原価主義からの脱却。ものづくり大国から高付加価値大国へ。
今日のno+eはビジネスの話。
ビジネスやら経済やらに関心がある人にだけ読んで欲しい。
自分で事業をされている方や、経営に困っている方、商品の値段付けに悩んでいるかたはぜひ読んでもらいたいと思います。
内容は、「原価主義の脱却について」。
ものすごくざっくり概要をいうと、「製造コストに利益を上乗せする売り方は古い」という話。
一昨日のVoicyで木下斉先生が「原価主義はダメ」という趣旨の話をしていたので、それを参考に考えをまとめたい。
木下斉先生の紹介
木下斉先生はここno+eでもフォロワー15000人超の起業家です。
Voicyフェスの大トリ放送を聞いて即フォロー。情報密度はこれまで聞いた中でも1番。そのVoicyの一昨日の放送で聞かれたのが、「原価主義」について。
↓前半は無料放送
↓後半は有料放送。
原価主義とは
原価主義というのは、
コストをいくらかけたから、それにいくら上乗せすれば利益が出るかという考え方だそう。
「いくら掛かったから、いくらで売る。」
これを「入り口から考えるプライシング」と表現されている。
でもこれは一般的な考え方ですよね。
むしろ「これ以外にどんな値段の付け方があるの?」状態です。
原価主義のデメリット
原価主義はものづくり的な発想で、日本全盛のものづくり主義が抜けてないことの表れだそうです。
原価主義では、原料を安く大量に仕入れて、安い人件費で大量生産し、なるべく安く売るという発想になります。
買う人からすると良いことのように感じますが、安くて大量にあるということは、商品の一つ一つの価値が下がるということ。
こうして相対的に価値のないものが世の中に溢れ、経済が衰退していきます。
出口から考えるプライシング
この原価主義の対極にあるのが、出口から考えるプライシング。
つまり、価値から考えるプライシングです。
「これだけの価値があるから、これだけの値段が成立する」「お客様に払ってもいいと思ってもらえる価値をつける」
こういう値付をしなければいけないということだそうです。
モノではなく体験を売る
モノを売ると、そのモノにかかったコスト程度の値段しかつけることができません。
一方で、モノではなく価値を売れば、値段をあげることができます。
これはよへい作の例え話ですが、
「一万円札をコストで考えると22円の紙切れ。でも、この紙が与えてくれる価値には、一万円相当の価値がある。」
モノを通して、楽しいと思える体験や嬉しいと感じる体験を売ることができれば、モノの値段以上の価値づけができるのです。
ものづくり大国からの脱却
コストから考えるプライシングは一昔前のやり方。
ものづくりの延長である原価主義から脱却し、付加価値主義へと脱皮しなければならない。
現代は、どんな価値をつけることができるか、どんな体験をしてもらうことができるかという価値から考えるプライシングが大切。
成熟国になるには
そう考えると「もう一度ものづくり大国日本へ!」というのは、的外れ。
そうではなく、日本にある資源や文化、歴史に目を向け、モノにどんな価値を吹き込めるかが、成熟国になるための道なんですね。
また消費する側も、「安ければいい」という安直な買い方をやめ、「これだけの価値があるから」という本質的な買い方を実践していかなければならない。
需要側が高次になることで、供給側も高次になる。
成熟国になるには、買い手も売り手も価値に目を向けられる集団にならなければならないのです。
国民みなが価値づけできる国になれば、日本はまた、世界に誇る成熟した経済国になれるかもしれない。