最新の呪術廻戦見ました?(2023年10月31日現在)
ナナミンが格好良すぎて。「原作こんなだったっけ」って思うくらい製作陣の愛を感じます。省略されている描写が気になりもするけれど、まるで映画のように一瞬で終わるくらい素敵な38話でした。
さて、今回は番外編です。トスカーナのカンティーナ訪問と同じくトスカーナのアンフォラ工場見学。
月曜日:カンティーナ見学
この日訪問したのはFattoria del Teso.
ルッカの近く、Montecarloにあるカンティーナ。規模は小さめらしい。大きかったけれど。シラー、カヴェルネ、ヴェルメンティーノなどを作っている。フランス品種の葡萄が多い変わったところ。畑の大きさは赤葡萄6ヘクタール、白葡萄6ヘクタールで合わせて12ヘクタール。
カンティーナの成り立ちは当主が1800年代にフランスに学びに行ってフランスの品種を持ち帰ったところから。シャブリなどの影響を受けたらしい。
この土地ではMontecarlo Rosso D.O.Cが有名で、サンジョベーゼを最低50%、カナイオーロ・シラー・メルローを15〜40%、カベルネなどのその他の品種を10〜30%入れられる。選択肢の多いD.O.C.
Montecarlo Bianco D.O.Cというのもあって、Trebbiano Toscanoを30〜60%, Sauvignon, Shardonney, Vermentino, Roussanneなどを40〜70%入れられる。
その他、学んだことメモ。
・仕立てについて。ネッビオーロは仕立てを選ぶが、その他の葡萄ではcordone speronatoはよく使われる、成熟がうまくいく。ただし老化が早い、15年。Guiyorでは起こり得ない。古い畑だから仕立てにcordone speronatoを使ってた、Pino、Vermentinoなど。新しい畑はGuiyotになってる。ただし、葡萄の木が古すぎる場合は寿命を活かすのが主流
・葡萄の木同士が近いと房が少なくなる。凝縮される。根っこが干渉しあう。伸び伸びと成長できない。大量生産にならない。昔は広い間隔でやっていて品質が低かった
・近年は考え方が変わってる。去年は夏に3ヶ月間が雨なかった。水不足。根っこが深く張らない。水を取り合ってしまう。木の間隔が広いと水不足には強い。故に絶対的な答えはない。バランスみる
・日照量の違いで畑の場所を変えている。奥の畑は潰す予定。条件がよくない。水不足なりやすい。他の場所を探す。葡萄の木も古かった。毎年暑く水不足が多い、影響受けづらい土地を選ぶ
・ここの畑は比較的涼しめ。通気性がよい。9月に雨が多くなると温度が下がりやすく、湿気も溜まりやすい
・Montecarlo Bianco 2022 セメント/ステンレス
30%Trebbiano, 40%Vermentino, Pino biancoとSauvignon Blancが少し。別々に発酵熟成し混ぜる。例年より色がしっかり。fruttato, floreale, acidità, mineral。典型的な味、2-3万ボトル、これが代表ワインの一つ、DOCに合わせない生産者が多いがここのカンティーナは重視している。土壌は沖積層。川が運んできたので海の影響がある。地図的に海は遠くない。涼しい、気温の上昇に対応しやすい、13.5%
・Vermentino
DOCもできるがIGTでやってる。モンテカルロは世界的に有名じゃない。市場の目を引きにくい。Toscana & Vermentinoでマーケティングしている。エレガント、Salvia、火打石、sapido, acidità. 市場のウケもいい。Vermentinoは流行ってる。柑橘ドーンが多い。Vermentinoという葡萄自体は環境に影響される。サルビア、火打石、トマトの葉
・Orange del Teso
オレンジ。新しい。Vermentinoの皮をスキンコンタクト。醸し。少し樽を使っている。香りづけ。砂糖漬けのフルーツ。少し強めにプレスしている。ボリューム感がある。フィルターをかけている。新しいからビンテージはない。IGT Toscana。ビンテージ入れても入れなくてもいい。Vermentinoの量は確保できている。
・Montecarlo Rosso 2021
merlotとSylor。セメントのみ。frutta rossa, speziato. シラー、メルロー由来のスパイシーさ。飲みやすい。酸味とまろやかさ、重すぎない。abb strutturato, poco tannico? 2021年は霜が降りて生産量が減った大変な年。まだ若い。メルローの影響で青くさい、草っぽい。生産量は白と同じ
・Anfidiamante 2018
生産量少ない。年間2000本。40% Petit Verdot, 残りが20% merlot, 20% Sylor, 20% Sangiovese. セメント発酵。12-14Lのフランスオーク樽で熟成。frutato, 樽香、スパイシー、Petit Verdotの色、重厚さ、シルキー、まろやかな感覚。タンニン和らいでいる。適度な熟成。土地には合ってる。スーパートスカンに近い。歴史が深い
・Vin Santo 2003
Caratelli 樽。frutta secca. 酸化熟成、ナッツ、樽感出てない。甘み、とろりとした感覚。酸味もある。さらっとしてる。キャラメル、焦がした砂糖、燻製の香りがくる。1万キロの葡萄から十三キロだけ。1リットルあたり200g糖度残ってる。年によってはアルコール発酵が止まってしまう。
ここのカンティーナは案内してくれた醸造家の先生がコンサルをしていて。1998年から関わっている。それまでは安売り・大量生産だった。先生が入ってからは葡萄品種をこの地域に合うものを見直した。会社自体は1700年台からある。使っている樽は1600年のもの。家族経営のカンティーナだが国内だけではなく海外輸出が増えている。でも地産地消はできていないから苦労はある。
火曜日:アンフォラ工場見学
・アンフォラはギリシャ、ローマが起源。ジョージアが有名。クヴェブリ。新しいわけじゃない。
・なぜ成功したか。ワインに酸素を供給できる。いい意味で酸化。熟成がまろやか、香りが開く。アンフォラ自体の素材の味や香りがない付きすぎることがないことがメリット
・Sangiovese/Merlotは半年、一年熟成でまろやかにしつつ、葡萄らしさを生かしながら熟成できる。市場のニーズにマッチ
・好評だった生産者は樽の香りをつけたくない人々。樽香とタンニンが乗ってしまう。それはしたくないけどまろやかにしたい人々
・時代的にも樽間を出すのは好まれない、合致
・樽熟成すると甘さ、タンニン、まろやかが変わってくる。同じ熟成でも、それらを求める人にはテラコッタは物足りない
・形状、蓋、容量、出口、パーツ、醸造の現場で使えやすいように考えている
・中は蜜蝋でコーティングされてることが多い。洗いやすい。80℃のお湯で水圧高くして洗う
・ここで作っているアンフォラの容量は基本的に800L。最大で1000-1100L。ジョージアは2000L。窯を毎回作るから。ここの会社でも技術的にはできる。ただし粘土の材質がこっちは固く、ジョージアは柔らかい。円柱状の大きさが限界。ジョージアはもっと大きくしても千切れない。液体をキープできるメリットもある。価格は2300€。
・ミニモ、70-80L。蓋はステンレスまたはゴム。テラコッタ。480€。蓋込み(買いたい)。バリックは250L〜900L〜1200L.
ここからオフショット。