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柊鰯作りから教えてもらったこと【2023節分】
2023.2.3 金
昨日、スーパーへ行った。
「ご自由にどうぞ」とヒイラギの葉が竹製のザルの上に沢山置いてあった。「あ、明日は節分か」と、有り難くヒイラギをいただく。
確か、去年もスーパーでいただいたヒイラギを息子と一緒に玄関に貼った。4歳の息子は、1年経った今もそのことを覚えていてくれていて、最近は、保育園で聞いた節分の話をしてくれる。「ヒイラギの棘は鬼さんの目に刺さる」とか「鬼さんは魚を焼いた においが嫌い」とか。
魚コーナーに行くと、イワシの丸干し(167円/匹)が売られていた。ポップには「節分には魚の頭をヒイラギに突き刺して飾る風習がある」ということが書かれてあった。
ヒイラギは飾ったことはあるけど、イワシを突き刺して飾ったことはない。息子も教えてくれていることだし、今年はヒイラギイワシを作ってみよう!と、イワシを購入。
ヒイラギイワシの作り方は簡単で、焼いたイワシの頭をヒイラギに刺すだけ。
翌日の節分に向け、夕飯時に1匹イワシを焼いた。1匹のイワシの身をほじって、3人(私と子供2人)で分け合い食べた(別で夕飯はちゃんと用意している)。
イワシは細い骨が多くて多くて、驚いた。魚の骨を侮ってはいけない。先日、鮎の骨が喉に刺さって病院に行った私。骨に細心の注意をはらいながら、青魚の脂と塩味が混ざった旨味を堪能した。
イワシは普段食べない。骨の多さに驚けたのは、ヒイラギイワシを作ろうとしているからだなあと嬉しく思った。
テレビやネットで調べものをして満足して「やった気」「行った気」になりがちなので、これからも「小さいこともやってみること」を大事にしていきたいと思った。
イワシの身を食した後、頭だけをさらにグリルで炙り、飾るに適した状態まで乾燥させた。そして2月2日23時頃、キッチンにてイワシの頭にヒイラギを刺した。刺した枝の先端が、偶然にもイワシの目から突き出してきたおかげでグロテスクながらもしっかりと固定できた。
完成した瞬間、「呪術的なものを作ってしまった」とゾワッとした。完成したという喜びや達成感を想定していたので、戸惑った。自作のヒイラギイワシを目の前にして、原始的な感覚がザワついたのも面白いなと思った。
節分が過ぎたら塩でお清めてから感謝の気持ちをもって捨てるといいそうなので、そうしよう。
さて節分当日の我が家の玄関ドアは…
ドアの外側にヒイラギ、内側にはヒイラギイワシ、と2段構えになった。
賃貸マンションの共用廊下にヒイラギイワシ(=生ゴミ)を晒すわけにはいかないので、渾身の作は内側にした。外側には、援軍のように夫の実家から贈られてきた大きなヒイラギを。
これでもか!と武装した玄関を眺めると可笑しくてニヤニヤしてしまう。
鬼がいるとするならば、さすがに入ってこないだろう。
息子の思い出にもなればいいなと、淡いけどおこがましい気持ちで「やってみた」、学びの多い2023年の節分でした。