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片思い世界
鑑賞:2025年2月@TOHOシネマズ六本木ヒルズ
話で魅せるか、役者で魅せるか、競い合う。
試写で拝見。広瀬すずさん、杉咲花さん、清原果耶さんという3人が同じ家できゃっきゃするだけで全てが許されるのですけれど、そこに坂元裕二さんの脚本です。期待値が上がるほかありません。
トリプル主演の描き方が気持ちいいです。三者三様で、一枚岩。みんなで行動したり、それぞれがアクションを起こしたり。
3人共通の出来事に向き合います。その内容も含めて、全体のトーンは短調です。重ため。そこに光を差したり塞いだり。展開は目まぐるしいのもあって、最後まで一気に見入ってしましますけれど、いやそこはトリプル主演3人が並んでスクリーンに映るだけで何時間も見続けますよ、そりゃ。
たぶん見たほとんどの人が西田尚美さんの役にウェイトが行ったのではないでしょうか。本筋(?)横浜流星さんの印象を上回って感じるほどでした。
田口トモロヲさんと小野花梨さんがおいしいです。吉岡睦雄さんの何かやってくれそうな感じは、他の作品の影響で勝手に妄想しました。
「クライマックスはどの部分なのか」問題が出そうなほどたたみ込まれたお話です。結末は満足しました。続編かスピンオフを作って欲しい。
話は上手いし感動的。でも、この3人が並んで写ってたら話が飛んでいってしまいます。それだけ役者さんに引き込まれます。話と役者さんのシナジーと感じるか、競い合いと感じるか。
都心と郊外、自然豊かな場所も出てくる、シーンの豊かな作品でした。
▲同じ土井裕泰監督×坂元裕二脚本の作品です。