カスタマーサクセス 1年間でのチーム状況の変化と印象深い事を振り返ってみる
こんにちは、heyの陣山です!2020年12月に現職であるヘイ株式会社(以下hey)のカスタマーサクセスのマネージャーとして入社をして今は2021年12月。まだまだ発展途上のチームではありますが、ちょうど1年が経過したタイミングでこの1年間のチーム状況の変化や施策の実行内容など、一部振り返ってみたいと思います。
この記事はhey Advent Calendar 2021企画の23日目の記事として綴っています。
heyは「お店のデジタルまるっと」お任せいただく為の STORES のプラットフォームを展開しており主にはネットショップ開設支援の STORES /STORES 決済 /STORES 予約 /STORES レジ の4つのサービス(2021年12月現在)から成り立っています。最近ではアンジャッシュの児島さんのTV CMでご認識いただける方もいらっしゃるかもしれません。
そんなheyでは、プロダクト毎にカスタマーサクセスがおりまして、私はメインで STORES 予約 のカスタマーサクセスのマネージャーをしています。
STORES 予約 は、ほんの少し前までCoubicという会社名/サービス名称でしたが、2020年8月heyにジョインをしており、そのタイミングでサービス名を STORES 予約 に変えています(B2C向けのサービス名称はCoubicのままです)。2020年8月にCoubicメンバー達がheyにジョインしたこともきっかけで、新組織としての体制構築が急ピッチで進められてきました。私が入社したのもその一環だったのだと思います。
全体的なところをいうと、まずもってこの1年間やりがいしか感じませんでした。決して「楽」ではないけど「たのしい」、そんな感想です。私にはheyで流れている空気感が合っているのだと思います。heyはお客様のことを「オーナーさん/お客さん」と言ったり、商売のことを「お商売」と言ったり、リプレイスのことを「お引越し」と呼んだりしています。これは情熱をもってお商売されているオーナーさん(お客さん)への敬意を込めているのですが、社内ではこれが普通に浸透していて自分もすぐにそこに引き込まれたなぁという印象です。
1年前の STORES 予約 のカスタマーサクセス体制
私が入社した2020年12月当時、STORES 予約 には主に2つのチームが存在していまして、すごくざっくりな役割はこのようになっていました。
ものすごくシンプルで、オンボーディングチームの1年前は2名のみで、何とか人力でオンボーディングをしていた状態。KPIは上位層の有料プランオーナーさんのオンボーディングの完了率を追っていました。オンボーディングの内容も人それぞれで、主に操作のご案内をしていた印象です。オンボの完了率を追っていたということは、未完了の方も多かったということです。
リレーションズチーム(といっても1名だけですが)は問合せ対応をメインで行なっていた状態でした。チャーンの連絡が入ったらそれを阻止する為にTELをしたり面談をしたりすることに労力を使っていた状態です。
正直、両チームともカスタマーサクセスの役割としては心許ない感じでした。オンボーディングチームは、いかにしてスムーズで質の高いオンボーディングをしていくか?!リレーションズチームは、いかにしてオーナーさんに使い倒してもらい、チャーンしようとすら思わない体制をつくっていくか?!(目指していくか?!)これを考えていきたいとすぐに思いました。
ただそれでも入社当時の印象としては、メンバー達が本当に必死にやってくれてなんとか増えゆくオーナーさんに対応してくれていた。という状態でした。
2020年、コロナ禍におけるオンラインサービスの爆誕
2020年、コロナ禍の中でオンラインサービスがすごく増えました。STORES 予約 はzoomと連携しているので、STORES 予約 上で作成した予約ページから予約を取得していただくことで自動的にzoomのURLをご予約者さまへ送信します。コロナの影響で、実店舗でお商売がしづらくなってしまったオーナーさんがネットショップ上で物を販売するというのはごく自然の流れかもしれませんが、物販ではなく無形サービスを提供しているオーナーさん達も想いは同じです。例えばこれまではスタジオでレッスンをしていたヨガのインストラクターの方々はその提供場所を一瞬にして失ってしまったとも言えます。そんな中、STORES 予約 上でオーナーさん達のサービスをオンライン化する。それもまた自然の流れでした。
2020年は多くのオンラインサービスが生まれましたよね??
