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友人の笑い話その4<視力検査>

高校生の時の「視力の悪い」友人の、最後の悪あがきに思わず笑ってしまいました。

<視力検査>

私たちが、
高校生の時に入部したバスケットボール部では、
健康診断の時の視力検査で、
視力の数値が、基準の数値より下になると、
メガネをかけるという部独自のルールがありました。

(コンタクトレンズは危ないので不可との
ルールだったと思います。
メガネとっても落ちないように
ゴムみたいなのでくくるやつです)
思春期の私たちは、そんなメガネをするのを、
みんなカッコ悪いので嫌がっていました。
私の友人で、
極端に目が悪い友人がいました。
元々、その基準の数値はまず無理だろう
というくらい目が悪かったのです。
しかし、頭がちょっと良かった彼は、
名案を思い付きました。

その健康診断に使う、
視力検査に使う紙は
常に保健室に貼り出してある。
ならば、その紙に書かれている
視力検査の「C」のマークの向きを
いっそのこと全部覚えてしまえば
良いんじゃないの!?

と思い付きました。
高校生の記憶力たるもの、
自分の興味に関するものであれば
強烈に力を発揮し、
すべてを、覚えることができます。
その時の友人も、強烈な記憶力で
視力検査のマークをすべて覚えました。

その記憶力たるものすごいとしか
言いようがありませんでした。
友人は言いました。
「完ぺきに覚えたから、
明日の視力検査が楽しみで仕方ない」と。
なんと、頼もしい言葉でしょう。

そして、ついに視力検査が始まり、
友人の順番が回って来ました。

「それではいきます」
「これは?」
「わかりません」
(えっ!?どういうこと?)

「これは?」
「わかりません」
(えっ!?本気でどういうこと?)

「これは?」
「わかりません」
といい続け、検査が終わりました。

私は、友人に聞きました。
「完ぺきに覚えたのでは!?」
「完ぺきに覚えた。でも・・・」

「棒の差している場所がどこか、まったく見えへんかった。」
とのことでした。

盲点でした。
頭がちょっと良かった彼は、
実は、頭がちょっと悪かったのかもしれません。



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