「僕と彼氏のサービス・マリッジ」一話
この目立つビジュアルでは「社交界の蒼の君、ブルーハイネス」と呼ばれるのも当然だろうな。
シルクのロングカーディガンを肩に滑らせた彼が正面の椅子に深く腰を下ろし、白銀の髪から碧い瞳が覗いた瞬間、天瑪(あまめ)はそう感じた。
天瑪・メーライシャン少佐の母親は、地球の経済崩壊した島国の末裔で、古くから続く血統に人工遺伝子を混ぜる生態科学を否定してきた家柄だ。曽祖父母から祖父母は絶滅危惧種のアルファ+オメガの子孫、そして母もナチュリアなうえに希少なクシィー・セクシャルに属する。