実際にこのオンラインサービスが STORES 予約 内でどれだけ増えたかというと・・・
STORES 予約 内のオンラインサービスの提供数だけでも1月と5月を比較するとなんと40倍に増えました。
一気にこれだけ増えたのだから社内のサポート体制も大変になるのは当たり前です。そんな状態でもオーナーさんの情熱をなんとか形にしようとサポートをしてきたメンバー達を心から尊敬しています。
現在の STORES 予約 のカスタマーサクセス体制
現在もチームとしては2つです。増えゆくオンライン化への需要にして、この1年はとにかく「量に対応」しても「一定の質」を保つ。という当たり前のことを意識してきました。
2チーム合計で私を除いて8名いるのですが、なんと7名が2021年の入社です。本当に新しく生まれ変わった!と言っても全く過言ではありません。そして2020年の時との役割をみてみると、やっていること/狙っていることのレベルが大幅にあがり、ようやくカスタマーサクセスらしくなってきたな、という感じです。
オンボーディングチームは、オンボーディングをさせる役割が大前提ある中で、今はセルフオンボーディング率の向上を目指しています。人がやってオンボーディングさせるのは、もはや当たり前になりました。我々オンボーディングチームが不要になるくらい、オーナーさんが好きな時に、好きなようにオンボーディングできる。そのためのコンテンツ制作とそのデリバリー方法を考えています。
オンボーディングが整ってくるとチャーンレートが必然的に下がりました。そのため、リレーションズチームが慌ててチャーンを防ぎにいくということもだいぶ少なくなったので、今のリレーションズチームはお問合せ対応から一歩前進をして、「活用促進」(主にはアクティブ率≒利用率の向上)を担っています。
大前提として、カスタマーサクセスとは別に2021年1月からカスタマーサポートチームが爆誕したおかげで、お問合せの一次受けをほぼ全て受けてくれるようになりました。お互いが出来て間もないチームだったので、サクセス&サポートで毎日2回の連携を取りながらお互いの知識量を高め合うことで、スピーディーな立ち上がりを実現したと思います。
急拡大のサポートチームについては、マネージャーのなおゆきさんがnoteを書いてくれています。
全体で取り組んできたこと
まずお伝えしておくと、当然私がすべて行なったことではありません。どちらかと言うと、私はほぼ何もしていないです。今はチーム全体9名いる中で、こんなことやりたい・・をイメージしてそれを皆んなで形にしてくれたり、メンバーそれぞれが考え、実行に移してくれる。そんな主体性の高いメンバーが揃った!というのが一番の大きな変化かもしれません。
実施してきたことをすべて解説するととんでもない文字数になってしまうので、自分の中で印象深いものを少しづつ取り上げてみたいと思います。
① 何はともあれ、やっぱりまずはオンボーディング改善
私の入社以降、最初に増えた仲間である片平さんとともに、一番最初はこれに取り組みました。現状のオンボーディング方法を確認してからの整備です。ひとえにオンボーディングの改善と言ってもかんたんではありません。大きくは以下のことに取り組みました。
前述ですが、2020年12月に入社した際、とにかくオンボーディングは人力でした。有料プランを契約してくださったお客さんへ連絡をして不明点を聞いて操作のご案内をする。この「操作のご案内係」から脱却して、より顧客の成功にコミットするにはどうしたらいいか?からの取り組みです。
STORES 予約 は多くの業態の方々にご利用いただけるホリゾンタルSaaSです。それ故に多くの機能が付帯している一方で、オーナーさんの事業形態によって、絶対に設定が必要な機能と、そうでもない機能があります。
オーナーさんご自身でそれを理解するのは大変なので、キックオフMTGでオーナーさんご自身が何を実現したいのか?どういう環境で利用していくのか?現在の予約受付方法や、想定している運用をヒアリングします。そしてその回答をポチポチっと登録していくだけで、そのオーナーさんにとっての「必須設定項目」と、「任意設定項目」が一覧表示されるようになりました。
