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映画「NOPE」感想

NOPEをみた経緯

私が尊敬している小島秀夫さんが推薦していたこともあって視聴してみた.かなり軽い気持ちで見に行ったがとてもインパクトがあったため,一回しか見ていないが,自分なりの考察などを綴りたい.

感想(ネタバレなし)

予告で流れているがUFOのようなものが登場している.私の知るUFO(エイリアン)映画だと,未知との遭遇,エイリアン(vs プレデター),宇宙戦争,ノウイング,地球が静止する日等々である.これらは宇宙人やエイリアンと交信したり,バチバチに戦いあったりと,何かしら宇宙人,エイリアンと直接,姿を隠す事なく遭遇している.しかし今回の映画は「UFOを撮影する」という事を目的に物語が進んでいる.一攫千金の為に,恐怖を感じながらも未知に挑戦するという内容は恐らく見たことが無く,新しいジャンルと言われてもまま頷ける.
いつ出てくるか分からず,姿も不確かなUFOが空に座すというシチュエーションが最高に不気味でハラハラドキドキしていた.とても面白かった.






考察(以降ネタバレあり)

映画で登場した動物

本映画で出た動物の内で記憶に残っているのは,馬,豚,チンパンジーである(関係ないと思うが,なぜかブレーメンの音楽隊を思い出してしまった).特にチンパンジー(以下ゴーディ)はコメディショーで共に出演していた共演者に対して,余りにも残酷な一面を出していた.馬はOJが管理,調教している.豚は,テーマパークであるジュピターズクレイムにて,観客等の生物が次々に吸い込まれ,無法地帯となった結果屋根の上に出現した.
ここで強調したいのが,いずれの生物も家畜や調教の対象であり,人間の支配下で管理されているという事だ.しかし,いつまでも人間が支配者であるという事は誰も保証できない.次で説明する.

UFOという名の生物

これまでの映画での概念では,宇宙人はUFOという乗り物に乗っているという構図があてはまる.しかし,UFO(以下Gジャン)自体が生物だったのである.生物を吸い込んではその先にある箱に似た物体の中に閉じ込め,捕食していた.まるでマジックショーで人を踊らせるように.
長い間,豚や鶏,牛等を家畜とし,馬には跨り,チンパンジーには芸を仕込み,娯楽や生活の為に調教してきたように,人間はずっと支配者の立場であった.しかし,Gジャンの出現によって今度は人間が捕食,支配の対象となった事が表現されたように思った.はるか昔の支配者は植物であり,何十億年と地球の支配者であったように,支配者は代わっていくものである.

目を見るという事

NOPEの物語でターニングポイントとなったのはGジャンを見なければ捕食されないという事である.しかし,それが発覚する前までに様々な伏線があった.主に二つある.
1つは馬の撮影シーンである.OJが馬のラッキーを安心させていたが,馬の前に撮影用のミラーが出現したことでラッキーは襲われると興奮状態に陥ってしまった.
もう1つはゴーディである.共演者たちも恐らくゴーディと共演する上でゴーディの目を見すぎてしまった事が原因でゴーディが暴れだしたのだと思った(実際にもこのような事故は発生したのだとか…).のちのテーマパークのオーナーであるリッキーは幸いにも生き延びたが,それはゴーディの目を見なかった事が要因だと考える.子供のリッキーはテーブルの下に隠れていたが,テーブルクロスかランチョンマットが垂れ下がっていた事によってゴーディには襲われず,心を通わせる一歩手前まで進んでいたのだと考える.
少しズレるが,テーマパークショーに登場したベールを降ろした女性がいたが,顔がかなり痛々しかった.これはゴーディ事件で生き残った少女が成長した姿なのではと思った.恐らくベールを外すと周りの観客は動揺していただろうと思った.
このように,相手の目を見るという事は相手の本当の姿を見るという事である(動物学によると,相手の目を見るという事は,威嚇などの意味があるらしい).目を見る事で少女のように,本当の外見を見る事ができるし,馬やゴーディ,Gジャンを直視する事で相手の本性を露わにするのである.周囲の人間とは何かしらのベールを挟んで関係を保っており,相手の目を見る事で表面上だけでなく,本性を見る事が叶うのだろう.相手と心を開いた深い関係を築くためには本性を見る事は大事なことだが,怖いものでもあると再認識した.

だがわかるよ.秘密は甘いものだ...(ブラッドボーンより)

最悪の奇跡

本映画の主題が最悪の奇跡であるが,本映画では様々な奇跡が映されていた.最もわかりやすいのが,OJの父親が空からの落下物(恐らくGジャンが落としたもの?)によって死亡した事である.いうまでもなく最悪の奇跡だが,一方でよい奇跡もある.Gジャンの特性が判明した事や,リッキーが直立した靴を見る事,ゴーディとの間に布があったことで生還した事,そしてGジャンを撮影した事である.
このようにありえない事や窮地にて起こった事が登場人物の生死を分けている.これは聞いた話だが,量子力学によると,机を何度も手のひらで叩いたりすると,考えられないような確率(何兆?,京?分の1 考えられないくらい小さい値)で机を壊さずに貫通するらしい.正直,GジャンやUFO,UMA等によって靴が直立したのだと示したかったが,全く分からなかったので,あえて奇跡としておきたい.
このように様々な表現で奇跡が描かれている.勿論人によって奇跡の匙加減は異なるが,普段気にも留めていない風景や出来事に注視すると何か思いもよらない発見があるかもしれないと感じた.

改めて感想

今回の映画は非常にゾクゾク事が多く,面白かった.しかし,もっと見地があれば様々な考察をもっと深くできたのではと思った(OJの死因である貨幣に描かれていた意味(意味はないのかもしれないが...)やたった2秒の馬の映画を披露していた意味など…).特に目を見るという事にも様々意味があるとと勉強になった.
ここ最近,筆者は物事をクリエイトする能力,クリエイティブな発想が必要だと常々悩んでいる.NOPEを見る事で様々な見地を調査できた事は勿論,もっといろんな人の創作物に触れていきたいと思った.
もしおすすめの創作物があれば紹介していただきたいです!




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