ビジネスパーソンの教養〜ルネサンス期のイタリア・フィレンツェ〜
学生時代に友人に誘われて入った一般教養のゼミで「ルネサンス期のイタリア・フィレンツェ」を学んだ。今でも特集している雑誌は買うしテレビも見ちゃう。何回見てもワクワクする。芸術・思想・人物・文化がとにかく魅力的でたまらない。例えば、みなさんご存知、万物の天才レオナルド・ダ・ヴィンチ。
彼の名前のda vinci(ダ・ヴィンチ)は彼の故郷であるヴィンチ村の名前。レオナルド・ダ・ヴィンチという名前は「ヴィンチ村のレオナルド」って意味なので彼を呼ぶ時はレオナルドが正しい呼称なのだと思う。
ミケランジェロの弟子のヴァザーリが書いた「ルネサンス画人伝」(邦題)の逸話で、レオの師匠であるヴェロッキオが弟子の才能に嫉妬して筆を折ったエピソードが有名。
現代の研究からどうやらこれは創作エピソードだったらしいのだが、とにかく一つ一つの逸話が漫画みたいなのだ。レオナルドは万物の天才と呼ばれながら、当時の知識階級では必須の素養であるラテン語が出来なかったために、メディチ家が主催するプラトン・アカデミーに呼ばれず悔しい思いをしたとか。
レオナルドはアカデミーに入れないことによって、自ら観察・解剖・研究に没頭したことで才能が開花したとかもう少年ジャンプやん。そのアカデミーでロレンツォ・デ・メディチ(豪華王)の寵愛を受けたのがボッティチェリで「春・プリマベーラ」や「ビーナス誕生」の傑作を残して時代を謳歌したけど晩年没落する。
経済が好調で文化に華が咲き、ルネサンス(文芸復興)絶頂期にそれを批判するサヴォナローラっていう苛烈な思想の修道士が現れて、贅沢品や工芸品を広場に集めて焼き払う「虚栄の焼却」が行われたり、栄華を極めたメディチ家がフランス対応を怠ったことを理由にフィレンツェを追い払われたり、もう激動。
そんな中でも私が一番好きなのは天才彫刻家ミケランジェロ。彼の名言、「全ての大理石の中にはあらかじめ像が内包されている、彫刻家の仕事はそれを発見すること」「大理石の中には天使が見える、そして彼を自由にさせてあげるまで彫るのだ」カッコ良すぎるでしょ。そしてまた作品が美しいのなんの。
そんでもって、彫刻家なのにシスティーナ礼拝堂の天井画「最後の審判」まで描いてしまうミケランジェロ。滴り落ちる絵の具のために失明しちゃったり、この天井画を描くために3年間無理な姿勢で作業をし続けた結果、晩年体が醜く曲がってしまったなどのエピソードもある。
こちらはラファエロのアテナイの学堂。真ん中にいるのがプラトンとアリストテレス。理想はイデアにあると言い天を指すプラトン、対して事実の検証によって真実に辿り着けると地上を指さすアリストテレスの構図が面白い。ちなみに、右端のほうで黒い帽子を被っているのがラファエロ本人と言われている。
とにかく、この時代の経済・思想・文化・芸術作品がめーっちゃくちゃ面白い。数多くのルネサンス期フィレンツェの至宝とも言える作品を収蔵しているウフィッツィ美術館(ちなみにウフィッツィはメディチ家のofficeの意味ね)の番組は必見。
レオナルド・ダ・ヴィンチを掘り下げてるこちらの作品も大好き。みなさんも深淵なるルネサンス期の芸術作品に触れてみるのはいかがでしょう?
おしまい
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