ことばは ひびきあい
細胞の ひとつひとつを ふるわせていく
うつくしい詩(うた)に 出逢うとき
こころからの 純粋なことばに 出逢うとき
夜空を駆ける 流れ星のように
ひかりがさっと あらわれて
暗闇を 切り裂いていく
その流れ星は こころの奥の扉をひらき
とめどなく あふれてくる
愛に満ちた 旋律(メロディー)
やわらかな ひかりたちが。
森をあるくようになって 4年目のことでした。
植物たちの果てない魅力に、わたしはどんどんぐいぐいひきこまれ、いつしか庭をつくりたいと思うようになりました。
その年、職場の広いハーブガーデンの一画を使えることになり、わたしは初めてちいさな庭を創りはじめました。
なんの知識もないまま初めた庭づくりは、失敗もたくさんありましたが、そのちいさな空間は今まで味わったことのないゆたかな気もちを呼び覚ましてくれたのです。
その庭に向かうときは、まるで心底こころが通いあう、だいすきな友に逢いにいくような、そんな心地。
森を歩いていたわたしの朝の時間は、庭をつくりはじめてからは、その庭で過ごす時間になりました。
そんな折、わたしの手元にやってきた本が、ウラジーミル・メグレ『アナスタシア』という本でした。
この、『響きわたる杉』シリーズの本は、現在日本語では8巻上まで出ています。
その本はうつくしい詩(うた)とことば、空間づくり(庭や園)の歓びと素晴らしさ、生きることへの肯定的で力強い言葉であふれていました。何度読み返しても、こころに響き、ひかりを感じる。うつくしい未来を感知する。そして自分もそのために動き出したくなる、そんな本。
たぶん、森やちいさな庭で過ごす時間のなかで、本に書かれてあるいくつかをすでに体験していたから、きっとすんなりと言葉が自分のなかにも入ってきたのでしょう。
生きている間に、こんなうつくしい本に、詩(うた)に、出逢えてほんとうによかった。
わたしも そうありたい。
抱く 想い、
放つ ことば
それらが このせかいを うつくしくするものでありますように。
そっと うたうよ
あなたに むけて
まだみぬ あなたと
うつくしい夜明けを みるでしょう
天なる国は いつかいく場所ではなく
いまここに つくりあげていくもの
足元から つくりあげていくもの
そしてわたしも そこに生きる
あなたとともに そこに生きる
愛とひかりあふれる美しい花園
そしてそこに暮らす幸せな人々
そんな世界がひろがりますように。