社内で最短導入マップと名付けたこれによって、オンボーディングメンバーそれぞれのスキルの違いによって誤案内がなくなるということを目指しました。B2B SaaSあるあるで、オンボーディング担当のレベルによってサービス導入スピードや運用負荷が変わってしまうということがあります。おそらく昨年までの STORES 予約 はそれに近しい状態でしたが、すぐにその人に依存するサービスレベルから脱却できました。これをサクッと構築してくれた仲間の金城さんに大感謝です。ちなみに、金城さんがheyのカスタマーサクセスの業務のnoteを書いてくれていますのでぜひご覧ください。
② Churnモニタリングシートの構築
現状と傾向を知る。これはすごく大切なことで、チャーンと一言にいっても
現状数字の把握も難しく、当時はチャーンレートが高い状態にも関わらず、詳細分析が全然できない状況でした。
プラン別/理由別/業態別など、多くの分析軸で状況を週次で追えるようにしました。自分達の施策が数字に反映するのかしないのか?どれくらい数字に影響が出るのか?データで把握できるようになりました。
現在、ほとんどの数字をmetabaseで出していますが、あえてChurnモニタリングシートだけはBIに頼らず、目で見ながら更新をすることで、詳細理由を1件づつ確認をし、チャーン情報に対するインサイトを極力得られるようにしています。チャーンとなってしまってもそこからの学びを定性情報だけでなく、定量情報からも得えないと、次に繋げられないからです。いまは、それがようやく少しづつできるようになってきたという状態です。
③ ワクチン接種の予約システムとして無償提供
今年のheyの大きな取り組みとして、ワクチン接種で STORES 予約をご利用のオーナーさんにはこの STORES 予約 を無償提供をし続けています。
最初は自治体、医療機関から始まり、職域接種にもその提供範囲を広げていきました。
国難とも言える新型コロナウイルスの蔓延に対してビジネスパーソンとしてできることがある。「社会への貢献ができている」ということを本当の意味で初めて実感したかもしれません。
上のグラフのように、2021年6月から開始したワクチン無償提供によって、2021年11月時点で合計195万回ものワクチン予約が STORES 予約 上で行われました。
ただ、この無償提供を開始する前、正直本当に一人でびびっていました。何にびびってたかというと、やっぱりオンボーディングです。予約システムの無償提供をしたといっても、アカウントだけ発行して利用されなかったら、結局は多くの人たちへワクチンが届けられなくなる。そんな不安はありました。何せ「コロナワクチン接種の予約のノウハウ」なんて誰も持ち合わせているはずがないからです。
そこで、ノウハウ作りがまずは重要と考え、当時はオンボーディングメンバーは3名だったのですが敢えて皆んなで手分けて実施という方法ではなく、ワクチンオンボーディング担当を1人に集約しました(その分、他のメンバーがワクチン接種以外のオーナーさんのオンボーディングをフォローしてくれたので結局はチームで対応していると同じですが)。
結果的にはこの判断が功を奏したと思います。多くの課題はあったし、途中でオンボーディング方法を切り替えたりしながら、工夫もして乗り切ってくれました。
その谷中さんのワクチンオンボーディングについてのnoteがこちらです。詳しく書いてあるのでご興味ある方は、ぜひご覧ください。
コロナワクチンの予約システムとしての無償提供については以前書いたnoteからの抜粋ですが、おかげさまで本当に多くのありがたいお声をいただきましたので一部ご紹介いたします。
▼ 近畿大学さま
▼ 株式会社ブリヂストンさま
▼張田耳鼻咽喉科 さま(奈良県)
この取り組みは3回目のワクチン接種が始まることを受け、少なくとも2022年7月末までは無償提供を延長することにいたしました。これの実現についても、もはや当時のようにびびることはありません。ノウハウをしっかりと溜めてスムーズ且つスピーディーに対応してくれるメンバー達がいるからです。
④ フリープランのオーナーさんへのサービス範囲の拡大
STORES 予約 はフリープランと有料プランがあり、これまでは有料プランオーナーさんへのサポートをメインで行ってきましたが、2020年10月から、このサポートをフリープランのオーナーさんにも同じように注力することにしました。もちろん、有料プランへのアップセルを目的としている訳ではありません。
