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#安藤海南男

「売りに出ているいい土地があるんだ」“職業・地面師”17人が暗躍した積水ハウス巨額詐欺事件の舞台裏

取材・文=安藤海南男4ヶ月の海外逃亡 2019年1月11日、東京・大田区の羽田空港。20時を回った国際線の搭乗口は多くの乗客が慌ただしく行き交っていた。 帰宅の途に就く者、異国の地に旅立つ者。それぞれの事情を抱える旅人たちの群れの中で、異なる空気をまとったマスコミの一団がフロアの一角に陣取っていた。 「そろそろだな…」 スマートフォンで時間を確認した記者の言葉を受け、脚立の上に立つカメラマンが長尺のレンズを通路に向ける。居並ぶカメラの放列が一斉に狙いを定めたその先から

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【裏面史】戦後4大怪事件の裏にアメリカの陰謀ありーー作家・松本清張が暴いた「日本の黒い霧」

                     取材・文=安藤海南男 占領軍が 「人を簡単に消せた」時代 作家・松本清張がその「問題作」を発表したのは今から64年前のことだった。タイトルは『日本の黒い霧』。文藝春秋誌上に1960年7月号から12月号にかけて連載された。清張が題材として取り上げたのは、1945年から1954年の戦後10年に起きた種々の事件である。

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「カタギなのに反社扱いじゃ、まともに生きられない」……警察“半グレ潰し”のキナ臭い舞台裏(ジャーナリスト・安藤海南男)

蒸し返された “1年前の乱闘” 某日、東京都新宿区歌舞伎町。じっとりとした暑さが夕暮れの街を浸食していた。たちあがる熱気を靴の裏に感じながら、私は約束の喫茶店にたどり着いた。薄暗い店内を見回していると、奥まった席から片手を挙げて合図する男の姿が視界に入る。 「久しぶり、どうなの景気は」 ベルベット張りの椅子に腰を下ろすなり、男は冗談めかして語りかけてきた。肩口までのびた髪はサイドを短く刈り上げている。ダメージ加工を施したタイトなジーンズにブランド製のスニーカー。胸元まで

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裏金の一部が森元総理に“上納”?ーー「リクルート事件」よりワルい 政治家と裏金 本当の黒幕(ジャーナリスト・安藤海南男)

 2024年1月、政治資金パーティーを巡る「裏金事件」で、自民党最大派閥の「安倍派(清和政策研究会)」に所属していた衆院議員、池田佳隆が逮捕された。自民党の各派閥が行っていた政治資金パーティーでは、慣例的に議員に販売ノルマを課し、ノルマを超えた分に関しては、議員側にパーティー券の販売収益を戻していた。これが「キックバック」の実態だった。

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2016年5月15日早朝、全国の不良が動いたーー「ATM18億円引き出し事件」を仕組んだ渋谷のチーマーからのし上がった“童顔の男”の正体

裏社会に拡散した 「おいしいシノギ」  鈍色の雲の隙間から差し込む光と、不快なカラスの鳴き声が東京の曇り空に朝の訪れを告げていた。  2016年5月15日、日曜日。街がまだ眠りの中にあった早朝、郊外の店に1台のワゴン車が止まった。車から降りた男は、自動ドアをくぐると、店内の現金自動預払機(ATM)に足を向けた。手には白い無地のカード。「生カード」と呼ばれる偽造カードの〝原料〟に金融機関の口座番号情報が書き込まれた磁気ストライプを貼り付けた代物だ。ATMにカードを押し込み、

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【極秘資料公開】警察が制作した“半グレリスト”の衝撃中身

「準暴力団」という呼称が出現したのは2013年、六本木のクラブで男性が殺害された「フラワー事件」から1年後のことだ。 警察庁は、いずれも暴走族から派生した「関東連合」、「怒羅権」を第1号に指定。その後も、全国で広がっていた“半グレ”たちの動向をリスト化してきた。

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【緊急速報】桐島聡ついに逮捕! これが50年の潜伏生活の実態だ……過激派の逃亡マニュアル「10の掟」とは(ライター・安藤海南男)

 50年近くにわたる逃走。それこそが革命を夢見た男の「闘争」だったのか。70年代に連続企業爆破事件を起こし警視庁に指名手配されていた左翼過激派グループのメンバー・桐島聡と見られる男が逮捕された(*1月29日追記:その後病院での取り調べ中に死亡)。事件の解明が期待されるとともに注目されるのが、その長期間の逃亡生活の実態だ。  46年の潜伏生活の後、2017年に逮捕された大坂正明も、過激派グループに所属した逃亡犯だった。

