![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85664543/rectangle_large_type_2_2dc24cb7c01ad5c7256482bccd17f0a5.png?width=1200)
日本史の学習に"革命"を起こす良書--『絶対挫折しない日本史』
歴史に興味がない理系人
歴史の暗記に苦しんだ文系人
など、、、ちょっと歴史が苦手な人が一定数いると思います。
そこで"歴史嫌い"を払拭できるかもしれない本『絶対に挫折しない日本史』を紹介したいと思います。
目次
著者が古市憲寿さん!
著者は、社会学者・古市憲寿さんです。『絶望の国の幸福な若者たち』や『だから日本はずれている』など、読みやすくかつ面白く本を書いてきた人です。
そんな人が、今回は歴史を読みやすく、かつ理解しやすいように書いた本が今回の本『絶対に挫折しない日本史』です。この本を読んだ感想と魅力などを紹介できたらいいなと思います。
スラスラ読めてしまうことに疑問を覚えた
この本には、通史編とテーマ編と分かれているのですが、全てが読みやすいというのが感想でした。
しかし、なぜスラスラと読めてしまうのでしょうか?
歴史の知識が0な僕です。「あれれ〜〜おかし〜ぞ〜」とどっかの見た目は子供の名探偵が言いそうなセリフを吐いてしまいそうなほど、不思議です。
そこには、2つポイントがありました。
ポイント!:現代語への置き換えとイメージがしやすい。
目次から見てもほんとに古市さんはイメージさせやすいような語句を選んでくれるんです。例えば、第一部通史編に出てくる
2 古代政権はフランチャイズ運営
無駄に大きなお墓を作った理由/大和エリアに「国家」があったのか/本部のフンランチャイズつぶし/…
という言い表し方。古代政権がフランチャイズ運営というだけでは何がなんだかわかりませんが、本文を読んでみるとわかりやすいです。
"
古墳というのが、一瞬にして同時期に広まったという事実があり、それはなぜか?を考える時に、フランチャイズのような形に似ている、ということ。各地にあった小さな国家が、フランチャイズの元となった大和政権に賛同した方が利益があると判断したのです。これは、貸店舗の人が考えるときと同じです。
"
この時にも具体的にセブンイレブンやフランチャイズ、ヒエラルキーや本社などの言葉を使って現在のビジネスにあてて考えています。この表現が非常にわかりやすく、特にビジネスマンにとってはすっと入ってきやすい語句ばかりでした。
ポイント!歴史の固有名詞が少ない。
日本史や世界史で出てくるような、〇〇大王とかルイ○世とか××事件、などの固有名詞が少ないのです。多分、固有名詞を出してしまった場合、説明ばかりになってしまい、倍以上の量になってしまうでしょう。
そして、固有名詞を少なくすることで代替した表現が多くなり、先のポイントに書いたような現代語への置き換えができるのです。そして概要を知ることが簡単になります。
この特徴は、世界的名著の『サピエンス全史』でも同じ構成でした。だから、この本は、日本版『サピエンス全史』とも言えるかもしれませんね。
あ、ちなみに、『サピエンス全史』もスラスラ読めるので、是非是非。(ちょっと長いけど笑)
テーマ編が面白すぎる
通史編は全体として物語のように読めます。章ごとの区切り型はちょっとずるいです笑
ただ、僕的にはテーマ編の方が面白いように思いました。何かと何かの日本史、歴史についてテーマごとに語るのです。3つだけテーマを取り上げます。
土地と所有の日本史
土地になぜ所有権があるのか?法律で守られる意味がどうしてあるのか?それを発端から遡って、なるほど!という説明をしてくれます。あまり考えたことないテーマですよね。
それをドラえもんを使って話しているところに親近感を覚えるところもそこに正当性があることも納得しやすいところです。
家族と男女の日本史
家族や夫婦はいつ生まれたのか?そんな疑問を解いていくテーマです。このような古墳での権力者の話や兄弟の重要性などから一夫多妻制だったことなども明らかになっています。
そして、サザエさんに例えたり、今の選択的夫婦別姓の問題にそうような形で、昔は別姓は当たり前だった、と書いてあります。
戦争と平和の日本史
戦争はいつ頃から生まれたのか?人にはもともとの攻撃性はあるのか?なんのために戦うのか?など戦争や抗争に関して、さまざまな議論が現代でもされています。もちろん、古代であっても何かしらの単発的な抗争はあったのでしょう。でも僕が一番驚いたのは、その中でも、支配・従属のための戦争は古墳時代などの大和政権が生まれる頃からだったかもしれない、ということでした。なんのために戦っていたのか?攻める方はどうして?守る方はどうして?そんな疑問が残りますが、そこまだ改名中なのでしょう。
あと、もう一つ、驚いたことが、「神風」は吹かなかったということです。文永の役や弘安の役というモンゴルが九州に攻めてきたときに、台風が来て海側のモンゴルは大きな被害を受け、去っていたというのが学校で習うことです。
しかし、「神の力」はなかったのです。台風は来たようですが、その後に戦いはあったためです。戦って勝っているのです。
そのような、「本当は、」というような学校で習った概要でこのような事実を教えてくれると興味をひいてしまいます。この秘話や本当の話は、人を惹きつけるのです。古市さんうまい。