今まで自腹で食べた最も高価な食事【すっぽん鍋】
ジェッツくん!すっぽん食べたことあるか?
はじめて就職した会社(前職)の上司の言葉です。
入社して2~3ヶ月目くらいで言われた言葉でした。
もう、20年以上前のことです。
「ありません。どんな味ですか?」
「すっぽんは、すっぽんの味やな」
「近い味もないですか?」
「魚でも、肉でもない、すっぽんの味やな」
「すっぽん独自の味ですか」
「そやな、一回自分で食べてたしかめてみたらいい」
「高いんですよね?」
「高い!びっくりするくらいな 笑」
「はい・・・。」
「ちなみに○○という店は、日本一うまい」
「日本一ですか・・・。」
「ということは、宇宙一やな。宇宙人はすっぽん食わんしな 笑」
その日から、
23歳の若かりし私は、
「すっぽんの味」を知ってみたいという
謎の願望が生まれました。
それから2年後、
その願望は叶いました。
営業所を栄転し、
年の近い仲間ができました。
その仲間に、
宇宙一うまいという すっぽんを
一緒に食べに行ってもらえないかと
勇気をもって伝えました。
ノリのいいその仲間は、
快諾してくれました。
それから、
そのすっぽん鍋を食べに行くため
お金を貯めることにしました。
電話予約をして迎えた当日。
胸がドキドキしながら
店に向かいました。
入り口で、
「予約のない方は入れません」
と軽くあしらわれ、
「よ、予約をしている、ジェ、ジェッツです」
「あ、ご予約の方ですね」
(あきらかに場違いな感じだということを察しました)
店内の待合には、
社長さんと、水商売のお姉さんの組み合わせ
という明らかに怪しい関係の2人がいます。
そこに、20代の若造2名のご来店です。
圧倒的な、お呼びでない雰囲気に押しつぶされそうになります。
自分たちは、幕末、料亭に来た
「坂本龍馬」と「中岡慎太郎」なのだと
「我らは、若き猛壮な志士なのだ」と思い込み
雰囲気に飲まれないようにしました。
古風なたたずまいの店内を
仲居さんに案内されます。
そして、部屋に案内されました。
いよいよ、夢にまで見た
すっぽんの登場です。
先付けのすっぽんのしぐれ煮を一口食べます。
「ん?」
「あまりよくわからないが、たしかに独自の味だ」
続いて、メインのすっぽん鍋です。
すんごい熱そうな鍋が運ばれてきました。
このスープを飲み、すっぽんの肉を食べました。
ようやく、味がわかりはじめました。
「たしかに、何の味にも似ていない」
「宇宙一かはわからないが、たしかに美味しい」
締めの、雑炊です。
「いや~これはうまい!」
あっという間に完食しました。
このすっぽんのコース代のみで
当時 23,000円だったと思います。
20代の若者にとっては、
なかなかの経験だったと思います。
宇宙一かどうかは別として、
話のネタとしても当時十分元を取ったと思います。
坂本龍馬になった気分で自分を奮い立たせ
20代の若者が老舗ですっぽん鍋を食べる経験は、
もう二度とできない貴重な経験だったと思います。
みなさん、すっぽん食べたことがありますか?
無ければ、是非すっぽんというカテゴリーの味を経験してみてください。
なんしか、カッコいい大人になろう。
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