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ごみ処理をヒトまかせにしないでいい:庭のコンポスト容器でわが家の生ごみがたい肥に変わる 25年間のおぼえ書き(1/2)
はじめに
コンポストを使って25年間、生ゴミを自宅敷地内で堆肥化してきた。その過程でさまざまな経験をしてきたが、いまのところなんとかつづいている。
コンポストや生ごみ処理機の購入には行政によって一部補助がある場合がある。わりと郊外であれば、周囲にめいわくをかけずに初期投資をそれほどせずに、とても重宝するもの。
(注意喚起)あくまでも自分の経験談と感想なので、自己責任にてご利用ください。文中に生ゴミの画像があります。
コンポストとは
コンポストとは何だろう。おおざっぱにいうと本体はじょうぶなプラスチック製の筒。下の写真は新しい方。購入して22年ほど。まだびくともしてない。さらにもうひとつは25年使用。
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土を20センチほど掘り下げて周囲を埋めて使う。反対側、つまり天に向く側にはふたをする。ふたにはちいさな空気穴があり、そこからハチなどが入るので、枯れ草をつっこんでいる。底は空いていてなかはじめんの土が露出している。したがって生ゴミにのこる水はそこへおちて吸収される。
これに水を切った生ごみや剪定くず、抜いた草などをつぎつぎに入れると、あら不思議、数か月~半年後(季節によるが)には、庭に使えるたい肥に。
生ゴミ処理に使うには
コンポストを使い生ゴミの処理ならびに堆肥化するうえで、つぎの条件がそろうとやりやすい。
①邪魔にならない敷地内にコンポスト(50Lのポリバケツ程度)を置ける土が露出した場所がある。本体に日光が当たってもよい。
②多少のにおいに寛容なこと。ご近所もふくめて。
③虫の発生がそれほど気にならないこと。
あると便利なもの
①掘る、混合、移す作業に使えるスコップやシャベル。
②できたたい肥を入れるふた付き容器(熟成・保存用)。
③殺虫剤(虫がいやなら)。➡慣れたら虫も堆肥化
④たい肥を使う目途。➡無臭なので土にかえせる。
⑤発酵促進剤(なくてもよい)。➡わたしは古いたい肥で代用。
コンポストのメリット
①ほとんどの生ごみを家庭から出さないで済む。
②何が入っているかわかる自家製のたい肥ができる。ぼかし肥にすると使いやすい。
同デメリット
①(人によっては)途中のにおい、虫が発生しやすい。➡完成すると無臭。
②できたたい肥の使いみちがないと、生ごみより量は減っているがごみになってしまう。➡庭に埋められる。
わりとうまくいく方法
①水はけがよいところに設置。家の出入り口付近は虫が家に入りやすい。
②生ごみの水をよく切る。余裕があればザルなどに広げて生乾き(下の写 真)後、順次投入。いっぱいになったら2,3ヶ月から半年ほど放置。
③生ごみ、抜いた草や剪定くず、生ごみ、たまにたい肥の残りや土の順で入れるとスムーズにたい肥化。
④夏場は3か月、それ以外では半年ほど放置したのち、50Lバケツに移し、軒下などで熟成。
⑤理由②と④からコンポストが2つあると年間を通して交互に使える。
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ありがちなこととその対処法
①じゅくじゅくにどぶ臭くなる。➡そのまま放置。…もっと生ごみの水切りをする、土や乾燥した枯れ草をたす。
②虫がわく➡そのまま放置。…通気口にわらなどをつめる。
③においがする➡そのまま放置。…草木灰で多少やわらぐ
④周囲に穴➡動物が掘らないようにブロックや石などでよく押さえる。
経験からの感想
①基本的に腐熟ぎみならば、土や草木灰をたして放置するといい。
②コンポストはおおらかに使うといいかも。気にせず放置した年のほうがよいたい肥ができている。
③できたたい肥は効きが長持ちして、2年ぐらい野菜が作れる。種まき用には向かない。
④コンポスト本体は最古25年前に購入したものが健全に使えている。
⑤やさいくず、卵の殻、キッチンペーパー、ミカンの皮、鶏・魚の骨、食用油をぬぐった紙など、有機物ならば基本的に投入OK、いずれも水分をよくきってから。
⑥窒素、リン酸、カリのバランスからみると、窒素が多め、カリが少なめのたい肥ができやすい。草木灰で補うとバランスがとれるようだ。
おわりに
どちらかというと郊外、そして周囲の方々とのコミュニケーションがとれるとトラブルにならずに望ましい。
それでも使う前に周囲にひと声かけておくと、のちのちまでつづけるうえでいいかも。たい肥を使ってできたやさいのおすそわけなど、昭和的な交流がうまれそう。
ごくふつうの食生活(4人)で2台の容器(330L×2)で生ごみが入りきれない状況は25年間で一度もない。
できた堆肥は種まき以外でしたらいつでも使え、ぼかし肥料にすると肥料あたりしにくく長くきく。(写真:2年目の堆肥)
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