【読書感想】自省録
以前、不動前のフラヌール書店を訪れた時に衝動的に買ってしまった「自省録」。
言わずと知れたマルクス=アウレリウスの名作だがなかなか読み始められずにおりました。
ちょうど未読のストックがなくなったので手に取ってみましたが、もともと人に読ませることを目的としておらず、自分用に書いたメモのようなものなので、読んでいて、果たして自分は著者の意図を理解できているのか不安に苛まれ、NHK 100分de名著ブックスの、岸見一郎の注釈と、合わせて読むことにしました。
岸見氏は脳梗塞で入院した母親を看病した時に「自省録」を手に取ったと言います。身内の不幸というどうしようもない悲しみの時こそ、哲学が役に立つ、という考え方は心に響きました。
その時その時で、必要な部分を拾い読みできるのが「自省録」の良さだそうです。
今私が気に入っているのは
「人は田舎や海岸や山に引きこもる場所を求める。(中略)
しかしこれはみなきわめて凡俗な考え方だ。というのは、
君はいつでも好きな時に自分自身の内に引きこもることが
できるのである」
という一節です。