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軸のある人、ブレる人

以下の文章は自分の読書感想を思いつくまま書いたもの。個人の主観を多分に含んでいるため、苦手な方は回れ右してください。

本の情報(読了日2022/2/21)
書名:軸のある人、ブレる人 日本はなぜ「上」から劣化するか
作者:山崎武也
出版社:講談社
ASNI:B00B1N5AGY

この本では、自分の良心を信頼することで軸とし、自分の行動を律することで自分の行くべき道筋をはっきり見えるようにすることを目的とし、軸のある人とそうでない人の違いを指摘している。

自分にとって印象深かった言葉をいくつか紹介する。

まず、「人を品定めしてわが身をふり返る」である。誰しもプラスの感情を抱く人とマイナスの感情を抱く人がいるだろう。例えば、毎日挨拶してくれる近所の方や電車内で大声で電話している人など。自分が冷静なときに、自分のことは完全に棚上げし人の品定めをすることで自分を振り返ることができる。

自分はこの項目が一番始めに紹介されていることを面白いと思った。それだけ他人を観察することが大事なのだそうだ。よくよく考えてみれば、幼児が言語習得する際、まずはその場の状況や大人が言うことをまねすることでだんだんとわかるようになってくる。学校を卒業し、大人になると自分を振り返るという機会は少なくなってくる。学校では授業で強制的に自分を振り返る機会があったが、大人になれば意識して自分を律する機会を作らないと誰もその機会を与えてくれない。

自分を省みる際に、自分の心が冷静で正常な状態であることを説いているのははじめて読んだ。当然だが、判断基準がぶれていると正常な判断はできない。多くの本で自分を省みることの大切さは目にしたが、これについて言及しているものはなかった。精神疾患を患っているときは自分のよくない点を過剰に列挙したり、逆にほとんど列挙できなかったりする。心を平静に保つことで正しい判断ができる。

つぎに、「自分の健康は人任せにしない」である。

病気になったら医者へいく。これについて臨機応変な対応が必要だ。本人の経験や周囲の人の見立てによる。自覚症状がかなりの程度であったり長く続く場合は問答無用で医者にいくべきだ。いかない人は、診断結果が怖いのだ。現在の生活が崩れることが嫌なのだ。それによって、早期に死ぬかもしれないのに。忙しいときはついつい自分の健康は後回しにしがちだが、あまり後回しにしていると倒れる。

自分は体調不良で何度か日常生活を送れなくなった経験がある。長期間症状が続いて、回復するまでに1年近くかかったときもある。いずれの場合も少しの不調だからと長期間自覚症状を放置したり、随分無理して日常生活を送っていた。死ぬよりは早めに医療機関へいったほうがいいと実感した。

この本はかなり長いが、一つ一つが重い言葉であり大事だ。しっかり読んで自分の血肉にしたい。

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