読書メモ9
41.ヒトはなぜ拍手をするのか 動物行動学から見た人間
動物がなぜそのような行動をとるのか、を研究する動物行動学という学問がある。この本では動物行動学の視点でさまざまな人間の行動を考察していく。
人の行動も、子孫を残すことに有利っぽいことや危険を回避するっぽいことをなんとなくやってしまっているようで面白かった。
男女でも骨格の違いなどで楽な行動が違ったり、遺伝子レベルで心地よいと思う環境に違いがあったりすることについても色々書かれていた。
ジェンダー平等の問題を考える時に、遺伝子レベルの性差、個体ごとの性差の程度、文化的なものに起因する後天的な性差などさまざまな視点で切り分けて考える必要がある。
ちなみに、なぜ拍手をするかについて、詳しくは本書を読んでほしいけど
動物は高い音にはポジティブな、低い音にはその逆の意味があったりするらしい。犬も甘える時は高い鳴き声、威嚇する時は低い唸り声。人間も赤ん坊に話しかける時は高い声、借金の取り立ての人はドスの利いた声などなど。そんな感じです。
42.科学の発見
ノーベル賞受賞の物理学者が古代の宗教や哲学からどのような流れで現代科学と成っていったのかを解説する科学史の本。
この本を読んだ背景の話。ワクチンが出始めの頃、科学的に正しいこと、似非宗教っぽいこと、いろんな情報が飛び交っている頃に、「科学的に正しい、とはいうけれど、それを信じている自分は科学という宗教の信者だったり?」みたいなことを漠然と思ってた。
少し経ってからこのツイートを目にして、辿っていったらこの本が紹介されていた。
この本には、かつて一つの学問だった化学とか数学とか音楽、哲学、宗教とかがどのように分かれていったのかが丁寧に描かれている。
科学の歴史では、理論的には可能性あるけど、聖書にはこう書いてあるから無しの方向で。みたいなことで間違った方向に進むことが結構あって面白い。現代人は学校の勉強で習っているから分かるけど、そういう前提がない中で太陽の周りを地球が回ってるなどを見つけていくのが面白い。
有益そうなツイートに、そのツイートの参考文献みたいなのがお薦めされていることがあるけど実際に読んでみたのは初めて。いつもいいねして終わってたけど興味ある分野は読んでこそと思った。
43.センスは知識からはじまる
タイトル通りの内容の本。
一般的に「センス」で括られている感覚は知識や経験というインプットの賜物だというのが主題
デザインだけじゃなく、音楽にしてもスポーツにしても凄い奴らのインプット量は凄まじい。格ゲーだって知識が助けてくれる場面があるくらいだ。
いろんなものに触れて吸収して、多くの人にウケている王道を捉える。その次は流行りを捉えて、という筆者の知識の集め方も紹介されていた。
基本的にはデザイナーなら当たり前な話ではあるけどとてもタメになった。
最近、インプットが少ない気がするので意識してインプットしよう。
44.だれでもデザイン
山中俊治先生が中高生を相手にデザインのワークショップを実施した記録
デザインとは何かを丁寧に伝えていて面白かった。大学時代の授業なんかでいろんな先生に伝えてもらったことが色々思い出されて、なんかもっと頑張ろうというか、そういう気持ち。
45.変な家
ある間取り図から広がっていくミステリー作品
間取りって住む人の意図があらわれるし、それを中心に話が進んでいくのが面白い。
作者の方はインターネットが主戦場の方らしく、手軽に読めてスッと伝わる文章はネット向けの技術なのかな
1時間もしないで読めるくらい軽い文章なのも良い。
2ちゃんの怖い話みたいな感じなので普段小説とか読まない人におすすめ
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