十二国記の沼に足が
十二国記シリーズの1作目『月の影 影の海』(小野不由美)を上巻下巻ともに読み終えた。昔から気になっていて、いつかは読みたいと思っていたけれど、ちょっと自由な時間がとれそうだからって軽い気持ちで手を出してしまったのだった。
以下、ネタバレしない範囲での感想。
ファンタジー小説が好みではないこともあって、上巻はきつかった。いや、正直にいうと下巻の途中まで。同じような展開、登場人物の同じような行動、同じような感情の揺れ、そういうのがくるくる繰り返されて、馴染めないファンタジーな世界で、ひとり置いてけぼりにされた気分で読んでいた。しかし、下巻の中ごろから一気に話が盛り上がる。「え…」とか「あっ!」とか、つい独り言が出るようになってしまった。それは、単調だと思っていた同じような展開があってこそのクライマックスで、すべての描写はひとつも無駄ではなかったのだと思い知らされてしまった。
昨日まで、早く読み終えて他の小説を読みたいって思ってたのに、今はただただシリーズ2作目『風の海 迷宮の岸』が読みたくって仕方がない。なんで買ってないんだ、って自分を責めるほどに。これはこのままたぶん、シリーズ最後まで読むだろうなぁと思ったので、本棚を圧迫せぬよう電子書籍で読み進めようと決意。読んでから実物を買ってもいい。というか、本屋さんへ行く手間も惜しいほどすぐ読みたかった。
なのに、十二国記シリーズってば電子書籍化されてないじゃない! なんてことー。この高ぶる想いをどうしてくれよう。って、本屋さんへ行くしかないのだが。
明日、一番近い本屋さんへ開店と同時に飛び込んでくる。あったかなぁ。1作目の下巻がなかったから、それは他の書店で買ったのだけど。今からAmazonで注文しておいたほうが手に入る時間は早い気もするけど、やはり一縷の望みをかけてリアル本屋さんを突撃しよう。
(余談)
下巻を読み終えたあとに、最後の解説も目を通したけれど、なんかサラッと先のネタバレ的なことを書かれてるような気がした。防衛本能がはたらいて、ぱっと目をそらしてあとは薄目にして行をとばしてみた。ネタバレというほどのものではないかもしれないけど、なにひとつ前情報をいれたくないタイプなので、もう少しであぶないところだった。これから先読むであろう他の巻の解説は、シリーズ読破するまで読まないでおく。