「嵐が丘」の読書感想文
エミリ・ブロンテ著「嵐が丘」を読みました。
人里離れたスラッジ・クロス屋敷を借りることになったロックウッドが丘の上の通称「嵐が丘」に住む家主ヒースクリフに挨拶に行くところから物語は始まり、そこから女中ネルが嵐が丘にまつわる壮絶な物語の語り部になる。超有名な作品です。
この作品は19〜21歳ぐらいの頃に一度読みました。登場人物はほぼ全員が感情の起伏が激しく、乱暴な口調で直ぐにキレル、殴る、理解できない方法で復讐をする。更に「私を殺そうとした。」といった直後に「愛してる。あなたを大切に思ってる。」と物語の流れが全く理解できないままに面白くなかった事をよく覚えています。
その後、「アシェンデン」や「昔も今も」の著者サマセット・モームが嵐が丘を賞賛している事を知ったので改めて読んでみました。
再読した感想はとにかく面白い。モーム、アービング、ウォルター・スコット等を読んで翻訳物に慣れたことが大きいかもしれません。
ヒースクリフの復讐は常軌を逸しています。しかし、キャサリンがヒースクリフを選ばなかった理由やヒースクリフの復讐の理由もかなり論理的に説明がされていてそれをある程度は理解できる様になったことが大きいかもしれません。
エミリ・ブロンテは嵐が丘の登場人物のように感情の起伏の激しい人物を想像していました。しかし、晩年に描かれた詩を読んでみると非常に死や絶望、現実に対して達観していたように思います。少しだけ詩を齧っただけですけど。今回の再読は非常に収穫が多かったです。
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