【大喜利】「ナカノAtoZ 第1回広島大喜利バトル」主催者から見たライブレポ
大会開始前
2024年02月24日。
昨年9月の段階から準備を進めてきた、「ナカノAtoZ 第1回広島大喜利バトル」という大会を仕切る日がやってきた。出場者の定員は18人。行けなくなった人だけで1ブロック作れるくらいキャンセルが出てしまったが、そのたびに募集をかけて、なんとか18人を埋めることに成功した。
前日は多少の不安で緊張していたが、参加者の大半が顔見知りのメンバーなので、いざとなったらその人たちに頼ろうという気持ちで臨んだ。
会場は、RCC文化センター700号室。そこそこ広い部屋だったものの、椅子が少なかったのはもっと確認しておくべき部分だった。12時30分から開場と同時に設営・受付開始だったのだが、15分前に鍵を受け取れることが発覚し、余裕を持って行動出来ることに。事前に手伝いをお願いしていた本塁MAXさんとヒガシノカさん、早くやってきたせっきーさんや安達些細さんなどの協力のおかげで、すぐに設営は終わった。
本大会には、関西や関東から私の知り合いが遠征で来るだけではなく、私と本塁MAXさんが東広島市西条のフリーエントリーのお笑いライブに出演したことで交流が出来た、広島大学のお笑いサークルの部員や、広島のボードゲーム界隈の方なども来てくださって、18人中7人が広島在住の出場者だった。ありがたい話である。
13時になり、開始の挨拶をする。自身の自己紹介と、ナカノAtoZとは何かの説明を行った。
18人を6人ずつの3ブロックに分けて、前半と後半合わせて4問ずつ行う。1問ごとに、観戦者に一番面白かった人を聞いて、挙手してもらう。一人が挙手するたびに1ポイントが加算されて、4問の合計点をブロック内で競う。各ブロックから上位1名が決勝に進出し、それに加えて、ファイナリストの3名以外で一番多くポイントを獲得した人も決勝に進む。決勝は2問行い、予選とは違い2問通して面白かった人に投票してもらう。ここで一番多くポイントを獲った人が、広島大喜利バトル初代王者となる。以上が今大会の大まかなルールである。
ブロック分けについては、事前に全員からフォームで集めていた「自己紹介」の文章の短い順に、Aブロックの1人目から6人目、Bブロックの1から6、Cの1から5となる。(Cの6人目は遅れてくる予定だったソバ2さんで確定していた)このシステムは事前に公表していなかったため、説明した瞬間は少し会場がどよめいていた。この方法でブロック分けを行った結果、このようなブロックが出来上がった。
Aブロック
・安達些細
・手汗
・特効さん
・かごめ
・工藤
・島
Bブロック
・静かの海
・貯蓄アンドザシティ
・根岸
・ヒガシノカ
・YC
・むつみくん
Cブロック
・本塁MAX
・脳髄筋肉
・せっきー
・コサックX.com
・電光石火
・ソバ2
Aブロック1周目
1問目
「ホテルにチェックインした時に受けた館内の説明で、『え?』となった従業員の一言」
1問目は普遍的な要素かつオーソドックスなセリフお題。自己紹介の時間で多少盛り上がったものの、大喜利が始まると大喜利の空気にリセットされることを改めて感じた。
先手を取ったのは特効さん。その後もペースを崩さず回答を繰り出す。このお題では「ホテルロードからお入りください」「FC2ですでに視聴済みではあると思いますが」「わたくしのことは、ホテラーと呼んでください」などの回答でインパクトを残したかごめさんが10ポイント獲得。個性的な回答を出した手汗さん、広島大学漫才サークル所属の工藤さんも健闘。個人的には島さんの「以上が館内の説明です。ここからは館外の説明です」が好きでした。
2問目
「正義のヒーローへの憧れが隠し切れない悪役が取った行動」
このお題では「『とうっ!』と言って出てきた」と初手で出した手汗さんの独壇場となった。「5人で来た」から間髪入れずに「バイクで来た」を出したり、「事件を起こしていない時は恋愛をしている」という回答で爆発を起こしたりしていた。島さんも「幹部なんですけど、見た過ぎてかなり現場に出ている」で票を獲得したり、工藤さんも「最近朝ごはんを食べるようになった」で印象を残す。
Bブロック1周目
1問目
「テレビプロデューサーから『すごく似ているけど、オーディションは不合格で』と言われたモノマネ芸人、一体何がダメ?」
このお題最初の大ウケは、貯蓄アンドザシティさんの「お茶の間にはMEGWINは伝わらない」。そのまま様々な角度からお題を乗りこなし、多数の票を稼ぐ。根岸さんは「名前がモノマネくん」、ヒガシノカさんは「テレビ局の廊下の火災報知器を効率よく押した」などの回答で健闘。ブラックな回答を繰り出したボードゲーム界隈のYCさん、お題に真正面から挑んだ、工藤さんと同じサークルのむつみくんもインパクトを残す。
