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にしださん|公務員のキャリアカウンセラー

最初に断わっておくが、

トップ画像のおじいちゃんは西田さんではない。

お察しの通り。

だって西田さん生粋の日本人。多分。

【にしださんと出会うことになったわけ】

2021年晩夏、適応障害になった私は、転職を試みてハローワークへ訪れた。

なぜだか受付で障害者雇用の話題になって、障害者雇用担当のカウンターへ回された。

症状のせいかあんまり詳しい流れを覚えていない。思い出せない。不思議だ。

でもその時の担当してくれた人は覚えている。

タカヤナギさんだ。

にしださんと出会えたのは、タカヤナギさんがきっかけだ。

きっかけのきっかけのきっかけをどんどん辿れば、それは前の職場が合わなかったことに辿り着いてしまうのが、なんとも言えない人生のいじわるなところ。


タカヤナギさんと、障害者雇用の話をした。

タカヤナギさんも懇切丁寧に私の状況をヒアリングした上で色々説明してくれた。

キャリアカウンセリングについての話題を振ったのはこちらだ。


「あの、富士のハローワークにも、キャリアカウンセラーさんていますか?」


「えぇ、いますよ。富士では週に一回、キャリアカウンセラーさんがきてくれることになってます。木曜日だったかな。利用してみますか?予約みてみますけど。」


そう言いながら、タカヤナギさんはキャリアカウンセリングの予約表をとってきて、私の希望する日時に予約をいれてくれた。



タカヤナギさんは終始穏やかで、適応障害だという私に、「こういう場所は、今の貴方にはしんどいんじゃありませんか?」などと気遣ってくれた。


その日は障害者雇用の求人を印刷してもらって帰った。


それから約1週間後。


【にしださんとはじめまして】


富士のハローワークは、毎週木曜日にキャリアカウンセリングを開設している。

なぜか一回目のその日、駐車場が満車だったがために時間ギリギリになってしまった。

慌てて車を降りて、受付でキャリアカウンセリングを受けに来たことを告げる。

受付の方は担当者に声をかけると、担当の方は「こちらへどうぞ^^」

とお部屋まで案内してくれた。

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[トータルサポーター カウンセリング会場]


と書かれた相談室に、にしださんはいた。

看板?向かいの写真右側が、相談室の扉だ。

(職員用のお手洗いが隣なので、話してる最中もしょっちゅうドアの開閉音が聞こえるのは難点・・・。)

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案内してくれたスタッフがドアをノックし、にしださんへ声をかける。


「どうも初めまして、よろしくお願いします^^」


にしださんは気のいいおじいちゃん、という風だった。

公園で相席になったら、うっかりいろいろ話してしまいそうな、気さくで、紳士的で、おもしろそうな、そういう第一印象だったと思う。


(うん、それは私が今にしださんを好いているからそう思うだけかもしれない。)


何から話したか、これもやっぱり当時精神的にまいってしまっていたので、あんまりハッキリ覚えていないのが正直なところだ。


西田さんはざっくり私の状況を聞くなり、私を分析した。


「HSPと発達障害、きみにはそれらが絡んでいるんじゃないか。」


会ってものの数分で、そう指摘された。


それから適応障害になってしまった経緯や、今までも転職を繰り返してきたことなど話すと、西田さんは障害やHSPの特性を踏まえながら、私のことをどんどん俯瞰していった。


「一度きみの症状や特性を、明らかにしてみるのがいいかもしれない。」


私はなぜだか、にしださんのことをすっかり信用してしまった。

自分を正しく、ありのまま見てくれる人がそこにいて、そのことに安心したのだ。

障害を悪く言うわけでもなく、転職回数をけなすわけでもなく、ただわたしという人間がどういう風なのか、どうしてそうなってしまって、どうしていけばいいのか、押し付けるでもなく、決めつけるでもなく、西田さんはただ見たこと、気付いたこと、解釈したことを、わかりやすく説明してくれた。


「なんだかもう自分を乗りこなせなくてほとほと疲れ切ってしまって絶望だよ。どうすりゃいいんだ私は。」という状態の私に、西田さんはお布団のようなやすらぎだった。


【にしださんに毎週会うようになった】


それから毎週木曜日、私は西田さんの時間を借りた。

1回目は全体をざっくり話して、

2回目は過去に作ってきた応募書類を見返してみて、

3回目は私の職歴をすべて書き出したものを一緒に吟味して、

4回目は私のメンタルヘルスがズタボロに落ちてしまっていたから、そのまま希死念慮についても口にして、

5回目はかなり回復した自分で、今後どうやって職探しをしていくかのターンに入っていった。


【お医者さんより西田さんな私】


先週までに西田さんと5回面談をしてきた。

時間にすれば5時間ちょい。

たった5時間。

数字にすればなんだかちっぽけだ。


でも、私の西田さんへの信頼と安心感は全然ちっぽけじゃない。


「100人載っても、、、だーいじょーぶ!」


ってくらい心を許している。


どういうことだ。

わけがわからんその比喩。


大丈夫あなただけではない。


私自身もわけがわからんとそう思っている。



脱線した。


正直なところ、これは西田さんにも言ったのだが、

西田さんが主治医だったらいいのに、と思ってしまった。

それくらい、私は西田さんを信頼している。


(実際西田さんがお医者さんだったら、それはそれで出逢えなくなってしまうかもしれないし、お医者さんの西田さんは、キャリアカウンセラーの西田さんみたいにはなっていないかもしれないので、そんなことはなくていい。)


