実録:新卒採用やってない会社で新卒学生を選考する(ぼっち人事のイレギュラー新卒採用)
人事のみなさんこんにちは。ぼっち人事のpapaoです。
先日、何カ月かぶりに妻と二人で銀座に出かけてきました。papaoの仕事の忙しさはさておき、ウチの世界一きゃわいい←だまりゃ2歳と6歳の子育てが大変で時間が無くて。たまの休みを取って、ちょっといいお肉を食べたり、ちょっとおめかしをして街中を歩いたりする休暇を取りました。
子供が生まれる前の日常だったリズムをものすごく久しぶりに味わうと、子育てのある日常がとっても目まぐるしいものだと改めて気づきます。
子供たちが登園している間の5時間くらい、とっても穏やかで楽しい時間を過ごせましたが、家に帰ってきたら即座に目まぐるしい日常に引き戻されました(;^_^A
子供たちはとってもかわいいんですが、自分たちだけ時間を使えていた時期と今とを比較すると、結構な差があるなぁと感じます。
できれば、学生の内からこういった違いや差について学ぶことが出来ていたらなぁ…なんて感じることもしばしば。「異次元の少子化対策」なんていう話題も出ていますが、そもそも家族を養う、子育てをするメンタリティをどこで身につけるのやら。そこら辺も、教育の現場などでデザインをしてくれるといいのかもしれませんね。
(ゆったりした時間を過ごせたおかげで、ちょこっと大局的なところにも思案が行き届きました。それもこれも関わってくれている皆さんのおかげm(__)m)
というわけで、今日はちょっと備忘録的に書いてみたいと思います。
今日のメニューです。
papao、新卒学生から応募されたってよ
急ピッチで育成のルートづくりと選考方針を策定
そして最終面接へ。。。
【papao、新卒学生から応募されたってよ】
どこかで書いているかもしれませんが、papaoが勤める会社は10名前後の建設業の会社です。
人事部員が1名いるだけでも奇跡なくらいなので、新卒採用なんてやった事ありません。papao自身は過去記事にもある通り、新卒採用の経験者ではありますが、フルパワーを中途採用に向けている状況のため、新卒採用活動に割けるリソースはそもそも持ってませんでした。
そんな中、2022年11月下旬、たまたま全年齢向けにオープンしていた求人サイトに新卒学生からの「気になる」ボタンが押され、とりあえずプロフィールを見てみたところ、「大学4年生」「設計事務所でCADアルバイト2年経験」とありました。この時点でpapaoは「4年生の11月で就活困ってないわけないよな…」という印象。下心アリ(笑)。
とりあえずスカウトを出してみて、「選考でも会社説明会でもなく、就活相談をしに来ませんか?」と話してみました。
近場に住んでいる方だったため、実際に事務所に招いてお話をしました。
どうやら1人暮らしで生活費を自身で賄うタイプ学生であったことで、学業へのコミットが少なかったことと、コロナ禍で他学生との横のつながりが少し薄かった影響で、就活を始めるタイミングを逸してしまい、焦って就活を始めたところだとのことでした。計算通りby夜〇月( *´艸`)
ですが、ここでガッついて「ウチの会社、どお?」とか噛み付いたら、「誰でも入社してOK」のブラック企業認定されちゃうのも嫌だなぁと思い、種々の転職サイトやオファーサイトへの登録を促して、11月~2月までの企業研究と応募社数目標、内定獲得時期などの目安を提示し、「しっかりと自分に向いた仕事や会社が何なのか、色々なところを見てきてください」と、新卒採用市場へ放流しました。
その後、1カ月ほど音信不通だったのですが、年末になったタイミングで「やっぱり、御社に応募しても良いですか?」との連絡があり、してやったり望外の喜びをもって彼を迎え、同時に困り果てました。
「え、採用したとて、どうやって育てればいいんだろう?」←決めてからやれよ(# ゚Д゚)
【急ピッチで育成のルートづくりと選考方針を策定】
そんなこんなで、年末業務で超忙しい中の社長を捕まえ、かくかくしかじかこんな学生が応募してきたよ、とご報告。
その場で施策を検討して、以下のように暫定で決めました。
〇1カ月も放流したのに戻ってきてくれた意欲をまずは評価しよう。
〇基本的には採用の方向で考える。
〇入社後ギャップを減らす目的、及び本人のやる気を試すために、建設現場の見学会を実施してみる。
〇建設に関する資格取得が必須になるが、それは特別に入社後1年で何とか取得させることにする。
ウチの社長、流石なのです。ベンチャーマインドつよつよ系。大好きです。
~~~~~補足~~~~~
でもまあ、実際新卒の学生さんに求められる要素って、「そこそこやる気と根性をもって、まずは3~5年以上永く会社に勤めてくれるか」ってところです。
とくに建設業は一つ一つの案件の期間が長いこともあって、新卒クンが入ってから利益回収までを計算すると、どうしても3年以上かかります。
選考前の段階でしっかりとしたやる気を見せてくれている状態であれば、ここら辺の話が早くなるわけですね。
~~~~~補足終わり~~~~~
【そして最終面接へ。。。】
1月初頭、すぐに自社が現場事務所を構えている建設現場へ学生と一緒に出向き、若手社員に協力してもらって現場見学会を実施しました。
生まれてはじめて安全帯を腰に巻いて、ヘルメットをかぶって軍手を付けて。
1時間くらいかけて建設中の現場を見て回り、足場の鉄パイプに頭をぶつけて驚き、顔も知らない所属企業も違うたまたますれ違った職人さんが「お疲れ様ーっすぅ!」と声かけてきてびっくりしてたり。
学生「知らない人でも挨拶するんですね」
papao「うん、その方が元気出るでしょ!」←これで良かったんかな?
