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その昔、病院に30年ほど勤めていた時代のこと。
老いも若きも多くの方々に身体拘束がなされていました。
手術後のせん妄状態の人や、お若くても脳梗塞やパーキンソンなどを患っている方々が転倒したりお怪我をしないようにという名目でした。
『点滴を抜いてしまうから。』
『徘徊してどこかへ行ってしまうから。』
理由は様々でした。

ところが、7~8年前だったでしょうか。特養という場所に初めて勤務した時に衝撃を受けました。病院に居た方々と同じよう年齢、同じ病名の方々も拘束されることなく自由に歩き回っていたり、歩けない方々でも自由に車椅子で行き来されていたからです。

自分の好きなところへ、自由ーーーに歩いて行くのは、もはや徘徊ではありません。それは『徘徊』ではなく『散歩』と言うべきものでしょう。

そんなことを急に思い出したのは、半年ほど前だったかな?
とある病院に入院している方の実調に同行させていただいた時のことでした。

その方は、車椅子に胴体を拘束されていました。
分かっています。
安全のためです。
分かってはいるけれど。
その昔、さんざん見慣れていた光景だけれど。

仮に退院して、もしも特養に入所されたとしても、その人の病名が変わるわけではありません。
ただ、不必要な制限が取り払われるというだけで、もしかしたら、誰もが、よりその人らしくなれるのかも知れませんね。

***
先述の話とはコロッと変わりますが、本日はN様の園芸や押し花作成のご様子をお送りします。

Nさん、入所してから体重が増えましたね
Nさん、いつもの塗り絵や折り紙も凄いけれど、花を扱う時も手つきが素晴らしいですね
いつもご飯をいっぱい食べて下さりありがとうございます
一つ一つ丁寧に
優しくそっと
このお姿を観れば誰も病名を言い当てることなど不可能です。まさにNさんご自身。
楽しいですか?
そりゃ楽しよ。
また誘ってね。兵頭さん。
*このnoteのカメラワークのほとんどが兵頭さんです。
準備が整いました

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