いつもより数ランク上の米をとても安く食べられたありえないほどめずらしい年
はじめに
さまざまなものが急騰するなかにあって、おおかたのモノと反対のねうごきを示すものがあった。
こんな年はめずらしい。何かというと米のねだん。さまざまなものがすさまじい値上がりをみせるなか、値を下げて売られていた。昨年から先日まで古米、古々米ではあったがおいしい米を格安でたべられた。
米がだぶついてあまっていたらしい。したがってはやい時期から古米が市場にでまわっていた。米好きとしてはありがたい年。生産者の方々に感謝しつつ、ことしを米についてふりかえりたい。
昨年から
昨年の暮れあたりから米がやすくなった。例年ならば値のかわらないもの。わが家では米をよくたべるので、安めのものをつねに入手。値のはる銘柄はいつもすどおり。数か月で5kgをひとふくろ買えるぐらいのひらきがある。
それなら安いほうにするかと手にとる。ところがところが。このところニュースで米がだぶつきがちという。ねだんに反映してくれればと思っていた矢先、ふだん個配をお願いしている生協がさっそくセールをするという。これはありがたいとそくざに購入。
ランクをあげても
しばらくのあいだいつもより安くなったふだん買いの銘柄の米を注文。おいしくいただいていた。ここでさらにおどろきの事態に。なんと数ランク上の以前に特Aランクのついた県内産銘柄米の売り値が、ふだん買う米のねだんとおなじになった。ただし古米。とはいってもきのうまではふつうの米だったもの。ねだんのランクははるかに上だった。
そりゃあもう、こちらにするしかない。みごとに売り手の戦略にじぶんからはまりにいった。やはりおいしい。つぶは大きくそろいあじもよい。ああ、こんなにちがうのか。
それにしてもなにかまちがいではないかと2度、3度PC上の注文画面をみなおしたぐらい。こんなことはこれまでなかった。あきらかにこの米あまりは異常。やはり昨今の病の状況や、安定しない気候のせいだろうか。
そしてそして
数か月にわたりうれしくあじわった。米がおいしいとふだんいっしょのおかずさえちがってくるからふしぎ。
たべるたのしみが米ひとつでちがうとあらためて気づかされた。ふだんから米の値段を気にせずおいしいほうを買える方々がほんとうにうらやましいほど。それを実地で体験させてもらえた。貴重な年になるはず。どうしても90年代に1度あった凶作の年を思い出してしまう。
国内産の米が満足に穫れなかった年。それもめずらしい。こんなことになるんだとタイ米を食べながら思ったことをわすれない。その年の経験があるからなおさら、ことしのようにべつの意味で米に感謝する年もめずらしい。
じつはそれだけではなかった。
さらにさらに
すでに満足しつつ米をパクついていたわたしはさらなる事態におどろかされた。なんとこのもと特A米の古米がさらに5kgから6kgに増量されてねだんはそのままで売られはじめたのだ。
ありゃ、生協は値段の表示をまちがえたんだ、きっと。来週は大きく訂正とおわびが入るだろうなと思った。まあ注文してみるかと申し込み。
ちゃんと届いた。いつもよりこころなしか重い。かだきかかえて体重計にのると、まちがいなくわたしの体重プラス6kg。ありゃま、どうしたんだろ。価格破壊とはこのこと。そういえばカタログをみなおしてみると、あきらかにどの銘柄もねだんを下げている。
もう、大判ふるまい。やっぱりごはんを食べられるしあわせをこうしてかみしめられるのは生涯で今後もおそらくないだろう。そんななかばおおげさな思いすらわいた。
おわりに
ひとつつけくわえたい。この時点の最後のほうではさすがに古米から古々米にかわりつつあり、ひとつずつ年度がかわっていった。あっさり古々米はなくなり、すでに新米の時期。価格はじわりともとにもどりつつある。
ああ、いい夢だったと満足。なんども記すがこんな年はもうないだろう。それにしても米をずっとあんしんしてたべられる時代がつづいてほしい。