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【エッセイ】私と海外ノンフィクション(北斗書房〈エッセイで綴るミニ自分史コンテスト応募作品〉)
このエッセイは、2020年に、北斗書房の「エッセイで綴るミニ自分史コンテスト」に応募して、優秀作品に選ばれた作品です。
「売られている全部の本に目を通せたら良いのに」
私が大型書店に来るたびに本気で思っている本音だ。小説、生活書、人文など、数多くのジャンルの書籍が何万冊も並んでいる大型書店は、私にとってたくさんの宝物を手に入れられるダンジョンである。大学入学時から本格的に読書をするようになり、今となっては活字無しの生活は考えられない。
週に一度は大型書店に出向き、本に囲まれ、本の力を全身に浴びて元気を取り戻す。しかし、限られた時間と体力では、書店の全ての棚をチェックすることは不可能だ。よって、必然的に見るスペースが限られてくる。
ただ、そんな私が必ず見るジャンルの棚がある。「海外ノンフィクション」の棚だ。
私と同じく読書が好きという人と、本について語り合う時、必ず「海外ノンフィクションが好きです」と自己紹介する。すると、なかなか一般的に読まれていないジャンルなので、大体相手は興味を持ってくれる。
外国で執筆され、日本語に訳された海外ノンフィクション。その最大の魅力は「本当にこんな出来事があったのか!」と気軽に驚愕出来ることである。文化などの違いにより、日本では起こり得ないことが現実に起こるのだ。有名画家の贋作を描き続けてきた男の自伝、ほぼ無価値だった切手に10億円の値が付いたドキュメンタリー、プログラミング教室の課題で女子高校生が作ったゲームが世界的に有名になった話、これらは私が読んできた海外ノンフィクションのほんの一部である。国内で書かれた一部のジャンルだけ読んでいたら、決して触れることの無かったストーリーだろう。
実際の事件や事故を取り扱った本が多いのが、海外ノンフィクションの特徴だが、上記のように、キャッチーな話題を取り上げたものも多数存在する。ここで言っておきたいのが、「海外ノンフィクション」と書かれた棚以外の場所にも、海外ノンフィクションは置かれているのだ。「スポーツ」や「料理」など、一見縁が無さそうな棚にも、よく探せば売られている。「海外ノンフィクション」の棚以外の場所に置かれた海外ノンフィクションを探すのが楽しくなってきたら、もう立派な海外ノンフィクション通だ。
「本は読んでいるが、小説ばかりでノンフィクションは読まない」という方にこそ、驚きと感動が詰まった海外ノンフィクションはお勧めである。海外ノンフィクションの魅力を広めることが、自分の使命だと私は勝手に思っている。
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