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派遣社員として約2年働いて感じたこと

2020年2月から派遣社員として仕事をしています。
それまではバイトでサービス業をかけもちしていたので、社会情勢的にいいタイミングで転職が出来たと思っています。

以前にも半年ほど派遣社員の期間がありましたが、契約社員に切り替わることが前提での採用でしたので私以外に派遣社員がおりませんでした。
今は8割近くが派遣社員という環境で働いていまして、自分の状況も含めて周りを見ていると「派遣として働くことのメリットとデメリットは活用の仕方によって大きく差が出る」と感じています。

活用方法によってはとても良い雇用形態でもあるし、場合によっては自分の成長を妨げる要因にもなる。

今、私自身が働き方の見直しをしている中で、派遣社員として働いた2年間で感じたことをまとめようと思います。


非正規の仕事は正直厳しい

今の職場に来て1番驚いたことが、リタイアしていても良さそうな世代がフルタイムで働いていることでした。
派遣はシフトの融通が多少は利かせられるケースもありますから、日数を少なくするとか時間を短くするなどの手段が取れる中でもフルタイムで働いているということは、年金だけでは生活できないことを物語っているんだろうなと感じました。
最近は更にその世代の派遣社員が増えましたから、社会的にますます厳しい状況なんだろうと思っています。

その他、様々な事情を抱えて働いている人がいます。

・パートの様な感覚
・夢を叶えるために、安定的な収入が欲しい
・病気等、正社員として働くことが困難な事情を抱えている
・やむを得ず など

きっと、ドキュメンタリーが作れるくらいの事情がそこにはたくさんあるでしょう。

事情は様々あるとは言え、非正規で働き続けることは厳しいですね。短いスパンでの契約更新ですし、給与形態は時給ですから祝日が多かったり体調不良等でお休みすると必然的に収入は少なくなります。

それに「契約更新はしません」と言われたらそこで終わりですからね。

非正規でOK若しくは非正規ではないと働けないような事情がなければ、どこかで正社員になる道を選択した方がいいのだろうと感じました。
個人の事情と信念がありますから、必ずしも正社員になった方がいいという押し付けはしませんが、チャンスがあるなら派遣から正社員に切り替えて働いた方が良いかもしれません。


派遣社員を続けるメリットとデメリット

私が考える派遣社員として働くことのメリットは次の通りです。

・様々な職場で働く経験が積める
・副業が可能
・働く時間や日数の融通が利きやすい
・正社員として働くより責任感を抱える度合いが低い
・職場環境が合えば社員に切り替えてもらう手段もある
・条件によって社会保険に加入できる

ざっくりとこんな感じでしょうか。
会社や職種にもよりますが、働く時間や日数の融通が利かせられやすいこと、コールセンターだと急なお休み(子どもの病気など)でも対応して貰いやすいのはメリットになる人も多いでしょう。

また、私のように社会保険に加入できるところで働きながら個人事業主もしたいとか、夢を追いかけながら最低限の収入を確保したい、という人にも派遣として働くのはメリットだと思います。


次に、派遣社員として働くデメリットを考えてみましょう。

・契約更新のスパンが短い(雇用が不安定)
・毎月一定の収入を得られない(祝日等で変動が大きい)
・責任を持って働かない人もいるので、突然出勤してこないパターンが多い
・目標や目的がないとダラダラしやすい
・派遣の期間が長すぎると正社員として採用されにくいケースもある
・「どうせ派遣だし」とネガティブ思考や行動になりやすい

これもまたケースバイケースではありますが、やはり目標や目的が無いと悲観的にもなりやすいですよね。
どの会社も、元気に毎日出勤してきてくれる人を長く採用したいものですし、個人の都合で派遣先をコロコロと変えてしまうのもその後の転職の際に不利になるケースもあるでしょう。

どんな雇用形態で働くにしても、どんな職種に就いたとしても、会社や職場の人間関係を含めてフィーリングもありますから、必ずメリットとデメリットは生じます。
そこをいかに理解・納得をして活用するのかによって、メリットが何十倍になる人もいれば、デメリットの方が強く作用する人もいるでしょう。

2年間たくさんの派遣社員を見てきて、自分が派遣社員として働いてみて、「派遣だから」という言葉で片付けて少しの我慢もせずに短いスパンで派遣先を転々としたり、意欲的に働かないというのはちょっと違うんだろうな、と思いました。