2問目
あなた「カフェ寄るかな」
たまたまカフェから出てきた男「○○○○」
あなた「別の店にしよう…」
2問目は根岸さんが大ハマり。「この店がいいなあ!」「カフェに入っていく女ぁ!」などの回答で拍手笑いを起こしていた。貯蓄さんも「フクロウってあんな臭いんだ」という回答を終盤に出して、ベテランのテクニックでわずかに票を得る。個人的にはYCさんの「痛かった~」が真っ直ぐ面白くて好きでした。
Cブロック1周目
1問目
「そんなことにこだわらなくていいよと思った寿司屋の大将『うちは○○○○』」
2問目
「『単行本がすでに30巻も出ている』『絵柄があまり好きではない』はわかるけど、それは何?と思った漫画作品を読むのをためらった理由」
※すみません!ここだけアプリの不調で録音出来ていませんでした!1問目のソバ2さんの「うちは肉…」と、2問目の電光石火さんの「オレはウナギイヌが出る漫画しか認めん!」という回答が好きでした。大きく稼いだのはそのお二人ですが、脳髄筋肉と本塁MAXさんも票を獲得していました。
Aブロック2周目
3問目
「クイズサークルに所属していたものの、卒業まで1問も答えられなかった部員に贈られた、後輩からの寄せ書きメッセージ」
ここが大会通して一番票が分かれたお題。手汗さんが「手首に巻くのはブレスレットですが…」を初手に出して大きな笑いを獲るが、安達些細さんが「問題です。先輩はサークルの中で何と呼ばれているでしょうか?」、かごめさんが「クイズボタンを自腹で仕入れてて、そこはバカにしちゃいけないと思いました」で追随する。なかでも凄かったのが、工藤さんの「せめて作ってください」。この回答でこのお題1位を獲得。
4問目
「あのアニメのキャラクターは、自分が出ている回の放送中にこんなワードでエゴサーチしている」
このお題も手汗さんが大量に票を稼ぐ結果に。「アンパンマンが『空腹』」で拍手笑いを獲得して以降「ドラえもんが「-タヌキ」で検索している」など、割と狭いお題を攻略していた。他にもかごめさんが「ドラミちゃんが『千秋』」で、島さんが「ちびまる子ちゃんが『まる子”ちゃん”』で肯定的な意見を検索している」でわずかに票を得る。個人的には様々なジャンルのアニメで攻めていた特効さんが印象的。
Bブロック2周目
3問目
「友人と一緒に観に行った映画が面白くありませんでした。それとなく友人に伝えてください」
映画に詳しい詳しくない関係なく、それぞれがそれぞれの武器で戦っていた印象。貯蓄さんの「この後、評判ググるの楽しみだね」がかなりウケていたが、ヒガシノカさんが「最近の映画館、Web予約できるの便利だね」の一撃で多数の票を獲得していた。「友人はどうだった?」などの独自路線で攻めた根岸さんも票を獲る。静かの海さんの「よっしゃ!次はフードコート」も面白かったです。
4問目
「会社員のアホ山くんがしている、デスクワークに集中するためのコツとは?」
ここも票が割れたお題。ヒガシノカさんが「指先に、力を入れて、D!」などの回答でポイントを稼ぐも、「アホ山メソッド!」「アホ山ルール」「アホ山の里の掟」と被せた根岸さんと、「メモ帳を開いて『デスクワーク』と打つ」「フレックスタイムを利用し、アホ山なりに工夫して生きている」と徹底的に”会社員”の要素から外さなかった貯蓄さんも票を得る。YCさんも「6個のモニターに囲まれてやる」などの回答で健闘。
Cブロック2周目
3問目
「常に余計なことをされるボウリング場で起きたこと」
意外と回答に使える要素が少ないお題。ソバ2さんが「ガターにしか行かないようになっている」というイラスト回答で、本塁MAXさんが「9本倒れた後、準ストライク!って出る」という回答で攻めていた。ここで一番票を獲ったのが脳髄筋肉さん。「めっちゃ負けてる俺に店員さんが『ダブルアップチャーンス!』って言ってきてマジでそういうのいらない」「靴が店員のふところから出てきた」などの回答がウケていた。しかし、「+150円で豚汁に変更できる」を出したコサックさんにも票が集まる。電光石火さんもイラスト回答で印象を残す。
4問目
「葬儀屋さん『○○○○』
あなた(この人すごく寄り添ってくれてるけど、他人の死にここまで敏感でこの先やっていけるのかな…?)」
