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ホンブダイゴ◇Hombu Daigo
2019年7月1日 21:42
もうもうと立ち上がる白煙。くさやの焼ける匂いが交差点を越えてこちらの通りまで届いてくる。通りの向こうに増上寺と東京タワーが見えるオフィス街に突如として現れる大衆酒場。秋田の地酒の看板が堂々と掲げられている帰り道にあるその店は一階、二階、三階全て15時半の開店とともに満席になる。「私は入れないかな。」いつも気になってはいるけれどヒールを履いた客なんていないし、そもそも女性の客の姿が
2019年6月21日 17:00
9回裏。贔屓のチームはこの試合に勝つと首位へ浮上するチャンス。球場もボルテージが上がる。カラになったカップを見てビールの売り子が寄ってきた。「ビールいかがですか?」お決まりの文句に「今良いところだから。」と返す。そうするとその子は「お兄さんがビール買ってくれたら、今打席にいるバッターがホームラン打ちますよ!」レフト側からのカクテル光線が売り子のシルエットをまぶしく
2019年6月19日 17:04
3人で飲むのは何度目だろう。ジョッキに注がれた生ビールは乾杯の一口目から全く量が減っていない。店先の炭火焼き鳥の炎と煙は、通りの人の空腹をくすぐるだけでなく開放された店内にも容赦なく入り込んでくる。「失敗は仕方ないがお前も見習えよ。」上司の目は私をキッと見つめた後に隣の子の顔に移るときには目尻が下がっている。発注ミスで得意先からクレームを受けた。発注書作成は上司。得意先に送付を任