メリットもデメリットも、自分の行動次第ということですね。


働く事情がどうであれ、企業で働いてお給料を頂いていることを忘れてはいけない

私が就職した2001年当時は、派遣社員という言葉になじみがありませんでした。ド田舎で生活をしていたせいもあると思いますが、正社員かパートくらいしか選択肢がなく、派遣社員は2006年以降にグンと増えてきたように感じています。

私の世代(40歳前後)から考えると、働き方が多様化していることを羨ましく思う反面「それでいいのか?」と考えさせられることもあり、やはり個々の「働くこと」に対する意欲も変わってきているんだろうと思いました。

根本に「私、派遣だから」と高を括っていそうな人たちの勤務態度は目に余る…と感じることが多々あります。

・大きな音を出しながらあくびを連発
・離席が必要以上に多い(決められている休憩時間の他に何回も席を外す)
・人の話を聞かない、受け入れない
・都合が悪くなると「派遣なんで」と逃げる

恐らくどこかで「派遣の求人なんてたくさん出てるし」という軽い感覚でいるのでしょう。更新されなかったら他に行けばいいや、仕事なんてたくさんあるし…という思いを抱きながら働いているとしたら、それは「働くこと」の意味を少し考え直した方がいいかも知れないですね。

このご時世、「働けるだけ」で「働く場所があるだけ」で本当にラッキーだということを頭に置いておかないとならないと思っています。
私がそう思ったのは、ニュース番組の特集で昨今の社会情勢により派遣切りをされた人が、1年以上仕事が見つからないというインタビューを見たからです。

私の考えを単刀直入に申しますと「仕事は選ばなかったらある」と思っています。この社会情勢で無くなる仕事もあれば、逆に新たに生まれる産業や人手不足になる職業もありますので、「仕事」だけで考えると選ばなければ見つかるものだと思っています。

ただ、なぜ見つからないのかというところを考えると、報道されない裏事情もあることでしょう。例えば、短いスパンで派遣先をたくさん変えていて採用する企業側がイメージを良くみてくれないとか。

また、得手不得手もありますから選ばなければならないのも現実です。未経験のことをするというのは、相当なストレスになりますからね。慣れていることを続ける方が楽なのは決まっています。

こういったことをトータルで考えると、現時点で職があるだけでも幸せなことだと思うんですよ。
そして「ダメだったら職を変えればいい」という生半可な気持ちで働くなんて、雇用してくれている企業に対しても失礼ですよね。私たちが働くことで企業の利益を生み出し、そこからお給料を頂いていることを忘れてはいけないと思うのです。

企業としても、会社の利益を生み出してくれる人材に働いて貰いたいでしょうから、勤務態度というのは次回更新の可否を判断するために必要な素材となるのです。不器用でも頑張っている人と、出来ると高を括って大した動かない人とでは生み出す利益が全然違いますから。

派遣社員として働いている事情がどうであれ、かけもちをしていようが、つなぎ程度で働いていようが、企業で働くということはその企業が求めていることに応じる務めがあるのだろうと私は思います。


働き方が多様化している中で思うこと

私が働き始めた頃に比べると、本当に多種多様な働き方があって良い時代になったと思います。選択肢が多いのは良いですからね。

ただ、多種多様になったからこそ厳しい部分もあるでしょう。企業が生き残るのも大変な時代だと思います。

私が社会人になって20年。
正社員、パート、契約社員、派遣社員、個人事業主…さまざまな雇用形態を経験しました。正規雇用が12年、非正規雇用が8年、個人事業主は3年(非正規雇用の期間と重複)…全ての雇用形態は私がその時の状況に応じて選択したものですので、全て経験して良かったと思っています。

私はそもそも働くことが好きなので、お世話になった会社ではほぼ真摯に真剣に仕事と向き合ってきたつもりでいます。(さすがに合わない職場もあったので、全て真摯に真剣にとは言えませんが…)

その結果、私がどんな企業で働いても得られたのは「信頼」だと思っています。仕事をする上で「信頼」を得ることが、どれだけ大切なことか年を重ねるごとに感じています。

仕事でミスすることもあります。
眠気がひどすぎて仕事に集中できないときもあります。
愚痴をこぼすことだってあります。

そんな私が仕事をする上で心がけていることは、私が自分の行動でマイナスだと感じていること以上に、私が職場で発する言葉以上に、それらすべてをカバーできるように、仕事で「行動」をすること。

