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全関節中、上下左右に最も大きく動かせる「肩」の痛みと疾患

全関節中、上下左右に最も大きく動かせる
肩関節は肩甲上腕関節といい、全関節の中で上下内外に最も大きく動かせるのが特徴です。腕の骨の上腕骨、肩甲骨から成り、大きな可動域を保つため、肩甲骨のスプーン大のくぼみに、その3倍大きい球状の骨頭が乗っかる構造です。このアンバランスを補強するため、筋肉や腱が周囲に複雑に張り巡らされています。肩関節の痛みは軽度から、激しい痛みが生じる慢性的なものまでさまざまです。症状が悪化すると、洗顔や食事、着替えなどの基本的な日常動作(ADL)を妨げる要因となります。

【目次
変形性肩関節症
 加齢で軟骨が再生されず、肩関節炎を起こす
 肩を動かすと、ゴリゴリと関節が擦れる音
 治療法
肩腱板断裂
 骨同士の接触面が安定せず、傷みや可動域制限を起こす
 野球やテニスなど肩を酷使すると、危険性が高い
 治療法
肩関節周囲炎(五十肩)
 関節を覆う関節包に起きた炎症が広がり発症
 定期的に炎症が再発するので注意が必要
 治療法
監修

※『名医のいる病院 整形外科編 2024』(2023年10月7日発行)から転載

変形性肩関節症

加齢で軟骨が再生されず、肩関節炎を起こす

 変形性肩関節症は軟骨がすり減り、肩関節が変形した状態です。肩関節は通常、肩甲骨と骨頭、軟骨が整然と連結しています。長年使われ続けた肩関節は、連結部の骨頭と肩甲骨の軟骨が次第に摩耗します。軟骨は加齢に伴い、十分に再生されないので、肩関節炎を起こします。さらに、骨頭の軟骨が硬く骨化してとげ状になる骨棘形成が始まり、次第に肩関節が変形します。

 変形性肩関節症は原因が定かでない一次性と発症要因が明らかな...



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