有料プランだけがお客さんではない。フリープランでは使える機能に制限はありますが、それでもフリーで十分というオーナーさんはたくさんいらっしゃいます。そう思ってもらえるようにフリープランでの利用者数/利用率を高めていこうという取り組みです。
フリープランでも満足してくだされば、きっとお客さんがお客さんを呼ぶきっかけにもなるはずですし、STORES 予約 のファンになってもらえるかもしれない。そうすればきっと、いつかお店のデジタル化をしていく中で STORES プラットフォームのことを思い出して、STORES 予約 以外のサービスも使ってくださるかもしれない。私はそんな想いを持っているからこそ、フリープランのオーナーさんにも有料プランのオーナーさんと同じように満足して使ってもらいたいと考えています。なによりも「無料なのにこんなに使えてすごい!」というお声を聞くたびに純粋に嬉しいからというのもありますが。
ただ、フリープランの方々の利用率を上げていくのは並大抵のことではありません。私自身もそうですが、無料のサービスは、アカウントを作ってみたものの、面倒だと感じたらそのまま離脱してしまう可能性が高いからです。また、これまでは有料プランの STORES 予約 を使ってくださっているオーナーさんってどんな方?は大枠で捉えることができていましたが、フリープランで使ってくださっているオーナーさんってどんな方?は全く捉えていませんでした。なので、まずはここを知りにいくということから始め、有料プランのオーナーさんとフリープランのオーナーさんでは利用目的や利用方法などが全然ちがい、あらたな発見ができるようになりました。
このフリープランのオーナーさんへの利用率向上の為の活動はまだ始まったばかりです。動画作ったり、セミナーやったり、相談会やったり、ワークショップ開催したり、有人チャットを解放したり・・・いろんなことをやっていますが、予想以上の利用率には至っていません。利用率の非連続な成長を遂げるための「考える」ことは来年もまだまだ続いていきそうです。
オーナーさんを主語とする言葉が飛び交う今の環境は、とてもheyらしいなと思います。フリープランでも有料プランでも同じ「オーナーさん/お客さん」なのです。だからこそ、STORES 予約 を使ってくださっている全ての方に成功を届けたい。理想かもしれないけど、ここは絶対に諦めません。
真摯に向き合っていると、オーナーさんからは、いろんな声が聞けますよね。私たちが想像していなかったような声も含めて。仲間の片平さんが最近書いてくれたにnoteも、またオーナーさんの素敵な声が詰まっています。ぜひご覧ください。
最後に
いかがでしたでしょうか。ほんの一部しかご紹介は出来ていませんが、本当にこの1年間、関係者のみなさま始め、会社の仲間たちには感謝しかありません。まだまだ道半ばなので、決して現状に甘えることなく2022年もオーナーさんのために多くのことを考え、行動に移し、より STORES プラットフォーム全体としての価値を提供できるよう、励んでいきたいと思います。
最後に、本noteの中で紹介しきれなかった私のチームメンバーのnoteがまた素敵なのでぜひ紹介させてください。
▼ ほっしー:2021年6月入社の元エンジニア。持ち前のスキルで多くのテックタッチ施策を実行してくれると同時にその優しさでも周囲から頼られています。
▼ Ayami:OKANのCSとしてオンボーディング設計の経験を持つ超絶期待の存在。すでに周囲をいつも明るく照らしてくれています!
▼ Jiro:飲食というバーティカル且つレガシーな業界でのCS経験を持ち、そこで得た知識/考え方をheyにもたらしてくれています!
▼自分のチームメンバーだけでなく、多くのメンバーがheyアドベントカレンダー2021に参加してくれていますのでぜひご興味ある方はご覧いただけると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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