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むかしながらのやりかたでさつまいもの芽出しとやさいの苗づくり:温床準備とはたけ作業

(2023.12.18加筆あり)

お読みいただきありがとうございます。

はじめに

 以下の記事は古い。7年まえのちょうどこの日。年がおしつまるころ、こんな作業をやっていた。このふりかえりは作業の時期と内容をわすれないため。いざなんどき農業を必要とする時期がこないともかぎらない。

なにも記さなくてもシーズンごとにやる作業のおおまかな手順はからだでおぼえていたはずなのに、年のせいかつぎつぎに忘れてしまいがち。ヒトからたずねられても確固としたかたちでつたえられない。しかもそれらのなかには祖先たちのやっていた動力や燃料をつかわない持続可能ですぐれたやりかたもある。

せっかくこの土地を受け継いだり会得したりしたのにここでとぎれるのはもったいない。そのための備忘録。

きょうはそんな話。

(タイトル写真は温床でつくったF1かぼちゃ苗。もうすぐ植えつけ)

さつまいもの芽出し

 ことし(2023年)はあたたかなのでこの作業は必要ないかもしれない。台所のかたすみには芽の出かかったさつまいもがころがる。じゃがいもやたまねぎもおなじように芽がちょこんと出かかっている。例年ならばさむさで縮こまっているはずのこれらのやさいたち。このうちさつまいもはとくに温度を要求するのであたためて芽をださせる作業をおこなっていた。

それには温床を準備。もちろんプロの方は電熱器などの用具でもって確実な作業をおこたらない。わたしはへそまがりでずぼらなので、こうした燃料をつかわないできた。むかしながらの発酵熱を利用した温床。その作業のようすを7年まえの日記からふりかえりたい。

7年まえ(2016年)の日記から

 こんどの日曜日は集落の大そうじがあるので、家のまわりをかたづけた。とくに庭は、畑に専念していたこともあり、ほったらかしの1年。まずはカヤなどの草をぬき、深く根をはった部分をとりのぞくことからはじめた。

どうじに来春のさつまいもや苗づくりのための温床の準備。庭のもっとも陽のあたるところに1m角(深さも)ほど掘った。昨年は温度が上がりにくかったので、すこし広げて木のかこいの板をはめて土からの冷気をさえぎる。

カヤ以外の枯れた枝や葉は全部ここにほうりこんでふみかためた。あいだにことしの肥料ののこりをパラパラとかけて窒素分をおぎなう。わが家の米のとぎ汁や近所の豆腐店からおからをいただいていれる予定。これで発酵のスイッチがはいる。

庭のかたづけが午前中いっぱいかかり、この穴をふさぐほどの枝葉のごみ。けっこうあるもの。こうしておいてビニールで覆う。ふみかためた草木のごみを発酵させ、そこからでる熱を苗づくりに利用。ことしで4回目。

はたけの温床

 さてはたけB。ここにはこのシーズン中につくった野菜の残滓がけっこうあるので空いているところにきのうの庭につづいて温床をつくる。

このはたけBの温床は苗づくり用で、にわのほうはおもにさつまいも用。さつまいもの苗づくりは、今年の春には動物に掘られてたべられめちゃくちゃに。そこで動物の出没が畑ほどでない自宅の庭でやることにした。

野菜くずについてはかたづけはじめるとけっこうある。ちかくのはたけのかぼちゃのつる、このはたけのオクラ、バジル、大豆、モロヘイヤなど。あぜのものは基本いれない。理由は雑草のたね。せっかくはたけから雑草をぬく手作業をやっているからいれたくない。

この広さ✕4を手作業で雑草をぬく、右上に愛用の一輪車

オクラの茎はかたいので、1,2か月放置して雨ざらしにしてもまだかたさがのこる。剪定ばさみで5㎝ほどにきざんでからほうりこむ。

温床は陽あたりがよくちょうど畳1枚半ほどの広さで約40cmの深さ。その下はもう畑土ではない。けっこう浅いもの。まわりをスコップで垂直な壁にして、その四方にモロヘイヤの枯れ枝を立てびっしりまわりを囲う。ながいものは2つに切ってたてた。

ほんとうはわらやカヤがよいが、まだつくっておらず手に入らないのでこのように。将来は麦わらをつかうつもり。昨年は竹を割りつかった。一部はバジルの枯れ枝も。モロヘイヤとバジルの枯れ枝はいずれも虫がつきにくいので、こうした用途に心配なく使いやすい。これで温床のまわりから空気がおぎなえ、あるていど断熱できる。

そのかわり栽培の際にアブラムシがいた大豆や、葉を巻いてそこを巣にしていた虫のつくオクラなどは深い場所に埋めた。これで虫がいたとしても温度があがると卵なども孵らないはず。野焼きをさけ、はたけからなるべくごみをださないくふう。

さらに油粕をふり、畑土やたい肥、腐葉土をかけて踏みかため何層かにした。そのたびにじょうろで水をかけて締まるように。炭素源だけでなく窒素源と微生物をおぎなうため。

そこへさきほどの野菜残滓をさらに入れていき、3年まえの剪定カスや草とりの山と苦土石灰をくわえ、ふみこむ。

とりあえず地面とおなじ高さまで敷きつめ、うえに10cmほど土をかけ、U字にパイプを組み厚手のビニールで覆い、まわりに土をかけておく。きょうとあすは寒いが、そののち日中20℃を超える日がつづくらしい。どうじに発酵がはじまりなかの温度が上がりはじめるだろうから虫などを抑えてしまうつもり。

おわりに

 これで畑もかなりきれいになった。今後、積んだ温床部分の地面が下がるので、これから後に出る野菜くず、台所からでるもの、落ち葉などをさらに重ねていくつもり。予定では1月から2月中まで苗づくりにこの場所を使えればいいと考えている。予定どおりいけばかぼちゃなどの苗づくりがはじめられそう。


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