過ぎた事業を捨てる覚悟と度胸がないと経営者失格。
捨てる勇気を持つ。本当に難しい決断ですね。
■こんな人におすすめ
個人的には、すでに中小企業の経営者であれば、知っている、理解されている方が多いのではと感じています。
むしろ、これから起業される方や、私のような組織を率いる管理職の方が、社長や経営者の気持ちを少しでも理解しつつ、自らの組織を会社と見立てて経営していきたいという気持ちのある方には、とてもよい本だと思います。
■目次
第1章 社長の基本① 社長の心得
第2章 社長の基本② 社長の行動力
第3章 社長の基本③ 社長の分析力
第4章 社長の基本④ 社長の交渉力―金融機関との上手なつき合い方
あとがきにかえて__
■著者のプロフィール
三條慶八(さんじょう・けいや)
1960年、神戸市生まれ。“会社と家族を守る"経営アドバイザー。株式会社Jライフサポート代表取締役。
負債140億円を背負った会社を自らの力で再生し、完全復活させた経験に基づき、悩める中小企業経営者に真の会社経営、会社再生法を伝授している。
机上の空論ではなく、自らの体験から得た実践的な手法は多くの経営者から信頼を得ており、特に対金融機関との交渉法が、多くの顧客から評価されている。
「もっと早く出会いたかった」「いますぐ指導してもらいたい」などの声が全国から寄せられている。
中小企業経営者とともに、最後まであきらめることなく懸命に闘う姿勢が共感を得ている。
本書は、そんな中小企業経営者との対話、実践から生まれた、会社をつぶさず、安定経営をするための経営の原理原則をまとめた1冊。
主な著書に『あなたの会社のお金の残し方、回し方』(フォレスト出版)等がある。
■本の詳細
著書名:『1000人の経営者を救ってきた コンサルタントが教える 社長の基本』
著者:三條 慶八
発行:かんき出版
発売日 : 2017/12/20
ページ数:224ページ
■良い口コミ
・本書の最後はお金の話がメインとなり、自分の今の仕事とはかなり関連が薄くなってしまいましたが、読み始めから2/3以上は自分の現在の立場と重なることが多く、納得/理解しながら読み進めることができました。従える立場になったら是非一読の価値がある本。
・とても良い本です。解っているつもりの事を再度、確認出来ました。
・経営者だけではなく事業責任者や部長などの管理職の方などにもおすすめです。決断する勇気や理解、発言と言動などに影響することになりそうです。経営だけでなくコミュニケーション上でも同じことがいえるななど日常における発見も多いです。筆者にお礼が言いたいです。
■悪い口コミ
・社長と直接話をしてきたコンサルタントだからこそ書ける内容を期待していたが、他の本に書かれている内容が多く、あまり新しい気づきは得られなかった。
・基本過ぎる。当たり前の内容でした。このレベルを得て起業しようと思うのは非常に危険なことだと思います。
・基本とは、どんなことかと他の考え方をとりいれてみようと読んでみました。
基本や原則が書かれていましたが、規模や経営者のレベルによって色々ですかね。
1000人の経営者を救ってきたとは、やや違和感がありました。経営したい人は一度読まれるといい本ですね。
■まとめ
口コミにも記載がある通り、知っている方であれば”当たり前”のことが書かれていると思いますが、それでも、その”当たり前”を忘れているのが多いこともあるはず。
そういったとき、立ち止まってこの本に書かれていることを思い返すのだけでも、一つの指針になるのではと思います。