大事なのは経歴じゃない。
世の中には素晴らしい経歴の料理人の方が数多くいます。
よくある紹介の仕方でいうと
「一流ホテルで修行していた。」
「巨匠の某有名シェフに師事していた。」
「○○○○○ガイドの星付き店舗で働いていた。」
ざっとこんなところでしょうか?
一流店と呼ばれるような店では、従業員に対しての教育が整っていたり、提供する商品にとても強いこだわりがあったり、徹底的にクオリティやサービスが高かったり、一流店と呼ばれる所以はきちんとあるわけです。
もちろんお客様からの支持もきちんと受けていて予約が取りづらくて人気店だったり。
店をしているからには「流行らせたい」と経営者は必ず思っています。
そうして都会の有名店では、
「この店は特別なんですよー。」
と多くの人に伝え、たくさんのお客様に来てもらうようにするために、上に書いたような非常に目立つ経歴の方を雇用している場合が多いです。
そしてお客様に来てもらうために宣伝広告活動をします。メディアに紹介する記事なんかも書きやすですよね。
触れ込みも「あの有名店出身」「三つ星獲得」などなど
そんな説明簡単だもの。
そして一般の方はこう思うのです
「お?なんかすごい人がやってる店だ!」
「きっと美味しいものを出してくれるにまちがいない。」
有名店に勤めていたのならその人が作るものは一流であるはずだし、クオリティがめちゃめちゃ高くこだわっていて必ず美味しいはず。と過去の経歴によって想像をしてしまうわけです。
うーん。なんでまあ、われわれ日本人というのは過去経歴や所属していた所というものにこうも弱いんでしょうか。
学歴、職歴、在籍店舗、過去の履歴に味の情報は無いはずなのに、そこに保険や安心を勝手に求めているんですよね。
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だいたい世の中の料理人やサービス従事者の多くは、そんなに輝かしい経歴を引っさげているわけじゃないんです。
全国で働く飲食店の従業員数(フードビジネス従事者:経済産業省調べ)はおよそ480万人。そんな大量の人達が全員有名店などで修行などできているわけないですよね。
そういう有名店の修行などの経歴からの期待とは全く別のところで、みなさんが住む町の飲食店オーナーやスタッフは日々、
「お客様に何を食べてもらい、何を体験し、感動してもらおうか?」
と考えています。
飲食店経営者には、脱サラした人。料理を自己流で始めた人。その他にもいろいろな経歴の人がたくさんいます。
一流の修行や経歴はなかったとしても、たくさん考え、トライ・アンド・エラーを繰り返し地道にファンを増やしていき、その土地では無くてはならない地域一番店になっている店も数多くあります。
よく考えましょ
お店選びに経歴が重要ですか?あなたが店を選ぶときに大事にしていることは?
今、行きたい店はなぜそこを選んだんでしょうか?
たしかにシェフの過去の経験や、経歴は修行の大変さを図るバロメータになっているかもしれません。ですが過去の経歴だけで繁盛店が成り立つものならば、とっくに他の店は沈んでいます。
美味しいものを提供し、サービスが充実していること。店舗が清潔に保たれていること。ここは当然守られているとして、
お店選びで重要なのは、
今この時に
「お客様に向けて食を通じて感動を提供しようという心意気が伝わる店」
のことだと思います。
お正月のお店選びに参考になりますように。