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読書メモ24

もう年の瀬ですね。


116.ふつう

深澤直人がふつうをテーマに綴ったエッセイ集

多様性の時代において、マジョリティなものを普通と定義して話を進めることはあまり好まれない。でも、人間の生活に溶け込んだ、普通の造形、普通のデザインについては改めて考えるのは大切な気がした。

人の暮らしに馴染む道具をデザインしている人は、生活が丁寧というか、じっくりと暮らしてて、落ち着いた視点を持っているような感じがした。
秋岡芳夫さんや宮城壮太郎さんの本を読んだ時も同じことを思った。

インハウスのIDデザイナーをやってると、どうしても他の製品と比較して良く見えることが重要視されることが多い。そのアイデアはふつうだね、と切り捨てられることもある。そういう考えが全部悪いってわけでは無いと思うけど、
人が使う道具をデザインしている以上、人の暮らしに馴染む、記憶に残らないようなデザイン、ふつうのデザインを感じられるような繊細さみたいなのを磨きたいですね。

丁寧に暮らそう。大切に生きよう。

117.パパになる前に知っておきたい11のこと

自分はパパになる前に該当するので手に取ってみた。
産後の大変な時期の夫婦間のコミュニケーションで気をつけたいことが端的にまとめられててわかりやすい。割と語気が強めでドカンと印象に残るので、まさにパパになる前におすすめ。

特にママの相談や不安に対して、アドバイスや励ましはNG。とにかく傾聴と共感。専門的な悩みだったり、身体の不調に対してはパパに問題解決は不可能なので専門家に相談してください。というのが印象的だった。
確かにその通りだけど、自分は自分なりの答えを出してしまいそうで危ない。話を聞いてほしいだけで意見を求めているわけでは無いらしい。
コミュニケーションって難しい。

118.幸せのための経済学

岩波ジュニア新書なので中高生が対象の本。
他のもそうだけど岩波ジュニア新書読んでる中高生ってすごいな。
大人になってから自分の専門外の分野を知りたい時の入門書として優秀なことに気づいた。さらに学びたい人のためのおすすめ本も記されてるし。

この本はメモしながら読んだ。
メモは箇条書きで、こんなかんじ。

・経済システムの目的はひとりひとりの人間の福祉を高めること
・ここで言う福祉は「人が良い状態にあること」
・でも「良い状態」って視点によって違うよね
・だから難しい
・増税とか公共投資とかのあらゆる施策は批判されがちで、メディアもデメリットを取り上げがちだけどどの「良い状態」を目指した施策なのか教えてくれないな
・政治家=自己中みたいな偏見が自分にもあると思う
・そんなわけないのに自分が得するために政治してると思いがち
・そんなわけないのにね
・読めば読むほど効率的で衡平な経済システムって難しいと感じる
・ゲームなら100人に我慢してもらって10000人裕福になるみたいな作戦も是とできるけど、現実世界で、それも我慢するのが1人の人間ってなったら、いくら総合的に集団が潤っても施行できないよな。

市場システムに対して色々な方法で数学的に良し悪しを判断しようとしているのが経済学なのかな。

119.父が娘に語る 深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

有名な一冊。何年か前に買って何度か途中でやめちゃった本。ついに通読。
毎日ドライヤーで髪を乾かしている短い時間にコツコツ読んだ。毎日のドライヤー時間の積み重ねで一冊読み終わってるの達成感ある。

何度か途中でやめちゃった原因として、出てくる例えが神話でわかりにくく感じてしまったことが挙げられる(著者がギリシャの人なので仕方ないけど)

でもそこを乗り越えて読んで良かった。
他の経済の話とは違う主張があったりも面白いし、
ラストの著者が伝えたいことには結構衝撃的で納得感あって面白かった。

「経済学は公式のある神学だ」
「経済学は科学だ」と言う。物理学が数理モデルを使って自然を解き明かすように、経済学も数理モデルを使って経済の仕組みを解き明かすものだ、と。だが、そんなのはデタラメだ。たしかに経済学者はすっきりとした数理モデルやたくさんの統計ツールやデータを使う。しかし、だからといって彼らが本物の科学者だということにはならない。少なくとも、物理学者と同じ意味での科学者ではない。物理学では、予測が正しかったかどうかを自然界が公平に判断してくれる。経済学はそうした公平な判断の対象にならない。科学実験とは違って、実験室で経済状況を完全にコントロールして正当性を証明することはできないからだ。
(中略)
経済学者が数学を使うから科学者だと言い張るのは、星占い師がコンピュータや複雑な表を使うから天文学者と同じくらい科学的だと言うのと変わらない。

kindle版 位置no.2399

確かに。一つ前の本で経済学って科学かもと思ったところだったから、とても印象的だった。
経済学は専門家じゃなくても感じて考えて、自分の意思を選挙や購買活動で示していく必要があるってことか。

120.自己満足のデザイン

SNSを上手く使って活躍している、いまいませんという方の著作
本で紹介しされてるバズったアイデアたちを見ても1つも知らなかったので、万バズ連発してても届く人って限られてるんだなと感じた。

本書の内容の大半はそのアイデアが生まれた経緯と考え方の紹介で、目新しさや新しい発見は無かったけど、自分自身を大切にモノづくりしていくことの大切さは改めて感じた。

インハウスの商業デザイナーである限り、自分のやりたいことをそのまま表現できる場面はなかなかないけど、自分のやりたいことを持つことはとても大切。

いろんな制約があるのは分かるけど、デザイナーとして作りたいものをまず描いてください。って言われたことを思い出しました。

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さて、この読書メモを始めて2年、ただ好きで読んでるだけの本も、読むごとに一言添えて記録するだけで達成感ある。なんかこうデータが溜まるのって面白い。



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