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#短編小説

【短編小説】夜景のみかた

【短編小説】夜景のみかた

23:30

観覧車の電光掲示板に照らし出されたその数字は、夜景の一部と化す。

都会の煌びやかな夜景を共に見るような彼女か、はたまたいい感じの相手でもいればいいのだけど、残念ながら今日は1人だ。

いや、正しくは「今日も」か。

そういえば同期の坂下が、
「彼女へのプロポーズに夜景の見える高級レストランを予約したんだ」
と自慢げに話していたのはもう2ヶ月も前のこと。

その話を聞いた1週間後に急

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【極超短編小説】納豆に手を伸ばしたときに始まった話の結末はボクに委ねられているのかな?①

【極超短編小説】納豆に手を伸ばしたときに始まった話の結末はボクに委ねられているのかな?①

 「スーパーでの話なんだけど、納豆を買おうと棚に手を伸ばしたときに‥‥」
 話を聞いてくれ、すぐ来てくれ、と電話でボクを『東』にあるファミレスに呼び出したのは、『東』のホームセンターのトイレで知り合って、今ではすっかり打ち解けて友人となった彼だ。
 「納豆?」
 「そこは食いつくところじゃないから」
 「わかりました。話の続きをお願いします」
 「‥‥手を伸ばしたときに、それが最後の一つだったんだ

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