【私が西田さんを好きな理由】


私が西田さんを好きな理由は3つある。

ちなみに今3つと言ったのは適当だ。

数えてない。


【博識で思慮深く、テンポのいい西田さん】


西田さんは博識だ。

私の話を1つ聞いて3つも6つも話をつかんでくれる。

そのスピード感たるや。

私に補足説明をする隙きを与える間もなく、どんどん掴んでは解説していく。


と、思いきや、しっかり間もとる。


私が何か言うべき時には、西田さんは急かさずに待ってくれている。


そして私が言うことを、今まで一度も否定したことがない。



「そうかそうか、きみはこれこれこうで、こうなんだよな、だからこうなるとこうで、こうなって、それは障害の特性でよくあることなんだけど、そうかぁ、大変だったんだなぁ、、、、」


【心からの、ことば】


3回目の日。

私の全職歴を吟味した日。

すべて見終わったあと、西田さんはしみじみ言ってくれた。


「ほんとに大変だったなぁ、よくがんばってきたんだ。。。。」


私が印刷した、私の作った資料を左手に持って、私じゃなく、その資料を見ながら、しみじみ。


それは私のために言った言葉ではなくて、

ただただ、西田さんが心から思ったことが口から出てきた、そういう言い方だった。


【希死念慮も余裕で】


4回目のとき、私が希死念慮を口にしても、西田さんは普通だった。

そりゃもちろん心配してくれる言葉は出た。

でも変に動揺したり、なだめたり、過剰に心配しすぎたりすることがなかった。


「そう思ってしまう原因はなんだろう。なにがきっかけなんだろう。」


そうして西田さんは、私のがんじがらめになった希死念慮の紐を、冷静に解いていった。



私が一番西田さんの頼りにしているところは、とにかく精神面の知識が豊富なところだ。


発達障害やHSP(繊細さん。今更補足してみた。)、それにまつわる仕事での困りごと、病院との関わり、明らかにするべきことと、付き合い方、人生全体を見た上での客観視の仕方、そこが的確なのだ。


(世の中には相性というものもあるので、あくまでも私にとって、ということをお忘れなきようお読みいただきたい。)


【西田さんは静岡出身じゃない】

それからもうひとつ、私が西田さんを好きな理由。

地元出身ではない、ということ。


西田さんは東京の生まれだそうだ。

奥様が静岡市の方だそうで、それで静岡に住んでいるのだそう。

一時期は静岡から東京に、新幹線通勤で働いていたこともあるそうだ。

始発新幹線に乗って、終電新幹線で家に帰る。

9年間。


西田さんはそれを笑って話していたが、私は目ン玉がこぼれかけた。


9年間も新幹線の始発と終電で仕事をするなんて。

聞いただけでも心臓が縮み上がる。

それ、なんか拷問の名前、なにか付けられませんかね?



西田さんは、静岡出身じゃない。

でも、静岡に住んでいる。


だから静岡を客観視できる。


だから、好きなのだ。



私の感じている違和感を、共有できる。



私は静岡で生まれ育ち、大学進学を期に長野へ移り住み、卒業後は東京、結婚して関西へ住んで、離婚により再び静岡へ出戻ってきた。


ぶっちゃけ私は静岡なんかキライなのだ。

特に富士市の民族性が大嫌いだ。


閉鎖的で、排他的。


新しいものや人を受け入れない、変なものや輪を乱すものを容赦なく排除しようとするその同調強制力。


「きみには合わないと思うよ」と西田さんも笑った。


大学の友人も、私が富士市にいること、大手チェーン店などで働くことを、良しと思わない。


「なんでそんなところにいるの」


と度々言われる。


西田さんは、私にとって正しく、私を見てくれる。



だから私は安心して相談ができるのだ。



今週も西田さんに会う予定だ。


6回目の今週は、どんな時間になるだろう。


前回の診察の報告と、今後の方針。


ぼちぼち仕事をせねばヤバい。

誰か毎月私に4万円寄付して。


そしたらnote、書き続けられるから。

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珍しく待ち時間のあったハローワーク富士の2階からの富士山


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