papao的には楽しかったですけど、新卒クンは終始、驚きと思案と神妙な面持ちを見せていました。
数日後、papaoと一対一の1次面接を行い、実際に履歴書やら履修履歴やらを見せてもらって、お人柄と学力傾向を確認、ついでに見学会の感想も聞いてみたら「わからないことだらけだけど、あんなに大きい建物に関われることにわくわくする。とても興味深かった。」と言ってくれました。うん、最初はそれで充分なんやで(ホクホク)。
っと、ここまでやれば企業的にはOKなんですが、このまま採用まで突っ走ると、「就活の仕方をロクに知らない学生を騙くらかして入社させる」ような構図にならないか、少しだけ懸念がありました。
そこでpapaoがとった手法が、「企業側の気持ち(ガチ目)を伝える」ことでした。具体的には、以下の本の中身を抜粋して、一緒に読みました。
一応、ご紹介。
「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール
著:伊達洋駆、釘崎清秀
4021の研究データが導き出す科学的な適職 最高の職業の選び方
著:鈴木佑
学生目線では、そもそも企業がどんな気持ちで採用活動をしているのかがわかりません。それを手っ取り早く伝えるために、人事が参考にしている教科書本の中身をそのまま見せました(笑)
具体的には、「採用の絶対ルール」の144ページ、「志望動機をきちんと語れない人は落とす?」という項です。
※あんまり書きすぎると誰かの迷惑になるかもしれないので、知りたい人は買って読んでね(ただのファンです。スポンサードじゃないです。)
学生にとって、企業の中はブラックボックスであり、ぶっちゃけ仕事なんて「やってみなきゃわからない=ギャンブル」です。食べたことのないステーキの味なんてわからないんですから、その価値もわかるわけがない。
仕事も同じ。
やったことないんだから志望なんかできるわけない。
大事なのは「やり続けて、実際に成長できるか・稼げるか・会社の利益になるか」ということだけ。
それを説明するために、本の中身をそのまま見せちゃいました(;^_^Apapaoが言っても胡散臭いけど、書籍で説明すれば信用度抜群的な( ̄д ̄)
「最高の職業の選び方」からは、そもそも何のために仕事をするのか?ということを語るために、本書冒頭の「職業選択にありがちな7つの大罪」と「仕事の幸福度を決める7つの徳目」についてそれぞれ解説をしました。
大抵の場合、新卒の社会人はスタートから給料には大差がないです。
その為、好きなことややりがいを重視して会社を選びがちですが、科学的なデータに基づいた「失敗例」「幸福度」を示すことで、仕事選びの技法に乏しい学生さんの指標を示せるように働きかけたつもりです。
ともあれ、元々最終面接まで行かせることは既定路線であったため、来週、これで上手くいけば内定が決まりそうです。さあ、来月から新入社員研修を作らなきゃいけないのかな?やべぇ、大変じゃん(´;ω;`)ウッ…
という感じで、ひとまず備忘録という感じでこれまでのイレギュラー新卒採用の状況を書き記しました。
ぼっち人事のみなさまにとって、何らかご参考になる部分があれば幸いです。
それでわまた(@^^)/