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【ルポライター安藤海南男「さよならマスゴミ」#11】捜査のすべて把握している「2課長」との暗闘

前回の記事はこちら↓ 「どうだった?」 いかにも待ちかねていた、といった様子でサブキャップのYは言った。警察庁舎内にある「記者クラブ」の木札が掲げられた一角。警察組織の広報に隣接する二部屋が、私たちメディアに割り当てられたスペースだった。 加盟するメディアごとに細長い空間で区切られている。壁はなく、最低限のプライバシーしか守られないネットカフェや、簡易宿泊所のような雰囲気だ。扉がわりののれんをくぐった内側が、各社の「聖域」である。その場所の占有者として積み重ねた時間を誇

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【ルポライター安藤海南男「さよならマスゴミ」#10】記者クラブのタブー「飛び降り」とは

「確かにやってるよ」  肩すかしを食らった気分だった。黒皮のソファーに身体を預けた「2課長」は眉一つ動かさない。あまりにも淡々とした口調がかえって不気味だ。こちらの動揺に気づいたのか、見せつけるように笑みを浮かべて言葉を継いだ。 「ちなみに言っておくと、キミんとこが3社目だから」  余裕綽々だった理由はこれだったわけだ。ハイヤーでの逃避行から一夜明けたこの日、私が「2課長」のもとを訪ねたのは、サブキャップのYが入手してきた経済事件の内偵情報を当てるためだった。情報の確度

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【ルポライター安藤海南男「さよならマスゴミ」#9】大メディアの特権は黒塗りの高級車

前回の記事はこちら↓https://note.com/jitsuwa_knuckles/n/na425431db367  記者の特権を象徴する最たるものがハイヤーだ。私自身、警察担当をしていた3年ほど、その特権を味わった。黒塗りの高級セダンが目の前に止まり、後部座席に乗り込む時、優越感などなかったといえば嘘になる。電動リクライニング付きの革張りのゆったりとしたシートに身を沈め、空調の効いた車内でくつろいでいると、自分が何者かになったかのような錯覚に陥ったものだ。  警察担

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【ルポライター安藤海南男「さよならマスゴミ」#8】「独自」に取り憑かれた記者の末路

前回の記事はこちら↓  所属する記者クラブでの上司にあたる「サブキャップ」のYからもらった警察幹部のリーク情報をもとに「予定稿」をしあげた私は、クラブを飛び出した。

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警察担当記者は警察とズブズブになるほど偉くなる【ルポライター安藤海南男「さよならマスゴミ」#7】

前回の記事はこちら↓  ひとさまの世話になることほど、みじめな気分になることはない。では「一人で生きていけ」と言われれば、それはそれで難しい。独力で自活できる方法といえば、医者や弁護士のような士業に就くか、資本家にでもなるしかない。だから、吹けば飛ぶようなしがないサラリーマン記者は、日々受ける屈辱を受け流し、自尊心をすり減らしながら会社という「看板」の陰で息を潜めるしかないのである。

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あなたの知らないマスコミ用語解説……気取った記者が使う「ファクト」の意味とは【ルポライター安藤海南男 「さよならマスゴミ」#6】

前回の記事はこちら↓ 「事実」と何が違う? 「これって何か意味あるのか」。新聞記者なら一度は思ったことがあるはずだ。というか、そのとき、私は何度もそう思いながら、パソコンを叩いていた。

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あなたの知らないマスコミ用語解説……記者が狂ったように怖れる「特オチ」とは 【ルポライター安藤海南男 「さよならマスゴミ」#5】

「隣のあいつがオレのことを嗤っている」。そんな妄想が頭の中を駆け巡る。  みぞおちに冷たいような生暖かいような妙な異物がみぞおちあたりに居座っている。額からは脂汗。口の中はカラカラだ。時間は何の解決にもならない。被害妄想の泥沼にずぶずぶとはまり込んでいく恐怖に身をさらすしかない。重度のポン中にとっての「切れ目」というのはこういうもんなんだろうか。私が、「メディア村」から外れた時に味わった感覚っていうのはこういうものだった。 「メディア村」とは何か。「それは記者クラブのこと

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