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ショウタイムセブン

鑑賞:2025年2月@TOHOシネマズ渋谷

見せ物。

テレビニュースの看板番組で阿部寛さん演じるアナウンサーが脅迫相手とリアルタイムに対峙する。

序盤の展開はテンポ良く、多少の嘘も飲み込めます。でも、全般的に嘘が下手で、腕力で話を成立させにきます。この嘘に付き合えるのか。そこが本作の評価を分けると思います。

生放送の中で脅迫犯との応酬が繰り広げられる面白さ。海外ドラマ「twenty four」のような展開で好きです。しかし、中身は入っていけません。なんで放送局から発電所が見えるのか。爆破の振動が伝わってくる?ラジオのスタジオで音が聞こえる?冒頭から都合が良すぎて、作品への信頼感が落ちると思います。

決定的に内容を汲み取るのが止まったのが、平田満さんが演じる、犯人の関係者役の唐突な登場。そういう人物が居てもいいけれど、その扱いは無いんじゃないでしょうか。しかも、やられて放置。それは無い。

役者さんの扱いが酷いような気もします。先の平田満さんもそうですけど、都合よく振る舞う竜星涼さんと井川遥さん。空回りばかりで空虚な吉田鋼太郎さん。もっと扱いが悪くて、頭の弱そうな小娘みたいにされる生見愛瑠さん。めるるさんの扱いがヒドすぎる。役の阿部寛さんだけが見せ場があります。阿部寛さんひとりで引っ張ります。

都合が良いことばかりなのに、90分ちょっとで終わります。無駄に長くないのは良心的ですけれど、どうせなら腕力をもっと使って欲しかった。もっと都合が良くていいから、ハラハラドキドキを詰め込んで欲しかったです。「24 -twenty four-」って、嘘のつき方が良かったんだなと、再認識しました。

タイトルのとおり、これはショータイムなんだ、見せ物なんだ、それをエクスキューズとする作品でした。

▲小説版です。

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