言い方を少し変えると「誰も文句が言えない程に動く」ことを心がけているのです。

これは雇用形態に限らない話ですが、

「言ってる割には行動しない人」
「行動しないのに言動だけは達者な人」
「二言目には文句が出る人」

は信頼を得にくいですよね。

その「行動」を自ら起こさない派遣社員が多い様に感じています。
難しい部分もあるんですよね。
派遣社員は契約書に書かれていること以外は出来ませんから。
ただ、自分の活動出来る範囲内で最大限のパフォーマンスを行うこと、どうやったらパフォーマンスを向上させるか考えることは出来ると思うのです。

ただ、「契約に書いてあることだからやってる」だけでは売り上げに繋がらないし、自分の成長にも繋がらないですよね。
わかっているフリをしているのも行動を見ていたらだいたいはわかりますので、そのときに「わかりません」と素直に聞く行動を取れるかだけでも違うでしょう。

※最近は、自分の考えている事と違うことを言われたら「否定されている」と思ったり、わからないというのが恥ずかしいと思っているのか、「わからない」ことを素直に聞けなかったり、アドバイスを求めても素直に受け入れない人が多いように感じています

そして、企業としても会社にとってプラスになる行動をしてくれる人に働いてもらいたいと思いますよ。私が社長ならそう思いますもん。
もし、今勤めている会社の企業理念に沿えないなら、文句の方が多いなら「自分で起業して働いてみれば?」と私なら言うでしょう。
会社を維持するのがどれだけ大変か、仕事を生み出すことがいかに大変かを身をもって感じてみたらいいと思います。

企業で雇って貰えることのありがたみを感じることができるでしょう。

また、最大のパフォーマンスをしたところで何の役に立つのかわからないし…と行動に移せない人もいるかも知れませんが、これはもう年月を重ねないと気づけないことがたくさんあります。
私の場合、事務職で得た経験がカフェという職種で役立ったこともありますし、10年以上前に得た知識を今やっと活動に活かせたりしています。
あの時は無駄かもしれないと思っていたことが、思わぬところで役に立つのです。

世の中に楽に稼げる仕事はないですし、真摯に向き合って働いて得られた信用は何年経っても消えません。「○○だから」と自分の可能性を潰さないでください。いつか思わぬところで必要になるかも知れませんから。


さいごに

もし、特段の事情が無い場合や「このまま派遣として働くことが不安」と感じているなら、1度正規雇用をされてみるのをオススメしたいと思います。(20代の方は特に1度は経験してみた方がいいと思います)

今は正規雇用されたら辞めにくいという時代でもないので(コロコロと変えるのは少し問題ですが…)、本気でやりたいことが見つかったときや「この会社なら正社員として働きたい!」と思えたときは正規雇用に切り替えてみるのも良いでしょう。
今までと違う視点で物事が見れて勉強になりますし、何事もチャレンジしてみないと分からないことも多いし、行動してみないと状況を変えることが出来ないですからね。プラスに変えるのもマイナスに転がるのも自分次第です。

今の日本の現状を考えると正規雇用は最強でしょう。
収入は安定していて、お休みもしっかりあるし、社会保障や福利厚生もあったりして。その分、理不尽なことやストレスが溜まること、愚痴が増える一方…などマイナスなこともありますけど、様々な雇用形態を経験してみて「正規雇用は最強」と思いました。

派遣社員として働いていても自分の行動次第では正規雇用に結びつくケースもありますし、「派遣だから」というネガティブ思考に包まれることなく、企業で働いてお給料を頂いている以上は最高のパフォーマンスを提供する努力を怠らない様にしたいものです。

あなたの努力は必ず誰かが見ていますから、時間がかかったとしても実となり花となるでしょう。私は、自分の実力を存分に発揮できるところに出会うまで20年かかりました。必ず、花が咲く時がきます。

「派遣だから」という言葉を使って言い訳は絶対にして欲しくないです。

自分の可能性を潰すだけです。
少しでも「派遣」(若しくは非正規雇用)という雇用形態に不安を感じているのなら、行動を少しでも変えてみましょう。
そこには「信頼」とともに結果がついてくると私は思います。


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