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いつも薄ら笑いをしている「そいつ」と30年ぶりに決着をつけた話。

そんなことをしたら笑われるんじゃないか
こんなことをしたら馬鹿にされるんじゃないか

ふと、こんなことを考えることがあります。

ふと、
果たして
誰に笑われるんだろうか?
誰に馬鹿にされるんだろうか?

ということを考えてみました。

私は一体何に恐れを
漠然と抱いているのだろうか?

身近な誰かを思い浮かべましたが
誰も該当はしませんでした。

「そいつ」は一体誰なのか?

しばらく、
その正体を考えていました。

そうして数日経ったある日、
「そいつ」らしい
人物をようやく特定することができました。

社会人として、バリバリ働いて
家庭では、子どももいる今の生活では
思い出すこともなかった出来事です。

いや、ひょっとすると嫌な過去だから
無理やり封印していたのかもしれない
とも思いました。

あまり思い出したくない、
私の無理やり忘れさせていた過去が
ふと蓋を開けたのでした。

中学生の私が
工作室へ移動している時に
工作室の見える非常階段から
「おい!ジェッツ!
こっち向け!ジェッツ!」
と馬鹿にしている人物を
思い出しました。

たしか、少し目立つタイプの後輩
だったと思います。

例え同年代だったとしても
ショックなはずでしたが、
それが後輩だと気づいた時に
強烈なショックを受けました。


私は、小学校を卒業し
田舎の中学校に
引っ越しと共に入学しました。
小学生からの友達が居なくなり
慣れない土地での新生活。

そこに、
都会から来たというだけで
爪はじきにされる何とも言えない
閉鎖的な環境。

はじめてのイジメ体験を経験し、
身も心も傷付き、
小学生の時のクラスの
人気者であった自負は吹っ飛び、
すっかり自信を無くしていた
数年間があったのです。

その時に
薄ら笑いを浮かべた「そいつ」に
ずっと怯えていたのだとわかりました。

だから、
心の中で

「お前なんかに笑われてたまるか!
 もうなにも怖くない!
 お前に馬鹿にされるくらいで
 ビビッてたまるか!
 お前なんかに邪魔されてたまるか!
 俺は好きに生きるんじゃ!」

って中指立てて言ってやりました。

それから、
憑き物が落ちたのでしょうか
なんだか気持ちが穏やかです。

薄ら笑いをしている「そいつ」
を特定し、無事に決着をつけることができたのでした。


なんしか、カッコいい大人になろう。


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