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【書評】人間関係に悩んだら読む本(人望が集まる人の考え方)

こんにちは、kokoです。毎月最低5冊は読むプチ読書家である私が読んだ本のうち、「これはよかった!」と思った書籍を紹介します。

【今回ご紹介する書籍】人望が集まる人の考え方

さて、今回はこちらの本をご紹介します。

メソッドを紹介する類の本があまり好きではないので、これまでタイトルで判断して避けてきていました。が、ベストセラーだしKindled Unlimitedで読めるし(2024年11月時点)試してみようということで読みました。

人間関係の教科書

人望の集め方を紹介する胡散臭い本なのかと思いましたが、全然違いました。方法論が語られているのではなく、科学的根拠も交えながら人間が共通して持つ対人関係に関する性質をまとめた教科書のような本です。タイトルがなんとも勿体無い・・・!

教科書の性質が強いこちらの本はコンテンツが体系的に構成されているので、要約が少し難しいのです。というわけで、いつも通り独断と偏見で私が特に気になった部分をご紹介できればと思います

  1. 専門知識<<<<<<人間関係の処世術

  2. 自尊心を傷つけてはいけない

  3. 表面上の行いになっていないか自己点検が必要

1.専門知識<<<<<<人間関係の処世術

パーデュー大学を卒業した技術者に関する5年以上にわたる詳細な記録によると、〔中略〕高度な専門技術を身につけた人でも、そうでない人と比べて収入にそれほど差がないということだ。
しかし、人間関係の技術にたけた人は、優秀な学業成績を収めた人より収入が約15%上回り、人間関係の技術がつたない人より約33%も多くの収入を得ていた。

レス・ギブリン(2016)人望が集まる人の考え方 p.21

大変興味深い発見ですよね。専門性と年収は比例していると考えるのが普通ですが、そうではなく人間関係をスムーズにできるかが肝心だということだそうです。

一見不思議に思えますが、身の回りを見渡すと意外と真実だと思いませんか?少なくとも私の経験ではそれは真実でして、コンサルファームで堅実にスピード昇進する方は例外なく人あたりの良い方しかいらっしゃいませんでした。もちろん実業の専門性を高める必要性は無視してはいけませんが、人間関係の技術を身につけることもまた軽視してはいけない重要なスキルなのです。

2.自尊心を傷つけてはいけない

人々は自尊心を傷つけられると感情的になりやすいが、自尊心を大切にしてもらうと理性的に振る舞う。

レス・ギブリン(2016)人望が集まる人の考え方 p.26

というわけで、自尊心を傷つけてしまうと碌なことがないのでやめましょう。とはいえ相手に腹が立って自尊心を傷つけてしまいそうになることもありますよね。以下でいくつか具体的な回避法をご紹介します。私も実践するようにしていますが、仕事でよくご一緒する方との関係性がよりスムーズになったと実感しています

相手の間違いを指摘する前に、「相手が正しいかどうかは大きな意味を持つだろうか?」と自問しよう。

レス・ギブリン(2016)人望が集まる人の考え方 p.47

不必要に意地を張る必要はないということですね。目の前の相手を論破できたからといって、得られるものは何もありません。むしろ失うものの方が多いのではないでしょうか。冷静でない時、これを自問自答するようにしています。

言い訳をする機会を与えて相手の顔を立てる

レス・ギブリン(2016)人望が集まる人の考え方 p.135

こちらはとてもスマートで思慮深い行動だと思い、次回以降このようなシナリオがあれば活用したいと思いました。

具体的に理解いただくために、ビジネスでありそうなシナリオでご説明します。
あなたのクライアントは役員クラスのお偉いさんで、とある重要な資料を一緒に作成していました。クライアントがアップデートすると言った部分が更新されないまま資料が送られてきました。本来ならば「約束通りアップデートしてください」と指摘するところですが、そうではなく「手元でバージョン管理が行き届かず、最新版が確認できません。こちらの不手際で申し訳ありませんが、再度最新版をご送付いただけますでしょうか」とお願いすることで、クライアントに指摘する(面目をつぶす)ことなくアップデート済みの資料を送付する機会を与えられます。

3.表面上の行いになっていないか自己点検が必要

円滑な人間関係において大変役に立つこちらの本ですが、目新しい情報が多いわけではありません。少し前に出版されている話題の本であるということや、人間関係に関する原理原則はたかが数年で大きく変わるわけではないことが理由なのでしょう。

だからこそ、本書で紹介されている原理原則を腹落ちするまで理解し実践できているかを定期的に振り返る必要があると思います。目新しい情報が少ないために、本に書かれていることは大体できているだろうとたかをくくってしまうかもしれません。また、書かれていることをやればいいのだろうと表面的な行動にとどまってしまっているかもしれません。「ありがとうございます」と口先だけで言うのではなく、心から感謝の気持ちを持って言えるようになりたいですよね。

最後に、コントロールが難しいと思われる人間関係において、私たち自身の働きかけによって変えられる部分も多いにあることを表した一節をご紹介します。表面上の立ち振る舞いでは相手だってその程度しか自己開示してくれません。相手の態度に不満がある時、それは自分がそれを引き出してしまったのだと、そして相手の素敵な態度を引き出そうと努力する必要性に気がつけるようになりたいものです。

たいていの場合、私たちが相手に見せる側面は、相手が私たちの中から引き出したものだ。

レス・ギブリン(2016)人望が集まる人の考え方 p.70

筆者とこのnoteについて

Big4でコンサルタント経験者である私が、実際の現場で見聞きした生き生きとした(時には生き生きとし過ぎた)情報をみなさんにお届けしています。無料でも有益な情報をお届けできるように執筆していますが、より生々しい現場の経験についてはオーディエンスを絞らせていただいています。

いわゆるコンサルスキルと呼ばれるものだったりコンサルの現場から日々学ぶことは、決してコンサル業界に閉じた話ではなく、それ以外の業界の皆さんにも参考にしていただけると思います。なにしろ、コンサルタントはあらゆる業界のあらゆる課題解決を主要なサービスとしていますから、業界を問わず普遍的なスキルを身につけておく必要があるのです。

こういったゆったりとした回と有益情報を盛り込んだ回を織り交ぜることで、より活き活きとしたコンサルの現場をお届けできればと思っております。

それではまた😉

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