映画の主人公のように生きる
ここからどこに行くのだろうか?―Where do I go from here?
と自分に問いかけながら生きてきた。
子供の時からドラマチックな人生に憧れていた。
映画の主人公のように生きたい!
現実を見渡すと、単調な日々の繰り返し。一方、些細なことで悩み、そんなことさえもずっと心の重石となっている。
人生山あり谷ありと言われながら、谷ばかりが続いているように感じる今日この頃。
一体、山なんてあるのだろうか。あったとしたら乗り越えられるのだろうか?
いや、私は人生の主人公なのだから、ここで終わってはいけない、と言い聞かせる。
そんな時に思い起こす映画の主人公たち。
彼らはどんな逆境にも屈することなく、道を切り開くタイプだ。
代表的なのは、風と共に去りぬ(Gone with the Wind)のスカーレット・オハラ(Scarlett O'Hara)。
あまりに有名な映画(小説)なので、あらすじは控えるが、南北戦争の頃のアメリカの南部を舞台に、戦後の貧しさの中、自分の信念、野望を貫き通す女性の人生を描いた作品だ。
スカーレットは気性が激しく、身勝手甚だしいけど、財産、夫、愛する人を失っても、とにかく立ち上がる不屈の精神の女性だ。
ここまで壮大なお話だと、現実離れしてしまうので、近代に移ろう、笑。
エリン・ブロコビッチ(Erin Brockovich)もジュリア・ロバーツが主演した2000年のアカデミー賞受賞作品だ。実話に基づいたストーリーの主人公の名前がタイトルになっている。
3人の子供を抱えるシングルマザーのエリンが仕事、家庭生活、恋愛で挫折を繰り返しながらも、働き始めた弁護士事務所で、ある地域の環境汚染に気付き、大企業に対し訴訟を起こし、立ち向かうお話だ。
学歴も、お金も、コネもないエリンが、人並外れた好奇心と熱い正義感、そして何よりも自分を信じて、突き進む姿は元気づけられる。
淡々と会社員生活を送っている私にしてみれば、別世界ではある。これらの映画の一片もあてはまらない、主人公の心意気を除いては。
それでも、自身の小さな世界で、辛いこと、嫌な事が起きるたびにこうした映画の主人公のファイティング・スピリット(fighting spirit)をイメージしてみる。
観客としても、完璧な人生よりも、挫折を味わいながらも、一生懸命生きる主人公のほうがカッコいい。
日常においても、みっともないこと、恥ずかしい気持ちや辛さから振り返りたくないこともある。
でも、映画(ドラマ)の一場面として考えれば、そんなこと気にしてられない。
自分の人生というストーリーを通して、「私」という主人公はどんなキャラクターで、どう見られたいのか、プロデュースしてみよう。
“Everybody is a star.” (誰もがスター)
“Everyone has a story.” (誰もがストーリーを持っている)
そう考えると少しだけ、日々の生活も違ってみえるかもしれない。