医師脳(いしあたま)

「人生は一度っきり」と、後先考えずに生きた七十年余。  白い巨塔を離れた頃、国際医療協…

医師脳(いしあたま)

「人生は一度っきり」と、後先考えずに生きた七十年余。  白い巨塔を離れた頃、国際医療協力に取り組んだ頃、両親の介護で老人医療に転身した頃、東日本大震災後の医療支援に飛び込んだ頃、などなど……。  後悔はないが、そのたびにリセットしていたら、今のは何番目の人生になるのだろうか。

マガジン

  • 爺医の爺川柳

    世を斜(はす)に眺めて捻る時事(じじ)川柳(爺医) AIは爺(ぢぢ)川柳と誤変換(爺医)

  • 老風満帆

    医者になって半世紀。  はじめの3分の2は産科医として飛びまわり、そのあとは老人医療 にも携わってきた。 「揺り籠から墓場まで」を実践する人生行路であった、と振りかえれば……。 〇取り上げも看取りも遣りし爺医なれば「命の関守石」とも言ふべし (医師脳)

  • わが短歌を生成AIがたちまちに画像化せり ほとほと感心す

    自作の短歌で、Microsoft Copilot(マイクロソフト コパイロット)に画像化を依頼しました。 https://copilot.microsoft.com/

  • 短歌集「人類史を詠む」

    太陽の余命を知れば人の世のなんと短く切なくもあり(医師脳)  宇宙の年齢は138億歳。  太陽の余命は50億年、と聞く。  その最期の瞬間に向けて膨張し続ける太陽は、いずれ地球をも飲み込んでしまうらしい。  わざわざ戦争で殺しあったり環境汚染で破壊したりせずとも、人類を含めて地球は丸ごと消滅する運命なのである。  数十億年後の話だろうが……。

  • 一日一首

    〇七十歳の手習ひなるや歌の道つづけてかならず辞世を詠まむ(医師脳) 〇満帆に〈老い風〉うけて「宜候」と老い真盛り活躍盛り 〇うれしきは毎朝いるる珈琲に「おいしいね」と言ひて妻が笑むとき 〇生き甲斐が働き甲斐なる生活に「老い甲斐あり」とふ痩せ我慢もなす 〇「先生」と呼ばれ続けて半世紀いまや符牒のやうなものなり 〇「日々一首」と詠み続けたし一万首。吾も百寿の歌詠みとならむ 〇人生の川にも澪木(みをき)を立つるごと刻舟とならざる一日一首を 〇老いはてて彼も汝も誰か薄れ去りいずれ消ゆらし吾の誰かさへ

最近の記事

ストーブのカタログめくる十七夜(爺医)

    • 筋トレを始むる前に先ず着替え(爺医)

       こんな川柳を捻る余裕ができたのは、つい最近のことである。  それまでの苦難の日々を短歌に詠むと……。 夜をとほし膝が痛みて眠れざれば取り戻さむと昼寝するなり(医師脳) 眠られぬ身の置き場なき苦しみに鎮痛の難きを思ひ知らせらる レントゲンに写る右膝の骨棘が夜の不眠の原因なりき 若き日にスキーで傷めし右膝をさする妻はや寝息たてをり 右膝のロコアテープの張り痕に高齢者たるぞ自覚せらるる 気づきたり坐骨神経の痺れにてわが身におはす梨状筋様 下肢あげて大腿

      • 強張(こはば)りしハムストリングにストレッチ。心のしこりも解(ほど)けゆきけり

        • 知らぬ間にマニキュアせらるるQR(爺医)

        ストーブのカタログめくる十七夜(爺医)

        マガジン

        • 爺医の爺川柳
          130本
        • 老風満帆
          37本
        • わが短歌を生成AIがたちまちに画像化せり ほとほと感心す
          181本
        • 短歌集「人類史を詠む」
          9本
        • 一日一首
          9本
        • 爺医のDX
          15本

        記事

          性格に不一致なしや新幹線(爺医)

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          気づきたり坐骨神経の痺れにてわが身におはす梨状筋様

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          尻呼吸の臨床試験か屁の名人(爺医)

           青森県の小さな町に住む屁尾刻蔵は、幼い頃から特異な才能を持っていた。  彼は「屁の名人」として知られ、どんな状況でも自由自在に屁を操ることができた。友人たちは彼の特技を面白がり、彼自身もその才能を誇りに思っていた。  ある日、刻蔵のもとに一通の手紙が届いた。  それは、東京の名門大学からの招待状であり、彼の特技を活かした「尻呼吸」の臨床試験に参加してほしいという内容だった。  刻蔵は興味津々でその招待を受け、東京へと向かった。  大学の研究室に到着すると、白衣を着た

          尻呼吸の臨床試験か屁の名人(爺医)

          懲りざるは人間なり! と哭く地球(爺医)

           戦争が常態化している地球。  何とかならぬかと、生成AIに話しかけた。 「おとぎ話の桃太郎を読んで、主人公を桃太郎から鬼に書き換えて!」 Copilot: 「面白いアイデアですね! では、鬼を主人公にした「桃太郎」の物語を考えてみましょう」 ――昔々、鬼ヶ島という遠い島に、心優しい鬼の家族が住んでいました。彼らは他の鬼たちとは違い、人間と仲良く暮らしたいと願っていました。  しかし、人間たちは鬼を恐れ、近づこうとしませんでした。鬼たちは孤立し、寂しい日々を送っていました

          懲りざるは人間なり! と哭く地球(爺医)

          筋トレとストレッチにて右膝の疼きが軽減し心やはらぐ

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          女医さんは化粧なほしてオンライン(爺医)

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          膝さすりガイドラインを読み聞かす(爺医)

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          下肢あげて大腿四頭筋を鍛へむか膝の痛みの消ゆるを願ひ

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          親孝行せむと思へど「too late !」(爺医)

           午後三時のコーヒータイム。  敬老の日の午後、いつもどうり三人分の豆を挽きドリップする。  これを三つのカップに分け、ひとつを仏壇に供えてから夫婦で楽しむ。ちなみに、仏様からのおさがりは、後で私が二杯目としていただく。  仏壇では、祖父母と両親の遺影が微笑んでいる。    大学受験に失敗し、仙台の予備校へ父と出かけた18歳の春。  入学手続きを済ませ、紹介された下宿に落ち着いた。  ゆっくりする間もなく、青森に戻る父に連れられて、一緒に夕食をと駅前の高級レストランに入る。

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          筋トレを始むる前に着替えから(爺医)

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          十六歳(じふろく)のセーラー服の母まぶし(爺医)

           仏壇脇の棚から、色あせた緋色のアルバムが出てきた。  表紙からは「青森縣立弘前高等女學校卒業記念寫眞帖 第三十八回 昭和十六年三月」と読める。  亡母の秘宝は他にもあった。  長谷川寫眞館と刻印された写真には、昭和21年9月7日とあり、弘前の実家の座敷で花嫁姿の母を真ん中に曾祖父母と祖父母が並ぶ。  曾祖父の成田幸吉は私が10歳になるまで存命だった。  亡父の字で「成田家の先祖を探る」と縦書きされた原稿用紙まで出てきた。 「幸吉翁の残した覚書をそのまま記述する」の後

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          右膝のロコアテープの張り痕に高齢者たるぞ自覚せらるる

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