ちょっと特殊なセリフお題。かごめさんから「登場人物二人とも優しすぎる」とガヤが飛んだ。一答目で空気を掴んだのが脳髄さん。「すみません、こんな良いお葬式初めてで…」という回答で笑いを起こす。その後も「私も棺に何か入れて良いですか」という回答でウケていた。本塁さんも「慣れている我々がおかしいんです」という回答で、ソバ2さんも演技を交えた長文回答で票を獲る。
2周行った結果、最終的な結果はこのようになった。
結果
Aブロック
安達些細 2ポイント
手汗 25ポイント(決勝進出)
特効さん 0ポイント
かごめ 13ポイント
工藤 6ポイント
島 2ポイント
Bブロック
静かの海 0ポイント
貯蓄アンドザシティ 15ポイント
根岸 16ポイント(決勝進出)
ヒガシノカ 16ポイント(ワイルドカード)
YC 1ポイント
むつみくん 0ポイント
Cブロック
本塁MAX 4ポイント
脳髄筋肉 21ポイント(決勝進出)
せっきー 0ポイント
コサックX.com 5ポイント
電光石火 9ポイント
ソバ2 9ポイント
決勝戦
決勝に進んだのは、手汗さん、根岸さん、脳髄筋肉さん、そして各ブロックの1位以外で最も票を獲得したヒガシノカさん。決勝進出者はそれぞれから事前に集めた意気込みと共に発表。
呼び込まれて、意気込みを語る4人。以前1年間広島に住んでいた手汗さん、広島在住の根岸さん、宮崎県の大喜利大会で「広島でも大会とか出来るんちゃう?」と私に言ってきた脳髄筋肉さん、関西から広島に引っ越してきたヒガシノカさんと、どちらかというと関西色が強いが、プレイスタイルがバラバラの4人が揃った。
決勝1問目
「生徒全員がかなり遠くから通っている小学校の生徒にウケるあるある」
私が好きな「絶対にあり得なくはないシチュエーション」を答えるお題。根岸さんが「校長、徒歩らしいよ」で先手を取る。「宿題、行きの電車でやったよね」「ここまで来たら『帰ってきたな』と思える地蔵がある」と、いかにもありそうなラインを付いてきた脳髄さんもウケていたが、決勝戦でも手汗さんは絶好調で「水筒、2つがち」で爆発を起こしていた。ヒガシノカさんも独自のペースで笑いを起こす。
決勝2問目
「もしも桃太郎の目的が「鬼を退治する」ではなく「鬼ヶ島に人間の文化を持ち込む」だったら物語はこんなことになる」
決勝戦は2問通しての審査となるので、間髪入れずに次のお題へ。出題された瞬間に挙手した手汗さんは「鬼さん、見て下さい!船です!」と答えて爆笑を獲った。その後も「あれ、鬼ヶ島車走ってるじゃん、思ったより早く帰れるぞこれ」と次々と回答を繰り出し空気を掴む。脳髄さんも「な、きびだんご旨いやろ」「これ見て、キジ。そう、我々は鳥をここまで細分化していて」などの回答でウケを獲るも、「オラッ!オラッ!オラッ!これが刀です」「オラッ!オラッ!オラッ!これがオムライスです」「はいじゃあテンポよく行きますよ~、机、ガラス、木魚、タバコ、雑誌、カステラ、水着、鍋、雑炊、有田焼、きのこ、あ、きのこありますかごめんなさい」といった回答を出した手汗さんには届かず。根岸さんの「桃が流れてくるという発想っ!」も好きでした。
最終的な結果は、手汗さんが13票で優勝、脳髄さんが1票で準優勝となった。優勝コメントを求められた手汗さんは「誰ですか(僕に入れなかった)1票は?」と言える余裕を持ちながらも、「また機会があったら広島で大喜利させてください」という心遣いも忘れず、きっちり締めてくれた。
その後は時間が余ったので、予備のお題でエキシビションをひたすら行った。司会をしてくださったかごめさんには感謝します。
大会を終えて
以上が、第1回広島大喜利バトルの一部始終です。ここからは個人的な話。いくら盛り上がるお題が作れても、いくら回答を拾えても、私は大喜利会の主催には向いてない人間だと思っています。そんな私でも今回小規模とはいえ大会を完遂出来たのは、参加者や告知を拡散してくださった皆さんのおかげです。
私が当初思い描いていたビジョンは3つありました。「広島で生大喜利がしたいという人の受け皿になる」「関西や関東の面白い人を広島の人に知ってもらう」「逆に広島の面白い人を関西や関東の人に知ってもらう」の3つでした。皆さんの会終了後の反応を見る限り、これらはなんとかクリア出来たかなと思います。
終わってからはしばらく疲れていたけど、翌日は達成感で溢れていました。人から「やってみたら?」と言われて、半ば意固地になって開いた大会ですが、「もうやりたくない」と思っていないのは確かです。
また第2回をする時は、皆さん是非広島にお越しください。ただ、プレイヤーと主催とインタビュアーを並行して行っている人が、界隈に一人もいないので、あまり負担にならないようにします。
2024年03月11日 「全国から広島へ」を実現できて満足しているJナカノ